映画評484 ~ ワイルド・バンチ

今回は「ワイルド・バンチ」

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「午前10時の映画祭」第15弾は、1969年の作品。

主演は、ウィリアム・ホールデン
共演は、アーネスト・ボーグナイン、ロバート・ライアン、ウォーレン・オーツ、ベン・ジョンソン、エドモンド・オブライアン
その他、ストローザー・マーティン、アルバート・デッカー、エミリオ・フェルナンデス、ボー・ホプキンスなど

<ストーリー>
1913年の動乱のメキシコ。パイクをリーダーとする5人のアウトローたちが、革命派の将軍マパッチから、米政府の輸送列車の襲撃を依頼される。パイクたちは見事、列車から武器弾薬の強奪に成功するが、マパッチは約束の金の代わりにパイクたちに襲いかかる。100人を超える軍隊を相手に、5人は死闘を展開する


もう40年も前の作品となるが、こういうのが「名作」というのだろうか。
私にはよくわからない。

この映画に登場するのは、「悪人」ばかりで、「善人」はほとんど出てこない。
輸送列車を襲撃するのも強盗だし、それを追うのも元強盗、しかも強盗のリーダーの仲間だった男。
それに、革命派の将軍という、これまた悪党の親玉みたいなのがいて、とにかくロクなヤツがいない。

しかし、映画では、パイクに焦点を当てているわけだから、当然のごとく、彼に感情移入させようとしている。
しかし、所詮は強盗。
仲間との友情や、政府・銀行に対する不満、将軍に対する怒りなどは、取ってつけたような話で、どうでもいいこと。

結果的に生き残るのは、パイクを追いかけていたロバート・ライアン演じる元仲間だけ。

感情移入できる登場人物がいないのだから、ハラハラ・ドキドキすることもなく、結局最初から最後まで淡々と見てしまう、ということになってしまう。

それにしても、ずいぶんとたくさんの人が死ぬ。
最後には、主人公まで死んでしまう。
壮絶な戦い、ということにはなるだろう。
だけど、まったく感情が動かない。
だって、みんな悪党だし。

だいたい、最後は、どうしてわざわざ死にに行ったのか、よくわからない。
捕まっている仲間を助けに行くため、というのはわかる。
しかし、その仲間も目の前で殺されてしまい、思わず将軍を撃ち殺すのだけど、その後は、小康状態が続く。
それを打ち破ったのは、実は主人公側だ。
あのまま引き揚げても良かったのに。

確かに、映画的には、それでは面白くないだろうけど、何だか違和感がある。

ということで、展開や描写はともかく、全体的にあまり面白く見ることができなかったので、評価は「C」にします。

やっぱり、私が期待するのは「ヒーロー」なので、この手の映画には、あまり入り込んでいけません。
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映画評483 ~ 行きずりの街

今回は「行きずりの街」

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「このミステリーがすごい!」第1位に輝いた、作家・志水辰夫の原作を阪本順治監督が映画化したもの・・・らしい。

主演は、仲村トオル、小西真奈美
共演は、南沢奈央、菅田俊、うじきつよし、大林丈史、でんでん、宮下順子
その他、佐藤江梨子、谷村美月、杉本哲太、窪塚洋介、石橋蓮司、江波杏子など

<ストーリー>
塾講師の波多野(仲村トオル)は、失踪した塾の教え子・広瀬ゆかりを捜すため、再び東京へ。失踪事件の背後に12年前自分を都内の名門女子高から追放した男たちがいることを知り、かつての学園関係者が出入りしていた六本木のバーを訪れる。が、そのバーを経営する女性は波多野の元生徒で別れた妻・雅子(小西真奈美)だった


見ていて、何だかさっぱりわからなかった。

「別れた妻と12年ぶりに運命的な再会を果たした元教師が、かつて自分を追放した学園の黒い謎に孤高の闘いを挑み、失われた時間と誇りを取り戻そうとする恋愛ミステリー」という解説がついていたが、いったいどこがミステリーなんだか。

もしかしたら、原作の方はしっかりしているのかも知れないが、映画では、恋愛モノなのかサスペンスものなのか、よくわからないが、少なくともミステリーではない。

まず、主人公のキャラクターがよくわからない。

教え子に手を出した元エロ教師ということらしいが、田舎に引っ越してからも、同じように塾の教え子と変な関係になる。
最初は、その相手である広瀬ゆかりのお婆ちゃんが危篤なので、それを知らせに行くのが目的かと思ったのに、いつの間にか「学園の不正を暴く」という話になっている。
別れた妻との関係もよくわからないし、特にラストの展開は、見ていて唖然とするだけ。
いずれにしても、この主人公には、まったく感情移入ができなかった。

別れた妻・雅子の方も、飲み屋のママをやっているのに、一方で、どこかのオフィスで働いている。
いったい、どんな生活をしているのか。

それと、全体的に気になったのが、妙なスローモーションの多投。
やたらとスローモーションになるので、何か意味があるのかと思っていたら、何もなかったりする。
延々と同じシーンを撮り続けたり(長回し?)、急にアップになったり、何だかよくわからない。
ベッドシーンの後の小西真奈美の表情をず~っと撮り続けるって、どんな意味があるの?
まあ、好きな人は喜ぶかも知れないけど・・・

あと、そこそこのキャストを揃えているにもかかわらず、なぜか下手な演出が多い。
「演技」が下手なのではなく、下手な「演出」
急に怒鳴ったり、延々と殴り合ったり、急に死んだり・・・

たぶん、脚本が下手くそなんだと思う。
石橋蓮司までが、下手くそに見えたもの。

そんなキャストの中でも、くどいようだけど、窪塚洋介は下手くそだ。
しかし、何度も言う。
この男の、どこがいいのか全然わからない。
中には、「この手の役をやらせると、彼は光る」とかいうヤツがいたが、「泣く」「笑う」などの単純な演技に比べると、この程度の役なんて、誰にでもできる。
その誰にでもできる演技が、絶望的なほど棒読み風だ。

南沢奈央は、好きなタイプの子だけど、「赤い糸」などで見せたような純粋な女の子ではなく、今回は結構な汚れ(?)役。
生足まで出して頑張っていたけど、まだまだ無理なような気がする。

そんなこんなで、とにかく最初から最後まで、「この後、何が起きるんだろう」という期待をする間もなく、終わってしまった。

ということで、申し訳ないけど、評価は「D」にします。

だって、途中で寝そうになったし。

映画評482 ~ ハリー・ポッターと死の秘宝 Part1

今回は「ハリー・ポッターと死の秘宝 Part1」

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いよいよ最終章の、その前編である。

主演は、ダニエル・ラドクリフ
共演は、ルパート・グリント、エマ・ワトソン、ヘレナ・ボナム・カーター、ロビー・コルドレーン、トム・フェルトン、レイフ・ファインズ、ブレンダン・グリーソン
その他、リチャード・グリフィス、ジョン・ハート、ミランダ・リチャードソン、アラン・リックマン、マギー・スミス、ティモシー・スポールなど

<ストーリー>
17歳に成長し、ホグワーツ魔法魔術学校の最終学年7年生となったハリー(ダニエル・ラドクリフ)。親友のロン(ルパート・グリント)とハーマイオニー(エマ・ワトソン)と共に、宿敵ヴォルデモート卿の魂が宿った分霊箱捜しの旅に出るが、すぐには見つからず、困難な旅の中で仲間割れが起きてしまう。


一言で言うと・・・


長い!


テレビの宣伝では「いよいよ完結!」などと言っているが、もちろん今回完結はしない。

次回Part2への布石、といったところだろうが、それにしても、今回は盛り上がりに欠ける気がする。

冒頭で、ヴォルデモート率いる悪の軍団(?)が勢揃いして、ハリー・ポッターを捕まえる打ち合わせをしているのだが、その後、彼らが一斉にハリーを探しにいく、という展開は、ほとんど出てこない。

その後の展開は、と言えば、ハリー、ロン、ハーマイオニー3人だけの「分麗箱」探しの旅が中心となる。
しかも、最終的に「分麗箱」は1つしか見つからない。

何だか逃げ回ってばかりのイメージがあるのだが、その展開にしても、かなりダルい。
「そこまで、引っ張らなくても」という感じだ。

しかも、「分麗箱」探しの旅にとって、必要なのはハーマイオニーであり、ロンの役目はあまりない。
そのせいだろうか、ロンの出番を作るために、仲違いとか余計なエピソードを入れているような気がしてならない。

さらに、ハリーがヴォルデモートの手下に捕まった時、誰がどう見たってハリー・ポッターなのに、ドラコに「こいつはハリーか?」などと確認させたり、ハーマイオニーを責め立てたり、この時間がまた長い。

だいたい、ロンとハーマイオニーと一緒にするのだから、ハリー・ポッターしかいないだろうに。


そんなこんなで、あまりたいしたことはなかった、ということもあり、今回の評価は「C」にしておきます。

とは言え、まったく面白くなかったわけではない。
次回、ホントの最終回が楽しみなのは言うまでもない。


それにしても・・・

ハリーもロンも、もういいおっさんじゃないか。

映画評481 ~ 燃える闘魂 アントニオ猪木50年の軌跡

今回は「燃える闘魂 アントニオ猪木50年の軌跡」


<内容>
1960年9月30日、東京・台東区体育館。プロレスラーの猪木寛至、すなわちアントニオ猪木のプロレス人生はここから始まった。持ち前の熱さで多くの人々を魅了する燃える闘魂、アントニオ猪木という存在に、秘蔵試合や名勝負、本人へのインタビューなどを通して迫っていく


あのアントニオ猪木がデビューして、もう50年が経つらしい。

その猪木の集大成とも言うべき映画。
まあ、簡単に言えば、そういうことになる。

古くは、ドリー・ファンク・ジュニアやジョニー・パワーズ、ビル・ロビンソンとの一戦や、神様カール・ゴッチ、鉄人ルー・テーズなど、歴戦の勇者たち(?)との一戦は、見ていて懐かしいものがある。

そして、改めて思うことは・・・

猪木って、ホントに強かったんだ、ということ。
特に、異種格闘技戦では、さまざまな格闘技の世界でトップに立った選手を相手に、堂々の勝利。

ほとんど負けた一戦は出てこなかったので、全般的に「強い!」というイメージしかないとは言え、あれだけ相手の得意技を受けた後で、最終的には勝利を呼び寄せるあの根性というものは、やっぱりスゴいと思う。

しかし・・・

見ていて思う、もう一つのことは・・・

やはり、プロレスは過去のもの、という感じがしたこと。

「歴史に残る一戦」とか「その後も語り継がれる戦い」とか言っている割には、私のまわりにいるプロレス・ファンでさえ、そんな話は出てこない。
一時期、プロレスにハマっていた私も、覚えていた試合は、タイガー・ジェット・シン、スタン・ハンセン、そしてアンドレ・ザ・ジャイアントとの一戦くらい。

もちろん、時期的なものもあるだろうけど、私のまわりのプロレス・ファンにとっても、「過去の栄光」というイメージしかないのかも知れない。

しかも、私にとっての大一番は、そのスタン・ハンセンとアンドレ・ザ・ジャイアントの試合。(昭和56年9月23日 田園コロシアム決戦)
猪木は、その時点で、過去の人となってしまっている。

自分でも、もっと「懐かし~」とか「やっぱ、スゲ~」とか思うかと思っていたのに、ちょっと意外な結果になってしまった。

しかも、特別料金ということで3000円もした。
これでは、お客さんは、あまり入らないと思う。

とは言え、偉大なるプロレスラー・アントニオ猪木に敬意を表して、評価は「B」にいたします。

映画評480 ~ さらば愛しの大統領

今回は「さらば愛しの大統領」

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あの世界のナベアツが監督した映画ということだ。

主演は、宮川大輔、ケンドウコバヤシ
共演は、世界のナベアツ、吹石一恵、釈由美子、大杉漣、仲村トオル、水野透
その他、宮迫博之、志賀廣太郎、神谷明、中川家、河本準一、小杉竜一、岩尾望、前田吟など

<ストーリー>
大阪府知事選挙に立候補したお笑い芸人の世界のナベアツ(世界のナベアツ)は見事当選を果たすが、すぐさま日本からの独立国家宣言をして、「大阪合衆国」の最初の大統領に就任してしまう。一方、大阪府警にはナベアツ大統領の暗殺予告が届き、府警で有名な迷コンビ、早川刑事(宮川大輔)と番場刑事(ケンドーコバヤシ)が、犯人グループの捜査に乗り出すのだが・・・


はっきり言って、まったく期待していなかった。

ただ、今週は見たい映画がなかったし、少しは笑えるかと思っていたのに・・・

もちろん、不覚にも(?)笑ってしまった部分は、所々あったのは事実。
しかし、それは本編とはまったく関係のない「NG集」とかいう形で、お笑い芸人たちがコントをやっているのだから、ある意味笑って当たり前。

もともとストーリーなどには興味はない。
「いかに笑わせてくれるか」
ただ、それだけ。

しかし、上映の最初に、「皆さんも100%アホになって下さい」という字幕が出てきた時から、何だかイヤ~な予感。
わざわざこんな注意書きをしなければならないなんて、自分たちが作った映画に自信がない証拠。
みんな、お笑い映画であることを前提に見ているのは当たり前なのに。

しかし、一番の問題は、もっと根本的なところにあった。

それは・・・

世界のナベアツの演技が、壊滅的に下手くそ、ということだ。

テレビでコントをやっている時から感じていたことだけど、「・・・で~す」とか「・・・ではありませ~ん」とか、中途半端に語尾を伸ばす言い方も気になるが、全体的に棒読み口調というのか、抑揚のほとんどないしゃべりは、お笑い芸人としてどうか、とさえ思う。
彼が面白いのは、「3の倍数」の時などにやる変顔の時だけ。

そのせいで、彼が演説をしている場面は、説得力が皆無、というか、笑う場面もなく、ただしゃべっている映像が流れているだけ、という感じだ。
聞けば、彼は放送作家もやっているそうだが、どうやら表に出てくるべき人間ではなさそうだ。

内容については、思った通り、あえてツッこむまでのものはなく、所々に芸人仲間や、仲村トオル、大杉漣の他、神谷明、志賀廣太郎が出てくるあたり、ちょっと「おっ」と思う程度。

出演者の中では、宮川大輔とケンコバは、結構がんばっていたと思う。
特に宮川大輔は、「隠し砦の3悪人」の時には酷評した覚えがあるのだけど、今回はいい演技をしていたと思う。

宮川大輔と世界のナベアツの子供時代を演じた二人の子役も、意外と面白かった。

結局のところ、この映画を作った世界のナベアツ自身が、この映画をぶち壊していたような気がする。

ということで、評価は「C」にします。

映画評479 ~ マチェーテ (10.11.6)

今回は「マチェーテ」

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クエンティン・タランティーノとロバート・ロドリゲスによる『グラインドハウス』内で流れた偽の予告編を基に、ロドリゲスが長編映画として製作したエロとバイオレンス満載のB級アクション。

主演は、ダニー・トレホ
共演は、ジェシカ・アルバ、ロバート・デ・ニーロ、スティーヴン・セーガル、ミシェル・ロドリゲス
その他、シェフ・フェイヒー、ドン・ジョンソン、リンジー・ローハン、チーチ・マリンなど

<ストーリー>
すご腕のメキシコ連邦捜査官マチェーテ(ダニー・トレホ)は、正義感の強さがあだとなり、麻薬王トーレス(スティーヴン・セガール)に妻子を惨殺されてしまう。3年後、テキサスに現れたマチェーテは極右の上院議員マクラフリン(ロバート・デ・ニーロ)の暗殺を依頼されるが、わなにはまったことから暗殺犯として追われる身となり・・・


はっきり言うと、ストーリーや展開そのものに新鮮味はない。

しかし、主演が、どこからどう見ても悪役顔のダニー・トレホ。
さらに、「今まで、負けたことがない!」というスティーヴン・セーガルが悪役。

この展開を見るだけでも、ちょっと楽しい。

しかも、この「負け知らず」のセーガルが、今回初めて(?)負ける。
その上、ムチャクチャな死に方をする。

ついでに言うと、ロバート・デ・ニーロも、情けない死に方をする。

だけど、トレホvsセーガルの戦いは、どう見ても、セーガルの方が強そう。
体格もがっしりしてるし、構えとか含めて、セーガルの方が貫禄がある。

全体的にB級感満載だけど、B級映画らしい面白さも十分。
ちょっと残酷な場面が多いので、そこはあまり好きではないが、「エロとバイオレンス」と謳っている割には、18禁にするほどではなかったような気がする。

あと・・・

ミッシェル・ロドリゲスは、この手の映画には欠かせないアクション女優だ。
中盤で、殺される場面があるのだが、「目を撃たれただけ」ということで、実は生きているのだけど、違和感があったのは、これくらいだろうか。

ということで、特に感動したわけでもないけれど、全体的に大きな違和感もなかったので、
評価は「B」にします。

映画評478 ~ おまえうまそうだな (10.10.31)

今回は「おまえうまそうだな」

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累計150万部を突破した宮西達也による絵本「ティラノサウルスシリーズ」を映画化したハートフルなアニメーション・・・らしい


<ストーリー>
草食系恐竜のお母さんに育てられた肉食系恐竜のハートは、成長して巨大化したことで、皆に怖がられるようになってしまう。ある日、ハートは卵から生まれたばかりの小さな草食系恐竜と出会う。ハートが「うまそうだな」と話しかけたことがきっかけで、ハートとウマソウの間には父と子のような愛情が芽生える。


これは失敗した。

ある人のブログで、「今年一番のアニメは、トイ・ストーリーでもなく、ヒックとドラゴンでもない。それは、この映画だ!」と言っていたのを見て、「へえ~、そうなのかなあ」と思ったのが発端。
そして、ネットのレビューを見ても、かなりの高評価だった。

もともと、「肉食恐竜と草食恐竜との愛情? そんなもの成立するわけがない!」と思っていたのに、たまたま招待券が手に入ったこともあり「じゃあ、見てみるか」と思ってしまったのが、失敗の原因だ。

何が面白くなかったのか。

それは、先に挙げた「あり得ない設定」などではなく、その背景にある「愛情があれば、例え自分の敵でも仲良くなれる」という、今の日本人の根底を流れる「平和ボケ」の気持ちが感じ取れたからだ。

相手は、明らかに自分たちの敵であるのに、「かわいそう」とか「まだ子供じゃないか」とか、わかったようなわかんないような理屈で、周りに反対する。
結果的に、迷惑を被るのは、周りのモノたち。

実際、ハートを育てたお母さんと兄弟であるライトは、当然のことながら彼に食べられてはいないのだが、ハートに食べられた草食恐竜たちはたくさんいる。
しかも、ハートは結構強い(実は、片目のバクーの息子らしい)ので、今後生きている間には、数多くの草食恐竜たちが食べられるに違いない。
そんなことに思いが至らないお母さんは、バカとしか言いようがない。

自然界でも、カッコウの託卵のようなものは存在する。
オオヨシキリなど、まったくの他人に育てさせる上に、カッコウの子供は、自分以外の卵はすべて巣の外に落としてしまう。
にもかかわらず、親鳥はカッコウを自分の子供のように育てる。
バカだと言えば、バカなんだろうけど、それでも、育てられたカッコウが、自分の親を食べるなんてことはしない。
ただ、自分でエサを取れるようになれば、勝手に出ていくだけ。

つまり、見ていて、このお母さんにまったく感情移入できないわけだ。
はっきり言って、迷惑な存在でしかない。

そして、このハートも、同じ運命をたどろうとする。
しかしこの場合、自分は食べられる側ではないので、「ウマソウ」を守ったところで、まわりに対する影響はあまりない。
これだけがテーマだったら、まだ見ることができたのかも知れないけど・・・

とは言え、全体としては、「何だかなあ」の世界だった。

こんな映画は、見ていて面白いとは思えない。
逆に、悲しくなってくる。
「よく、こんな呑気なことできるよなあ」って。
つい、今の日本に置き換えてしまうからだ。

今回の批評は、たぶん一般の人には共鳴してもらえないかも知れません。

だから、評価もしないことにします。
こんな映画、二度と見たくないし。

ただ一言、声優陣で言えば・・・

「ウマソウ」の声を担当した加藤清史郎の声が、ムチャクチャうざかった。

誰だよ、こいつのことを「うまい!」とか褒めてるヤツは。
単に「セリフをかんだりしないで言える」というだけ、じゃないのか?

とてもじゃないけど、うまい役者とは思えない。

映画評477 ~ SP 野望編 (10.10.30)

今回は「SP 野望編」

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特殊能力を持つ主人公のSPやその仲間たちが、テロリストたちと戦う姿を描いたテレビドラマ「SP警視庁警備部警護課第四係」の劇場版・・・である。

主演は、岡田准一
共演は、真木よう子、香川照之、堤真一、松尾諭、神尾祐
その他、野間口徹、堀部圭亮、蛍雪次朗、山本圭など

<ストーリー>
チームリーダー尾形(堤真一)の、耳を疑うような発言に疑心をぬぐい切れない井上(岡田准一)は、表面的には平和な姿をしている日常の中に、特殊能力で脅威の存在と四六時中シンクロしていた。そんなある日、六本木で大規模テロ事件が勃発(ぼっぱつ)。テロリストの魔手は笹本(真木よう子)ら第四係のメンバーにも向けられていた。


いやあ、何だかよくわからなかった。

私は、テレビドラマの方は、一度も見たことがない。
たぶん、そういう人は、この映画を見ても、面白くも何ともないと思う。

岡田准一演じる井上には、実は予知能力があるなんて、まったく知らなかった。
だから、もっと重厚なドラマかと思っていたのに、サスペンス風味が薄いし、一方で、中途半端にスケールを大きくしようとしているから、逆にちゃちに見えてしまう。

冒頭のテロリスト追走の場面から、ちょっとイヤな雰囲気はしていた。
描き方が、エラく冗長だし、この事件が大きな意味を持つのかと思えば、結果的にはたいしたことはなかったようだし。
とにかく、全体的に冗長な感じがする。

官房長官襲撃にしても、実際には、狙いは官房長官ではなく、井上たちであることがわかるのだけど、それにしても、緊迫感がほとんどない。

襲ってくるヤツらも、ただ順番に襲っているだけで、だんだん強くなっているわけでもなければ、襲い方が変わってくるわけでもない。
井上たちも、ムチャクチャ強いわけでもなければ、弱くもない。
だから、取っ組み合いのシーンなんか、見ていて「何なんだ、これは?」と思うだけ。

とにかく、展開にドキドキ・ワクワクすることがほとんどない。
なもんで、最初から最後まで、つまんなかったです!

ということで、評価は「C」にします。

出演者で言えば・・・

岡田クンも、堤真一も真木よう子もカッコいいけど、その他の面々に華がなさすぎ。
特に、香川照之なんて、黒幕のはずなのに、何だか貫禄がない。
あと、波岡一喜って、あんなにヘタだったか?

後編は、たぶん見ません。

映画評476 ~ 怪盗グルーの月泥棒 (10.10.30)

今回は「怪盗グルーの月泥棒」

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意地悪で皮肉っぽい月泥棒の活躍を描くハートフルなアドベンチャー・エンターテインメント・・・だそうな。

<ストーリー>
史上最大級の泥棒を企てている嫌味な怪盗グルー。バナナでできた仲間のミニオンたちと共に、秘密基地のある家に住んでいた。月泥棒を企てるグルーたちだったが、ライバルの泥棒に大事な秘密兵器を盗まれてしまう。そこでライバルの家に出入りする孤児の3姉妹を利用しようとしたグルーだったが、なぜか3姉妹と共同生活を送ることとなり・・・


これは、面白かった!

よく笑ったし、思わず涙ぐんじゃったし・・・
ここまで感動できるとは、想像だにしていなかった。

最初は、ドジな泥棒が、悪戦苦闘しながら、何とかライバルをやっつける・・・という話だと思っていた。
一部は合っているが、全体的にはまったく違う。

吹替え版だったのだが、ほとんど違和感がなかった。
特に、主役のグルーは笑福亭鶴瓶だったのだが、これが意外にもハマっている。

何よりも、養護施設の3姉妹がいい。
中でも、末っ娘のアグネスがかわいい!
この子たちを見るだけでも、十分楽しい。

それと、バナナでできているというミニオンたちが面白い。
何を言っているのかわからない面もある一方、それぞれの仕草が、ユニークで楽しい。

物語も、よくできている。
適度に笑いを散りばめながら、最終的には「いい話」に持っていっている。

展開はベタで、いわゆる「王道」を突っ走っているのだが、まったくブレがない。

こんなに楽しい映画も、久しぶりだ。
これ以上書くことはない。

ということで、評価は久々の「S」にします。

いやホント、面白かったですよ。

映画評475 ~ ブリット (10.10.23)

今回は「ブリット」

「午前10時の映画祭」第14弾は、1968年の作品

主演は、スティーヴ・マックィーン
共演は、ジャクリーン・ビセット、ロバート・ヴォーン、ドン・ゴードン
その他、ロバート・デュバル、サイモン・オークランド、ノーマン・フェル、ジョーグ・スタンフォード・ブラウン、ジョン・アプリアなど

<ストーリー>
組織壊滅のため、司法取引によって一人のギャングが証人として当局に保護された。だが、護衛を担当した刑事ブリットのミスで、証人は殺されもう一人の刑事も重傷を負ってしまう。ブリットは、証人が生きている、という偽の情報を流し、殺し屋を誘き寄せる作戦にでるが・・・


スティーヴ・マックィーンが、悪者相手に、ガンを撃ちまくって大活躍する映画、だと思っていた。
でも、それは「ゲッタウェイ」であって、この映画は違った。

また「サンフランシスコの坂道での壮絶なカーチェイス」が有名らしいが、最近のアクション映画で、双方が撃ち合いながらのカーチェイスに慣れてしまった私としては、ちょっと物足りなかった。

しかし、この映画は単純な「犯人追いつめ」ゲームではなく、そこには、ちょっとしたトリックが使われている。
そのあたりの展開は、よくできていると思った。
終盤まで、どうなるのかわからない展開にはドキドキするものがあったが、全体的にハデな撃ち合いはほとんどない。

何よりも、スティーヴ・マックィーンがいい。
特に目の演技がすばらしく、あまりセリフはなくても、目の動きでいろんな表情を現していたと思う。
昔は、あまり好きではなかったのだが、この映画を見ると「さすが!」と思えた。

ジャクリーン・ビセットは好きな女優さんの一人だが、この映画では、たいした出番はない。
ただの恋人役みたいな感じだったので、ちょっと残念だった。

そして、ロバート・デュバル。
タクシーの運転手をやっていたので、「こいつが、実は犯人か?」と思っていたのだが、何のことはない、ただの端役だった。
調べてみると、当時すでに37歳なのだが、その後6回もアスデミー賞にノミネートされた名優も、この時はまだ駆け出しの頃だったようだ。
これは、騙されたというよりは、勝手にそう思ってしまった自分が悪い。

などなど、もっとハデなアクションを期待していたので、その分がっかりしたけれど、内容としては申し分なかったので、評価は「B」とします。
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