映画評500 ~ 白夜行

通算500本目の作品となる今回は「白夜行」

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今まで舞台化やテレビドラマ化されてきた、東野圭吾の人気小説を、『60歳のラブレター』の深川栄洋監督が映画化。ある殺人事件にかかわった人々の複雑な人間関係を軸に、19年に及ぶ男女の狂おしい愛情を描く映画だ。

主演は、堀北真希、高良健吾
共演は、船越英一郎、姜暢雄、緑友利恵、粟田麗
その他、今井悠貴、福本史織、田中哲司、戸田恵子など

<ストーリー>
昭和55年、質屋の店主が殺されるという事件が起きるが、結局被疑者死亡のまま解決。だが、当時の担当刑事笹垣(船越英一郎)は、何か腑に落ちないものを感じていた。数年後、事件の殺人犯と目されていたが、ガス中毒死した女の娘雪穂(堀北真希)は美しく成長し、一方質屋店主の息子亮司(高良健吾)も事件後は家を出ており・・・


これは、面白かった。

原作を知らなかったし、もちろんドラマも見ていないので、結末の衝撃度は相当なものだった。

内容的には「砂の器」(もちろん、加藤剛主演のヤツ)級だった。

推理モノなので、ネタばらしは避けるけど、一言で言うと、エラリー・クイーンの「Yの悲劇」風といった感じだろうか。

はっきり言って、堀北真希はあまりウマくないと思うし、亮司役の高良健吾も、たいしたことはなかったが、原作がいいので、ぐいぐい引き込まれる典型的な例かなと思う。

とは言え、最初のうちは、何だかよくわからなかった。
「何で、この人が出てくるんだ?」とか、前後関係がわからないので、その展開についていけない部分はあった。

ところが、終盤に来て、衝撃の事実が判明するにつれ、「な~るほど」と一気にクライマックスへ。
終わり方には、やや不満だったけど、これはいい作品だと思う。

ただ、タイトルである「白夜行」の意味がよくわからなくて、いちおう調べてみると、ちょっと描写不足の部分はあったらしい。
見た限りでは、陰の犯人が、実行犯をただ利用しただけの悪人のように思えたのだけど、原作では、そのあたりをもっと掘り下げていたので、タイトルの意味が見えてくる、ということのようだ。

ただ、今回は「いい」と思ったので、これ以上は書かないことにします。

ということで、記念すべき500本目を飾るに相応しい作品だったと思うので、評価は「A」にします。

ネットでは、いろいろと批判もあるようだけど・・・


ただ、非常に細かいところを言えば・・・

実行犯に、劇薬を用意させられた後で殺された女が死ぬ場面。

青酸カリで死んだ、ということで、多くの映画やドラマがそうであったように、ほぼ即死するという描写ではなくて、しばらく悶絶するという現実に即した描写を入れたのは良かったと思うのだが、その後、死体が警察によって運び出される場面。
警官二人が、実に軽々と運んでいたのだけど、いくら女性とは言え、ちょっとぽっちゃり系でもあるし、死体なんて、そんなに軽々と運べるものではない。

最初見ていて、「何か遺留品でも運んでいるのかな?」と思ったほどの軽い描写だった。

直前のシーンで「お~っ、やるじゃん」と思っただけに、変に気になったし、ちょっと残念だった。
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映画評499 ~ グリーン・ホーネット

今回は「グリーン・ホーネット」

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昼は新聞社の青年社長だが、夜な夜な相棒と共に犯罪者と戦う正義の味方グリーン・ホーネットの活躍を描いたドラマシリーズのリメイク版

主演は、セス・ローゲン
共演は、ジェイ・チョウ、キャメロン・ディアス、クリストフ・ヴァルツ、エドワード・ジェームス・オルモス、デヴィット・ハーバー
その他、トム・ウィルキンソン、エドワード・ファーロング、ジェイムス・ハリス、ジェームズ・フランコなど


<ストーリー>
新聞社の若き社長ブリット・リイド(セス・ローゲン)は、夜になれば全身グリーンのスーツとマスクで身を包み、グリーン・ホーネットとして街中の犯罪者と戦うヒーローだった。ハイテク装置満載の愛車を駆って相棒のカトー(ジェイ・チョウ)と共にギャングの支配者、ベンジャミン・コドンフスキー(クリストフ・ヴァルツ)を追い詰めるのだが・・・


これは、なかなか面白かった。
オリジナル版は、ほとんど覚えていないけど、コメディであるとは思わなかった。

しかし、最初は、どうなることかと思った。
何せ、主人公であるブリットが、頭が相当悪い上に、傲慢で無知で意味なく自信家だ。
これでは、感情移入できるはずもない。

しかも、実質のヒーローは、相棒であるカトーである。
彼なくして、主人公は何もできないどころか、逆に相棒の足を引っ張ってさえいる。
ただお金持ちで、妙な正義感を持っている、というだけの人間だ。

だけど、この二人が漫才さながらのドタバタを演じているので、かえって笑える。
後半は、アクションも加えて、結構楽しく見ることができた。

敵役は、「イングロリアス・バスターズ」での怪演で有名になった、あのクリストフ・ヴァルツ。
今回もイカれたギャングをうまく演じていた。

だから、カトーとこのヴァルツがいなければ、ただのアホ・バカの映画になっていたかも知れない。
ただ、カトー役のジェイ・チョウは、知らない俳優だったけど、逆にそれが良かったのかも。
役柄のイメージとしては、ジェット・リーが良かったかなあ、とも思うのだけど、もしそうだったら、主役は完全に持っていかれただろうから

秘書を演じていたキャメロン・ディアスは、「当代髄一のコメディエンヌ」として認めつつある女優さんだから、もう少し出番があると思っていたのだが、意外にもチョイ役みたいな感じだった。
これは、ちょっともったいなかった。

ということで、最初期待していて、途中で落胆して、最後はよく笑ったので、全体としてはまずまず面白かったので、評価は「B」にします。


ただ・・・

3Dにする意味は、まったくなかったと思う。

映画評498 ~ 犬とあなたの物語 いぬのえいが

今回は「犬とあなたの物語 いぬのえいが」

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それぞれ世界に一つしかない人と犬のきずなを映し出すハートウオーミングな『いぬのえいが』シリーズ第2弾。

出演は、大森南朋、松嶋菜々子、堀内敬子、篠田麻里子、生瀬勝久、小倉智昭、中尾彬、内野聖陽、高畑淳子、芦田愛菜、北乃きいなど

<ストーリー>
翻訳家の一郎(大森南朋)は、小さいころに飼っていた柴犬が車にはねられたショックが原因で、犬が嫌いになってしまった。しかし妻の美里(松嶋菜々子)は、自分が世話をするとラブラドールレトリバーのラッキーを勝手に引き取ってしまう。一郎は、毎日静かに自分を見守ってくれるラッキーと、少しずつ心を通わせていくが・・・


よく、「動物や子供が出る映画は当たる」とか言われる。
しかし、私は、動物や子供が出る映画は嫌いだ。

でも、犬は大好きだ。
猫も好きだし、動物モノを見るのは大好きだけど、それは「ドキュメンタリー」に限る。

では、なぜ動物や子供が出る映画は嫌いなのか。
それは、子供は演技が下手だし、動物には演技などできないからだ。

「いや、うまく演技してるじゃないか」と言う人がいたら、それは動物(犬)を飼ったことがない人だろう。
「大好きなご主人」に対する犬の仕草・行動を知っている人は、とてもじゃないけど、ただ「鳴いているだけ」、「呼べば、飛んでくるだけ」の犬を見て、「かわいい」と思うはずがない。

だから、そんな偽善だらけの映画なんて、見たくもない。

という前提があるにもかかわらず、2005年に続いて、今回もこの手の映画を見たのは、やはり「もしかして・・・」という気持ちがあったから。

2005年の「いぬのえいが」の映画評を読み返すと、評価は「B」になっていた。
それは、最後の「ねえ、マリモ」が効いたからだ。

そういう場面を期待して、今回も見たわけだ。

前置きが長くなった。

今回の場合、出だしは悪くなかった。
中尾彬が、喫茶店に来て一人でコーヒーを飲んでいる時に、ハリセンボンが出てくる場面には「あちゃ~」と思ったものだが、その後の展開にはちょっと笑ってしまったからだ。

しかし、その後の「愛犬家」を紹介する場面では、「笑い」を取ろうとしているのはわかるのだが、ちょっと入っていけない。
特に、高畑淳子演じる新郎の母による、結婚式での出来事は最悪だった。
あんなのじゃ、ピクリともしやしない。

犬を「家族」として認識するのは構わない。
かく言う私もそうであったからだ。
だけど、それを「人間」として扱う時点で、その飼い主は、ただのバカ野郎だ。
しかも、「もしかしたら、ホントにこういうヤツがいるかも知れない」と思うと、何だかいや~な気持ちになってしまう。

そして、次。
物語の肝の部分(?)である「ラッキー」の話。
はっきり言って、何が言いたいのかよくわからなかった。

若年性アルツハイマーという病気がどのようなものなのか、よくはわからないけど、少しずつ記憶がなくなってきた主人公・一郎に対して、ラッキーのおかげで、最後には・・・という展開を期待していたのに、何のことはなかった。
何も起こらなかった、からだ。
あれでは、ラッキーの存在する意味がほとんどないと思う。

せっかく、大森南朋や松嶋菜々子が存在感のある演技をしていた、というのに、何ともあっけない終わり方だった。

それよりも、何よりも、決定的だったこと。
それは、この物語の中でも、ラッキーはただの犬のままだったこと。
つまり、大森に対しても、松嶋に対しても、「ご主人」に対する仕草は、一切していなかった。
ただ、吠えたり、尻尾を振ったり、「お座り」していただけ。
こんな飼い犬なんか、見たことがないし、いるわけがないのに・・・

それが、最後にあんな中途半端な終わり方をするものだから、ちょっと唖然としてしまった。

そして、最後のエピソード。
これは、まずまずだった。
「ラッキー」の話より、こちらの方の話を大きく展開させた方が良かった、とさえ思えた。

それにしても・・・
いつもは、「下手くそな子役」ばかりなのに、ここでの準主役である芦田愛菜は、ウマい!と思う。
逆に、ウマすぎて、何だか違和感がある。
現実に、こんな会話のできる子がいたら、こっちが委縮してしまうのではないか、というくらい、セリフもしっかりしているし、笑顔はかわいい。
だからこそ、変に浮いている。


ということで、ちょっとだけ期待していたのだけど、やはり「犬」を主人公にした映画はダメだった。
しかも、「かわいいなあ」という犬は一匹も出てこなかったし・・・
残念だけど、評価は「C」にします。

映画評497 ~ 僕と妻の1778の物語

今回は「僕と妻の1778の物語」

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フジテレビ系列で放映された「僕の生きる道」シリーズが、SF作家の眉村卓と2002年にガンで逝去した夫人との感動の実話を基に映画化したもの。

主演は、草剛、竹内結子
共演は、谷原章介、吉瀬美智子、陰山泰、小日向文世、大杉漣
その他、浅野和之、佐々木すみ江、風吹ジュン

<ストーリー>
SF作家の朔太郎(草剛)と銀行員の妻節子(竹内結子)は、高校1年の夏休みに付き合い始めてからずっと一緒だった。だがある日、腹痛を訴えた節子が病院に入院し、彼女の体が大腸ガンに冒されていることが判明。医師(大杉漣)に余命1年と宣告された朔太郎は最愛の妻にだけ向けて、毎日原稿用紙3枚以上の短編小説を書くことにする。


いい話だ・・・
と言うか、いい話のはずだった。

しかし、何だろう、この違和感は。
最初から最後まで、ただ呆然として見ていたような感じ。

ホントなら、余命いくばくもない妻が、夫に支えられて残された日々を一生懸命生き、そして、最後は力尽きてしまうお話。
感動し、涙が出てもおかしくない話なのに・・・

終わった後の感想は、「何だ?これは」だった。

まず、主人公・朔太郎役の草がダメだ。
この男、今回は作家の設定だけど、見ていると、ただの「頭の弱い男」にしか見えない。
確かに、小説家の中には変わった人が多いのかも知れないが、それとこれとは違うような気がする。
小説家というよりは、「いま、会いにゆきます」で中村獅童が演じていた巧に似ている。

さらに、妻を笑わせるために毎日書いている小説というのが、まったく笑えない。
というより、いい話でさえない。
所々、話の筋が紹介されるのだが、引き込まれるようなタイトル・内容というものがほとんどなく、ただ下手なタレントが書いたエッセイのような感じ。

この手の設定というのは、本の中で描くのならまだしも、映像にした場合、誰もが笑える小説なんて、そうあるものではないから、実際に話の内容を表に出してしまうと、かえって興ざめになってしまう。

「20世紀少年」の中でも出てきた歌「グータラスーダラ」と同じく、小説の中では、皆がひとつになるような歌、という設定は可能だけど、これを実際の歌にした途端、化けの皮が剥がれてしまう、というか、「実は、そんな歌なんか存在しない」ことがバレてしまう。
これと同じ感じ。

だから、小説が2つ3つ紹介された時点で、だんだんこちらの気持ちが冷めてきてしまう。
しかも、この小説を呼んで妻・節子は笑っているのだが、どう見ても無理しているようにしか見えない。
ただ、この部分は、映画の中でもそのような流れ(毎日小説を書くことと決めたことにより、朔太郎が自分自身の首を絞めてしまっている)になっているので、それはそれでいいのだが、やはり実際の小説があの程度では、見ている方は感動できない。


さらに、これが一番残念だったことだけど・・・

竹内結子の演じる病人が、何とも中途半端。
不治の病であり、症状が悪くなる一方であるにもかかわらず、所々でエラく元気になる。

強い薬によって、症状の進行を食い止めていたところ、ある程度のところで進行が止まった、という場面で、それはただ症状が悪化しなくなったということであって、治ってきている、ということではないにもかかわらず、節子は急に元気になって、いつも通り話をしていた。

まるで、完治したかのような明るさ。
でも、次の瞬間、またまた悪化してしまい、一気に顔色も悪くなる。

これは、見ていて違和感バリバリだった。

竹内結子は、大好きな女優さんだ。
演技はうまいと思うし、明るく元気でいいのだが、ここは完全に裏目に出ている。

病人をやらせたら日本一の女優(?)大竹しのぶと比べたら、その演技は雲泥の差だ。
まだまだ修行が足りない、と思う。


そして、最後節子が亡くなるシーン。

これがまた、何とも言えず「泣けない」シーンだった。

心電計の数字がゼロになって、「あっ、亡くなった」と思った瞬間なのに、医者がやってきて、なぜか人工呼吸を始める。
それがダメとわかって、初めて「ご臨終」を宣言。
何ともムダな時間だったように思う。

いったい何のために、そんなことをさせたのだろう。
ここで生き返る必要性はまったくないのだから、そんなシーンを挿入する必要はないはずだ。
しかも、節子の母親を初めとした親戚たちも、ぽか~んと見つめているだけ。
激しく泣くわけでもなく、泣き崩れるわけでもない。
ただ、ぼ~っと見ているだけ。

このシーンは、まるで泣くことを拒否するかのような描写だった。


あと、細かいところでは・・・

朔太郎が病院内で、毎日妻に対する小説を書いている時、最初は看護師や他の患者たちは「あの人誰?」とか「気持ち悪~い」とか言っていたのに、妻のために毎日1本書いているのだと知ると、途端に態度が変わって、一心不乱に書きまくっている朔太郎のまわりに、おにぎりやサンドイッチ・飲み物などを置いていく。
見ていて、ものすごく変なシーンだった。

さらに、夜中にロビーで書いている場面でも、少し離れたところで、皆が遠巻きにして見ている。
これまた、異様な光景だ。

このようなシーンを思い付いた監督って、いったいどんなヤツかと思ったら、以前にも「笑の大学」という映画を撮った監督らしい。
笑いに一家言持っているのかもしれないが、あまりセンスのある人とは思えない。


見る前は「草が出ているのだけど、竹内結子だし、まあハズれはないだろう」と思っていたし、題材も良さそうだったので、少なくとも感動はできるだろう、と思っていた。
にもかかわらず、そうでなかったどころか、竹内結子自身にも裏切られた感じ。
なので、今回の評価は、厳しく「D」にします。

ただ、これを見て泣いたという人がいても、おかしくはない作品だと思います。
私的には、まったくダメだった、というだけです。

映画評496 ~ マルドゥック・スクランブル/圧縮

今回は「マルドゥック・スクランブル/圧縮」

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人気SF作家・冲方丁による第24回日本SF大賞受賞作品「マルドゥック・スクランブル」を劇場用長編アニメーション化したもの。

<ストーリー>
カジノ経営者シェルに買われた未成年娼婦のルーン・バロットは、偽りの生、偽りの過去、偽りの今といった、人一人の人格を書き換えるすべてを与えてもらう。シェルに感謝の気持ちを抱くバロットは、なぜ彼が自分にすべてを与えたかを知るため、自分の経歴を照会するが、そのことを知ったシェルによって車ごと爆破されてしまう。


見ていて、あまりよくわからなかった。

もともと、この手のアニメは好きだ。
だから、よく見る。

だけど、今回の作品は、ストーリーにあるような事実(背景)は、実はわからない。
どこにも説明がないからだ。
もちろん、原作なんか読んでない。

主人公である、ルーン・バレットが、自分の人格を書き換えられたらしい、という描写はあるが、その直後に、シェルによって殺されかける。
「感謝の気持ち」だの「自分の経歴を照会する」だのという感情の部分は、描写を見ている限りは、たぶん理解できないと思う。

しかし、その後の展開が意外とスピーディなので、その点は多少救われる。

とは言え、全部で1時間5分という短い物語なので、スピーディにしないと終わらない、という面はあるのだが・・・

ただ・・・

実は、今回の作品には結末がない。
つまり、最後主人公が、ディムズデイル(?)に殺されそうになったところで、突如エンディング・テーマが。

えっ?と思うしかない。

後で調べてみたら、「3部作」なんだとか。
でも、そんな説明は一切なかった。

まあ、それならそれでいいのだけど、一話完結だと思っていた人にとっては、拍子抜け以外の何物でもないと思う。

ということで、まだ終わっていないので、最終的な評価を下すわけにはいかないけれど、今回のだけで評価するとすれば、やはり「C」しかあり得ない。

面白い!というわけはなかったけど、そんなにツマんなくもなかったからだ。
特に、八嶋智人が声を担当しているウフコックというキャラクターが、割と面白かった。

次回作も、いちおう見るつもりです。

映画評495 ~ アンストッパブル

今回は「アンストッパブル」

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実際に起こった列車暴走事故を基に、危険な薬物を大量に積載したまま無人で暴走し始めた貨物列車を、二人の鉄道マンが止めようと奮闘するサスペンス・アクション

主演は、デンゼル・ワシントン、クリス・パイン
共演は、ロザリオ・ドーソン、イーサン・サプリー、ケヴィン・ダン、ケヴィン・コリガン
その他、ケヴィン・チャップマン、リュー・テンプル、T・J・ミラー、ジェシー・シュラム、アンディ・アンバーガーなど


<ストーリー>
操車場に停車中の最新式貨物列車777号が、整備ミスによって走り出す。大量の化学薬品とディーゼル燃料を搭載した777号を止めるべく、鉄道会社と警察は手を尽くすが、列車はさらに加速していく。事態を察知したベテラン機関士フランク(デンゼル・ワシントン)は、この日初めてコンビを組んだウィル(クリス・パイン)と共に、決死の覚悟で暴走列車に立ち向かう


いや、良かった。
最後は、さすがに感動した。

最初は、仲違いをしていた主人公二人が、それぞれの家庭に複雑な問題を抱えながらも、最後は協力し合って、暴走列車を止める。
ベタな内容とは言え、その展開にはワクワク・ドキドキした。

だが、しかし・・・

初めのうちは、何だかイヤな感じだった。
貨物列車が暴走した理由というのが、「整備ミス」というよりは、バカな連中がバカなことをしでかしたから、にすぎない。
だから、それらが重なり合って起こった事故とは言え、見ていて同情できる部分がまったくない。

しかも、途中で暴走列車が踏切上のトラックや、止めようとした機関車が横転・爆破した時のシーンは、あまり迫力がなく、ただ淡々と進んでいる感じだった。

そして、何よりも一番違和感があったシーン。

最後の最後に、ウィルが、自分たちの乗っていた機関車から暴走列車に飛び乗るシーン。
実は、もっとも感動するシーンなのだが・・・

あの瞬間に思ったこと。

足をケガしたウィルにあの芸当ができるのであれば、もっと前に、他の機関士にもできるはずだろうに。

どうして、それをやらなかったのか。
別に車が暴走列車に追いつかなかったわけでもなければ、飛び乗ることができる状況ができなかった、というわけでもない。
最後の最後には、実に簡単に暴走列車の先頭に追い付いていたし、割と簡単に飛び乗っていた。

感動できるシーンであるだけに、何だかものすごい違和感だった。

ということで、全体的には面白かったのだが、最後の最後に、ドンデン返しとも言うべき違和感があったので、直前まで「A」にしようと思っていたのだが、評価としては「B」に留めておきます。

でも、デンゼル・ワシントンも、クリス・パインも良かったと思うし、その他の出演者も、いい演技をしていたと思います。

映画評494 ~ ミクロの決死圏

本年度最初の作品は「ミクロの決死圏」

「午前10時の映画祭」第18弾は、1966年の作品。

主演は、スティーヴン・ボイド
共演は、ラクエル・ウェルチ、アーサー・ケネディ、エドモンド・オブライエン、ドナルド・プレザンス
その他、アーサー・オコンネル、ウィリアム・レッドフィールド、ジェーロズ・ブローリンなど

<ストーリー>
体内潜行を可能とする物体ミクロ化技術を研究していたチェコのべネス博士がアメリカへ亡命する。だが博士はスパイに命を狙われ、脳内出血に倒れてしまう。博士を救うべく、科学者チームは特殊潜航艇に乗り込み、ミクロ化されて博士の体内へと潜行していった。ミクロ化の研究はまだ途上段階であり、タイムリミットは1時間。はたして彼らのミッションは成功するのか?


私が、まだ小学生の時の作品なので、かなりちゃちな映像となっているが、それでも内容としては、結構しっかりと作られている。
何よりも、テンポがいいと思う。

どうしてミクロ化されるのか、など基本的な部分は省略されているので、変にツッコミをうけるところがない。
一方で、どうやって脳内の血栓を取り除くのか、あるいは、どこをどうやって行けば、そこまでたどり着けるのか、などの部分は、割と丁寧に説明してくれる。

冒頭でも、「この映画の製作にあたって、知識とアイデアを提供してくれた医者や科学者たちに感謝する」という意味の字幕が流れていたが、相当な時間をかけて作りこんだに違いない。

とにかく、ハラハラ・ドキドキする展開がいい。
中途半端なラブ・ロマンスがないのも、またいい。
せっかくラクエル・ウェルチが出ているのだから、そんな場面も期待していた人もいたかも知れないが、まったくと言っていいほどなかった。

ただ、最難関だと思われた心臓を抜ける場面と、肺から空気を取り込む場面は、ちょっと緊迫感に欠けていたように思う。

心臓を抜ける場面は、あれだけ「かなりの激流になる」と脅しておいて、実際には何も起こらず、すんなりと抜けることができる。

肺から空気を取り込む場面では、命綱をつけた主人公・グラントは、あっさりと命綱が切れてしまうが、あっという間に元の場所に戻ってくる。
しかも、その間命綱をケア(注意)している者は、誰もいない。
「あっ、消えちゃった」って、そんなアホなヤツ、実際にはいないだろう。

また、サスペンスの部分も、今いちだったように思う。
怪しい人物が一人いるはずなのに、グラントは、そのうちの一人に、簡単に「これは事故ではない。誰かが仕組んだんだ」と明かしてしまう。
ちょっと安易すぎる。
この時点で、犯人はわかってしまうからだ。

それに、犯人は、どうやってあの狭い室内で、一連の犯行をやったのだろうか。
特に、配線をショートさせるやつは、そう簡単にできないと思うだが・・・

などなど、一部に「ん?」という場面はあったのだが、全体的には違和感もなく、展開もよくて、100分はあっという間でした。

ということで、評価は「B」にします。

でも、ホントよくできてました。
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