映画評534 ~ うさぎドロップ

今回は「うさぎドロップ」

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宇仁田ゆみ原作の人気コミックを、『蟹工船』のSABU監督が映画化したヒューマン・ドラマ。ひょんなことから一緒に暮らすことになった6歳の少女と男の珍妙な共同生活を描き出す。

主演は、松山ケンイチ
共演は、香里奈、芦田愛菜、桐谷美玲、キタキマユ、秋野太作、木野花
その他、根岸季衣、斎藤洋介、風吹ジュン、高畑淳子、池脇千鶴、中村梅雀など


<ストーリー>
27歳独身のダイキチ(松山ケンイチ)は、祖父の葬式に出席するため久しぶりに帰省する。彼はその席で6歳の少女りん(芦田愛菜)に目を留めるが、何と彼女は祖父の隠し子だということで親族一同がパニックに陥ってしまう。ダイキチは施設に入れられそうになっていたりんをふびんに思い、つい自分が彼女を引き取って育てると言ってしまい


芦田愛菜ちゃんがかわいかった。

ただ、それだけの映画だった。
というのは極端にしても、もう少しうまくまとめれば良かったような気もする。

まず、松山ケンイチ演じる主人公・ダイキチの人物設定がよくわからない。

27歳独身にもかかわらず、庭付きの一軒家に住んでいるって、いったいどんな仕事をしているんだか。

その仕事だけど、スーパーか何かの管理職をやっているようだった。
27歳なのに部下が数名いるのだから、かなり優秀なんだろうけど、逆に言うと、この会社って若いヤツしかいないのか?

しかも、子育てをするために「残業のない職場」への異動を希望したのだが、その異動先が、何と現場。
商品をベルトコンベアーで仕分けをしているのだと思うけど、要は「事務所の管理者」から「現場の作業者」に変わったという設定になっている。

この映画を作ったヤツって、会社のことわかってんのか?

現場の監督者をやるのならまだわかるが、他の若者と同様に実作業をやるなんて、こんな会社、普通ないだろう。
別にホワイトカラーとブルーカラーの区別をしているのではなく、通常あり得ないからだ。
しかも、食堂の大きさから見て、少なくとも中堅以上の企業だろうから、余計に違和感がバリバリだった。

さらに、りんちゃんが行方不明になった時、主人公はともかく、その職場の全員が仕事をほっぽり出して捜索に参加。

状況がさっぱりわからないのに、どうして全員で探そうなどと思ったのだろうか。
目的もなく、ただ走りまわっているだけ。
意味がわからない。

しかも、主人公の両親・親戚にまで電話をするのはいいけど、彼らもただ家の周りを走り回っているだけ。

主人公が実家に行く時には、車で移動していたので、主人公宅から実家まで結構距離があると思うのだが、両親たちは、いったいどこを探そうとしていたのだろう。
一度、りんちゃんが「また遊びにきてもいい?」とか聞いたことがあったので、両親の家に行くことも考えたのかも知れないが、そもそも一人では行けないだろうに。

つまり、いろんな人たちがバタバタしているのだけど、誰もどこを探していいのかわかっていない。
行動そのものが意味不明になっているわけだ。
だから、見ているこっちも、「はあ?」と思うだけ。

それに、コウキ君の墓参りに付き合ったりんちゃんたちは、墓の場所さえ知らなかったのに、そこからどうやって家まで帰りつけたのだろう。
二人を墓まで案内した怪しい男が、家まで連れていったというのなら、そういう状況がわかるようにしないと。


細かいところまで言えば・・・

主人公は、毎日保育園にりんちゃんを連れていってから会社に行っていたが、保育園の開く時間が決まっているとしたら、会社に行く時間がギリギリになるのはしょうがないけれど、その保育園に行くのに、毎日ギリギリに行っているのがよくわからない。

電車を1~2本早めるだけで、ずいぶんと楽になるだろうに。
毎日子供抱いて必死に走り回るなんて、見ていて「バカか?」と思うだけ。


あと、りんちゃんのお母さん(生みの親)を探しだして、りんちゃんを引き取るつもりはないという意思確認をしたにもかかわらず、最後彼女に学芸会の写真を送りつけたのは、どういう意味なんだろう。

彼女があそこで泣いたのなら、普通なら「やっぱり私が育てます」という展開になるだろうけど、そんな感じではなかったし、だとしたら単なる嫌がらせにしか見えないではないか。


ついでに言うと、香里奈演じるヒロイン・ゆかりは、別にモデルじゃなくても良かったような・・・

一度主人公の妄想の世界に出てくるので、当然「しがないあんちゃんと奇麗なモデルさんとのあり得ない出会い」が、コメディとして大きく展開するのかと思っていたのに、結局あまり意味がなかったし。
ただの、「近所の奇麗なお姉さん」でも良かったのでは?


せっかくの題材なのに、とにかく脚本というか設定がムチャクチャだったので、あまり面白く見ることができなかった。

ということで、評価は「C」にします。


それにしても、愛菜ちゃんはホントにウマいと思う。
もちろん、松山ケンイチや香里奈よりもウマい。

ただ、周りの子供たちとの差が歴然なので、逆に浮いていたような気がする。

特に、最初の葬式の場面に出てきた女の子が、小学校の学芸会でも「失笑」レベルだったので、この先どうなるのかと思っていたのだが、最後ホントに学芸会の場面が出てきた時には、笑ってしまった。
何せ、皆そこそこのガキ・レベルの演技をしているのに、愛菜ちゃんだけちゃんとした芝居をしている。
これでは、見ていてちょっと違和感がある。

いずれにしても、愛菜ちゃんだけを楽しむ映画だったと思う。
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映画評533 ~ アザーガイズ

今回は「アザーガイズ」

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『俺たちフィギュアスケーター』のウィル・フェレルと『ザ・ファイター』のマーク・ウォールバーグがダメ刑事コンビを演じた爆笑コメディー。ひとつも手柄を立てられないドジな刑事2人が、ひょんなことから金融詐欺事件に巻き込まれるさまをブラックな笑いを交えて描き出す。

主演は、ウィル・フェレル、マーク・ウォールバーグ
共演は、エヴァ・メンデス、マイケル・キートン、スティーヴ・クーガン
その他、レイ・スティーヴンス、リンゼー・スーロン、サミュエル・L・ジャクソン、ドゥエイン・ジョンソン

<ストーリー>
ある日、ニューヨーク市警のハイスミス(サミュエル・L・ジャクソン)とダンソン(ドウェイン・ジョンソン)のスーパー刑事コンビが職務中に殉職。テリー(マーク・ウォールバーグ)は、彼らにその他大勢呼ばわりされてバカにされていたが、本来は根っからの正義漢で、悪党と対決したくてしょうがなかった。ところが彼の相棒アレン(ウィル・フェレル)は、デスクワーク命で・・・


完全なドタバタ・コメディだった。

とは言え、随所で大笑いしてしまった。

まあ、バカバカして笑いだと言えば、それまでなんだけど・・・

序盤で、サミュエル・L・ジャクソンとドゥエイン・ジョンソンが出てきて、ドンパチやり始めた時には、「こっちの方が目立ってるじゃん」と思ったものだが、この二人は、すぐにあり得ない形であっさりと死んでしまう。
いわゆる「友情出演」ってヤツだろうか。

その後も、主人公の二人は、あまり暴れたりはしない。
ウィル・フェレルの方は、それでもあまり違和感はないのだけど、マーク・ウォールバーグの方は、もっとハデにやってほしかった。
それだけが楽しみだったのに。

特に、クライマックスの場面は、当然二人が大活躍する・・・と期待していたのに、そうでもなかったので、ちょっと拍子抜けしてしまった感じ。
結果的に、ストーリーとしては「まあ、あんなもんか?」という程度。

ということで、全体的にはブラックと言うよりお下劣ギャグ満載で、ストーリー展開よりも、そちらの方で笑う場面が多かった。
とは言え、結構笑ったので、評価としては、かなり甘めに「B」とします。


余談だけど・・・

これを吹替え版でやる時には、いったいどのように訳すんだろうか、と考えてしまった。
いちおう、字幕ではそれらしく訳していたようだけど・・・

こういう時に「あの広川太一郎さんがいれば」と、ちょっと思ってしまいました。
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