映画評543 ~ 探偵はBARにいる

今回は「探偵はBARにいる」

映画110919-2

『アフタースクール』の大泉洋と『悪夢探偵』シリーズの松田龍平が演じる探偵が、札幌を舞台に危険に巻き込まれるスリリングな犯罪ミステリー。東直己の小説「バーにかかってきた電話」を基に、テレビドラマ「相棒」シリーズの橋本一がメガホンを取る。

主演は、大泉洋
共演は、松田龍平、小雪、西田敏行、田口トモロヲ、浪岡一喜、石橋蓮司
その他、松重豊、高島政伸、片桐竜次、吉高由里子、中村育二、竹下景子など


<ストーリー>
行きつけの札幌・ススキノのバーにいた探偵(大泉洋)と相棒の高田(松田龍平)は、コンドウキョウコという女からの依頼の電話を受けて早速行動を開始。しかし、何者かに連れ去られ、雪に埋められてしまうという事態に。報復しようと立ち上がった2人の前に、謎の美女・沙織(小雪)と実業家・霧島(西田敏行)という人物、そして四つの殺人事件が浮かび上がり・・・


これは、面白かった。

見るまでは「まあ大泉洋だし、そこそこ面白いだろうけど、ドタバタチックじゃないの?」と思っていたのだが、その期待(?)は見事に裏切られた。

見終わってから言うのも何だけど、今やこの手の「笑わせながら、最後はきちんと話をまとめる」ようなお話には欠かせない役者の一人だと思う。
と言うか、この人、見ただけで笑ってしまいそうな役者さんなので、まさかこんな展開になろうとは思わなかった。

そういう意味で言うと、共演の小雪にも騙された感じ。
見た目で判断したわけではないけれど、終盤の大泉洋とのやり取りでは、少しイライラしていたため、余計に結末にはちょっとビックリ。

それにしても、よく考えられた脚本だと思う。
邦画で、ここまで感心することは最近珍しい。
しかも、いわゆるハードボイルドもの。
とても、邦画では無理だと思っていたのに、意外にもお笑い系の大泉洋がいた。

今回、もう一人意外な配役だったのが、高島政伸。
イカれたヤクザ役なのだが、これがとてもハマっていた。
さすがは、私生活でも元嫁とのDV騒動で名を馳せているだけのことはある。
結構迫真のある演技は、実生活そのもの、という感じだった。

一方で、やはり残念だったのが・・・

なぜか評判はいい松田龍平。

お父さんにはなれそうにもない、というよりは、お父さんもそんな感じの役者さんだった。
つまり、ただ「スカした演技」をしているだけで、はっきり言って下手くそ。
もっと言えば、あんな演技は、誰にでもできると思う。
今回はっきりと確信した。

いちおう、謎解きなので、あまり内容には触れられないけれど、ホントよくできていると思いました。

ということで、事前の期待があまりなかったこともあり、評価は「A」にします。

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映画評452 ~ サンクタム

今回は「サンクタム」

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『アバター』で映画界を新たなるステージへと導いたジェームズ・キャメロンが製作総指揮を務めるアドベンチャームービー。洞くつの中で展開される脱出劇が、キャメロン自らが改良したフュージョン・カメラ・システムによって臨場感たっぷりに描かれていく。監督は、『男たちの戦場』のアリスター・グリアソン

主演は、リチャード・ロクスバーグ
共演は、リース・ウェイクフィールド、アリス・パーキンソン、ダン・ワイリー
その他、クリストファー・ベイカー、ジョン・ガーヴィン、ヨアン・グリフィズなど


<ストーリー>
南太平洋にぽつりと浮かぶ島にある、熱帯雨林の奥地に広がる洞くつ。その地は、人が足を踏み入れてはいけない聖域(サンクタム)の様相を呈していた。そんな洞くつの謎に挑もうと探検隊がダイビングによる調査を試みるが、巨大なサイクロンが襲い掛かり・・・


ネットでの評判があまり良くなかったようなので、ちょっと不安だった。

しかし、意外にも面白かった。
と言うか、かなり重い内容だったけど・・・

最初は、何か「変な化け物」でも出るのかと思っていたのに、そんなことはまったくなくて、人間関係がモノを言うパニック・アドベンチャーものだった。
モノを言う、というのか、ドロドロした関係というより、人間の本性が出てしまった時に、いかに危険が増すか、ということがテーマみたいな感じだった。

もちろん、この手の映画に必要なのは、本来このような冒険に参加する資格のないヤツが参加すること。

今回も、水温が低いのだから防寒対策は必然なのに「死んだ人間が着ていたものを着るなんてイヤ」と言ってスエットスーツを拒否したバカ女、その彼氏で、全員が助かる可能性があるにもかかわらず、自分だけ助かろうとし、さらにこういう冒険にはゼッタイに必要である人物を殺そうとしたバカ男、などが出てくる。

そういったバカみたい内輪もめがあったにもかかわらず、最後には目出度く・・・と思っていたところが、結末は悲惨な形となる。

正直、あそこまで重い結末になるとは思わなかった。

ただ、言うまでもなく映像は秀逸。
洞窟の中の様子が大きなスケール描でかれていて、「いったい、なぜ評判が悪かったのだろう」という内容だった。

まあ、結構エグい映像は出てくるけど・・・

それと、そもそも嵐が来るのがわかっていて、あそこまで強行するかな、という疑問はあるけど、そこを否定すると物語が成立しないので、そこはツッコムのはやめておきます。

ということで、ここは簡単に、評価は「B」にします。

映画評541 ~ 世界侵略/ロサンゼルス決戦

今回は「世界侵略/ロサンゼルス決戦」

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ロサンゼルスを舞台に、地球を侵略してきたエイリアンに立ち向かう海兵隊員の死闘を描いたSFアクション。ドキュメンタリー調の戦争映画のスタイルに未確認飛行物体の実録映像などを盛り込み、壮絶な地上戦が展開する。監督は、『テキサス・チェーンソー ビギニング』のジョナサン・リーベスマン

主演は、アーロン・エッカート
共演は、ミッシェル・ロドリゲス、ラモン・ロドリゲス、ブリジット・モイナハン、マイケル・ペーニャ
その他、ルーカス・ティル、アデトクンボー・マコーマック、テイラー・ハンドリー、コリー・ハードリクトなど


<ストーリー>
1942年、ロサンゼルス上空で発光する謎の飛行物体25機を空軍のレーダーがとらえる。その後もブエノスアイレスやソウル、ロンドンでも未知の飛行体が目撃されたが、その真相は不明だった。そして2011年、これまで世界各国で確認されたUFO事件を通して人類を監視してきたエイリアンたちがついに侵略を開始し、ロサンゼルスで海兵隊と市街戦を繰り広げる


いやあ、さすがにハリウッド映画。
とにかくものすごい迫力だし、こんな映像はとても日本映画では撮れないだろうな、と思いながら見ていた。

ただ、内容は「インディペンデンス・デイ」と同じ。

エイリアンが世界中を襲っているというのに、戦いの場はアメリカだけ(今回はロサンゼルス)で、他の国々は一切映らない。
たまたま(?)アメリカでは勝てたとは言え、力は圧倒的にエイリアンの方が強い。
だから、終わった後に「ホントにこれでいいのか?」と思ってしまう。

敵をエイリアンにするのではなく、アフリカとか南米の「某国」での「軍事国家との戦い」という形にすれば、もっと面白かったと思う。

だいたい、エイリアンは弱すぎる。
と言うか、何で負けるの?

あれだけ圧倒的な戦力を持っていながら、わざわざ攻撃の手を緩めたり、狙いが「水」なのであれば、建物なんて関係ないわけだから、とにかく破壊しまくればいいのに、なぜかワナを仕掛けたり、待ち伏せしたり、やっていることがセコすぎる。

それと、あの的の司令部には、誰も守っていなかったのか?
それまでウジャウジャいたエイリアンもほんの数匹いただけ。
簡単に侵入を許したばかりか、防御システムみたいなものが一切なくて、ミサイル攻撃を受けると防戦一方。

それまでは、米軍の一斉爆撃を簡単に阻止するほどの力を見せつけていたのに、アーロン・エッカート率いるたった5~6人?小隊にやられるなんて。

その米軍の前線基地を壊滅した時の状況も何だか違和感があった。
人間はすべて殺され、武器の類は破壊され尽くされていたというのに、なぜか指令室は無傷だった。
だから、作戦地図というのか避難ポイントへの道筋がわかったわけだけど、建物だけ無事とは、エイリアンはいったいどういう攻撃をしたのだろうか。

とにかく「エイリアンたちってバカなの?」と思えるようなことばかり。
だから、冒頭にも書いたように、敵を某国の軍隊にした方が、よほど面白かったのに、と残念でならない。

あと、細かいところでは・・・

エイリアンの急所が右胸であることが判明し、一気に盛り上がるのだけど、あんまり意味があるようには思えなかった。
それでなくても、あれだけメチャクチャに撃っていれば、いつか右胸に当たるだろうに、それまではほとんど死ななかったのに、その後は右胸を狙えば、一発で倒れていた。

あと、ストーリーに書いてあるような1942年云々のくだりは、実はまったくなかった。
エイリアンは、いきなり出てきたし・・・
映画の紹介で「実話を元にした」みたいなことが書いてあったけど、そんな説明というか描写はなかったような気がする。

ということで、迫力はあったのだけど、相手がエイリアンであるがために、何だか中途半端な映画になってしまったと思うので、評価は「C」とします。


ただ・・・

主演のアーロン・エッカートはカッコよかったです。

女戦士を演じさせるには欠かせないミッシェル・ロドリゲスは、今回はちょっと出番が少なかったかも?

映画評540 ~ アンフェア the answer

今回は「アンフェア the answer」

映画110918-1

バツイチ、子持ち、大酒飲みだが、検挙率ナンバーワンの美人刑事・雪平夏見の型破りな捜査を描く人気テレビドラマの劇場版第2弾。前作から約4年が経過した今作では、北海道の紋別警察署に異動になった雪平に連続殺人事件の容疑が掛けられ、自分を陥れた巨大な陰謀と黒幕の正体を暴くため、雪平の孤高の逃避行がスタートする

主演は、篠原涼子
共演は、佐藤浩市、山田孝之、阿部サダヲ、加藤雅也、大森南朋
その他、寺島進、香川照之、モロ師岡、吹越満など

<ストーリー>
検挙率ナンバーワンの美人刑事・雪平夏見(篠原涼子)は、のどかで平和な北の大地・紋別署で勤務する日々を送っていたが、ある日、彼女に連続殺人事件の容疑がかけられる。警察内部の機密が隠されているといわれるUSBが事件と関係があることを突き止めた雪平は、追跡を交わしながら事件の全ぼうを暴くため逃避行を開始する・・・


いやあ、なかなか良かった・・・

と言うか、ネットでの評判があまり良くなかったことを考えると、まあまあだったような気がする。

テレビでも、ドンデン返しの多さをやたらとアピールしていたが・・・

あの中で、「もう誰も信じられなくなりそうです」って言ってた女。
大丈夫だよ、君は。
どうせ、何も考えていないのだから。
だいたい、誰も信用していない人は、こんな映画を見たら、犯人などすぐにわかってしまう。
と言うか、怪しいと思っていた人が、全員グルだったのだから。

つまり、そういうことだ。

あまりに「予想を裏切るクライマックス」とか言いすぎる上に、出てくるヤツは全部犯人みたいな振る舞いばかりするので、かえって面白みが半減してしまう。

まず、大森南朋をああいう使い方をしたのはなぜ?

最初、口元だけが映された時、どう見ても大森南朋だった。
次には、鼻から下が映された時には、もう完全な大森南朋。
その次には、何と顔全体が映されていた。

こうなると、連続猟奇殺人犯は彼かも知れないけど、その黒幕が別にすることが、すぐにわかってしまう。
あんな中途半端な演出をするのだったら、最初から全身を映せばいいのに・・・

それと、黒幕たちの多さ。
いや、「えっ、この人たちも?」と思わせたいのはいいけれど、ああいう形にすると、結局誰が黒幕でもいいような気がする。
要は、「信じていた人が、実は・・・」という全員が悪いヤツだったわけだから・・・

まっ、ここでは、あえて「全員が」と書いたけど、実際には違いますよ。


あと、最後の方で「黒幕だった」と思われたヤツが、「警察署内で自殺」という形にしたのは、マズいだろう。

アメリカみたいに、名前を変えて別の人間として生き残るということが可能な国であればいいけれど、日本ではまずムリだと思う。
狭い日本で、しかも閉鎖的とは言え、そう簡単に隠し通すことができそうにない警察の中で、あんなことなどできないだろう。
しかも、映画の中では、その後の展開は、「そういう事実って、あったっけ?」みたいな内容だったし。
別に、偽装自殺なんて小賢しいことをしなくてもよかったように思う。

雪平をダマすためだけならともかく、新聞に載るような形にするのは、どう考えても失敗だと思う。
なぜなら、雪平を殺すのではなく、「知らないまま生かす」という方法を取ろうとしているのだから。

そこまでの展開は、賛否両論あると思うけれど、この部分は明らかに間違いだと思う。

とは言え、全体的にはハラハラ・ドキドキ感が結構あったし、最後の部分を除けば、なかなか面白く見ることができた。

ということで、評価はかなり甘めに「B」にします。


細かいところを言えば・・・

序盤の連続殺人事件で、「容疑者と思われた人間が、次に殺されている」という厳然たる事実があるにもかかわらず、雪平の元夫である佐藤が殺され、雪平の指紋等が見つかった時に、皆がみんな「雪平は、なぜ殺したんだ?」みたいな言葉を口にする。

誰がどう考えたって「次は雪平が狙われる番か?」と思うはずなのに、そうではない。

黒幕たちは、当然自分たちが仕掛けたことだから、そのように向けようとするのはわかるが、そうではない人たち、たとえば刑事のモロ師岡などが、必死になって「どうして殺したんだ!」と雪平に詰め寄るのはおかしいだろう。
元夫を、あんな残酷な方法で殺すなんて、頭がおかしいとしか思えないはず。

あそこは、「警察って、バカなのか?」としか思えないので、とても違和感があった。

映画評539 ~ マルドゥック・スクランブル/燃焼

今回は「マルドゥック・スクランブル/燃焼」

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SF作家・冲方丁による「マルドゥック・スクランブル」シリーズの第2部「燃焼」を映画化した長編アニメーション第2弾。第1部「圧縮」の衝撃のラストから続く本作では戦いの舞台をカジノへ移して、賭博師シェルの犯罪に巻き込まれた少女娼婦のバロットがシェルの罪状を暴くため、一世一代の大勝負に出る

声の出演は、林原めぐみ、八嶋智人、東地宏樹、中井和哉、磯部勉、若本則夫など

<ストーリー>
賭博師シェルの犯罪に巻き込まれた少女娼婦(しょうふ)バロットは、シェルの移し替えられた記憶はシェル経営カジノの100万ドルチップの中に隠されていることを知る。バロットはシェルの罪状を世間に知らしめるため、そのチップを手に入れることを決意。カジノへ乗り込み順調に勝ち進むが、伝説の女性がバロットの前に立ちはだかる


前作「圧縮」は見た。
でも、あまり覚えていない。
その時の映画評を見ると、「わけがわからなかった」と書いてあった。

ただ、ああいう画は割と好きなのと、三部作ということなので、いちおう最後まで見ようかと思って、見ることにした。

でも・・・

最初のうちはわけがわからなかったことと、異様に眠たかったこともあり、たった1時間ほどの上映時間の中で、最初の方で何と20分ほどウトウトとしてしまった。

ということで、ほとんど内容もわからず、もちろん前作のことなど、まったく思い出せずにいた。
やっと、ネズミ(ウフコック)の登場で、あの八嶋智人の声に気が付き、ちょっとだけ思い出した。

ところが、結局その後の展開がよくわからず、何とか「カジノの100万ドルチップを取りに行く」という状況だけ理解したところで、突如映画は終わってしまった。

しょうがないけど、最終作を見るしかない。

ということで、とりあえず評価は「C」にしておきます。

映画評538 ~ カンフーパンダ2

今回は「カンフー・パンダ2」(吹替版)

映画110910-2

思いがけずにカンフーマスターを目指すハメになったパンダの主人公ポーの奮闘の日々を描いた、アクション・アニメーション『カンフー・パンダ』の第2弾。今作では、カンフーの達人たちと暮らしていたポーの前に中国制覇をもくろむ孔雀のシェン大老の軍勢が現われ、激しいバトルが勃発する。


声の吹替えは、山口達也、笹野高史、木村佳乃、MEGUMI、石丸博也など

<ストーリー>
伝説の龍の戦士となったポーは平和の谷を守るため、カンフーの達人、タイガー、モンキー、ヘビ、ツル、カマキリの「マスター・ファイブ」と共に暮らしていた。ある日、見たこともない強力な武器のバスーカ砲を操って中国制覇の野望を抱くシェン大老の軍勢が現われ、ポーたちは立ち上がる決意をする


これは面白かった。

前作が面白かったので、もともと見るつもりでいたのだが、吹替え版しかなかったので、ちょっと躊躇していた。

しかし、それでも面白かった。
実によくできていると思う。

ストーリーについては、細かいツッコミをしてもあまり意味がないのでしないが、話の展開といい、登場人物たちの表情といい、ホントにDream Worksは「いい仕事」をするなあと思う。

何せ、今回は笑いと痛快さに加えて、感動も与えてくれる。

「感動」という言葉はあまり使いたくないのだけど、そういう表現しかしようがなかった。
それくらい、物語がよくできていると思った。

ただ・・・

やはり、吹替えが・・・

どうして、山口達也なんだろう。
いったいどういう思考回路を経たら、この無免許運転男にたどり着くのか、まったく理解できない。

そして、タイガーの吹替えが木村佳乃で、ヘビがMEGUMI。
タイガーなどは、結構重要なポジションなのに、どうして木村佳乃なんだろう。
聞いていて、「まさか木村佳乃か?」と思うほど、木村佳乃丸出しだったし・・・

映画の吹替え俳優を決定する人たちは、わけのわからないタレントを使うと、映画が台無しになってしまう、というリスクを考えたことがないのだろうか。

少なくとも、声を聞いて「あっ、○○だ!」とすぐにわかるような吹替えではダメだと思う。

先日も、テレビで「声優が選んだ声優ベスト10」みたいな番組をやっていて、その栄えある1位が、私も大好きな山寺宏一だった。
彼のよさは、声を聞いても、すぐにはわからないところだ。
(亡くなった広川太一郎や山田康雄などか選外だったのは、ちょっと納得がいかないけど・・・)

そういう「声優文化」がきちんとあるというのに、どうしてそれをぶち壊そうとするのだろう。
それが理解できない。
そこだけは、どうしても認めるわけにはいかない。

とは言え、とにかく面白かったので、評価は「A」にします。

もし字幕版だったら「S」だったかも知れない・・・!?

映画評537 ~ ミケランジェロの暗号

今回は「ミケランジェロの暗号」

映画110910-1

ユダヤ人美術商の一家に代々伝わるミケランジェロの絵画をめぐって、絵画を政争の道具として利用したいナチス・ドイツを相手に、命を懸けた無謀な行動に出る一家の息子の覚悟を描くサスペンス・ドラマ

主演は、モーリッツ・ブライブトロイ
共演は、ゲオルク・フリードリヒ、ウーズラ・シュトラウス、マルト・ケラー、ウド・ザメル
その他、ウーヴェ・ボーム、ライナー・ボック、メラーブ・ニニッゼ、カール・フィッシャー、クリストフ・ルーザーなど


<ストーリー>
ユダヤ人美術商の一家に代々伝わるミケランジェロの絵画をイタリアのムッソリーニに送り付け、優位な条約を結ぶ材料にしたいナチス・ドイツは絵画の強奪に成功するも、贋作であることが判明。一方、本物の絵を隠した一家の息子ヴィクトールは、父親が遺した謎のメッセージを受け取っていて家族の命を守るためナチスと駆け引きをしようとするが


これは、なかなか面白かった。
意外な掘り出し物、という感じだ。

ストーリーもよく練れている、というか、二転三転・四転・五転くらいする。
ハラハラ・ドキドキ感も十分で、ある程度途中で先が読めてくるとは言え、最後まで飽きることがなかった。

タイトルにもある「暗号」は、実は簡単で、見ているこちらとしては、その顛末が気になるだけで、それほど難しい謎解きではない。

原題は「MEIN BESTER FEIND」だから、直訳すると「私の最高の敵」ということになる。
こちらの方が、内容に近い。

「ミケランジェロの暗号」というタイトルで、確かにミケランジェロも暗号も出てくるが、ミケランジェロ自体に暗号は隠されていない。
つまり、「ダ・ヴィンチ・コード」を意識してタイトルをつけただけ、のような気もする。

また、ナチスとユダヤ人が登場人物の大半とは言え、陰湿さ・悲惨さ・残酷さ・ドロドロ感などはほとんどなく、適度に笑いを散りばめていて、ある意味コメディのような内容だった。

特に、SSとユダヤ人の入れ替え(?)というのは、本来ならドキドキものだろうし、あんなのすぐにバレそうな気もするけど、そのあたりは結構コミカルに描かれている。
なので、最後まで安心(?)してみていられた。

ということで、サスペンスとしては「最高!」というわけにはいかないと思うけれど、あまり期待していなかった分、とても面白く見ることができたので、ここは甘めに評価は「A」にします。


最後の最後に、もう一度ドンデン返し、というかひとヒネリがあって、何だか「やりすぎ!?」という気もするけど・・・
まあ、ご愛嬌ということで。

映画評536 ~ ライフ

今回は「ライフ」

映画110904

超ハイスピードカメラを駆使して撮影された、地球に生を受けたさまざまな動物たちの生きざまに迫る驚異のドキュメンタリー。アザラシやチーターなどの動物をはじめ、ハネジネズミやカイツブリなどの珍しい生き物たちが必死に知恵を絞って命をつなぐ姿を追い掛ける。イギリスのBBCが製作を担当している。

ナレーションは、松本幸四郎と松たか子

<内容>
南極では、天敵から襲われない氷に覆われた海の上を子育ての場に選んだ母アザラシが子育てを開始。一方、エチオピアのシミエン山地では、骨も溶かす強力な胃液を持っているヒゲワシが、大きいサイズの骨を食べやすくするため、高所から岩場に落として割っている。そしてケニアの草原では、とても珍しいチーター三兄弟が協力して獲物を狙う


なかなかいい映像だった。

もちろん、今までに見たことがある場面もあった。
しかし、全体的には初めて見るものが多く、特にコモドオオトカゲが水牛を襲う場面は初めてだったし、「コモドオオトカゲ、恐るべし!」だった。

あと、「どうやって、こんなシーンを撮ったのだろう」という場面も随所にあり、なかなか面白かった。
さすがはBBCというのか、日本だとNHKくらいしか、こんな映像は撮れないだろう。

良かった理由のもう一つは、日本の民放ではありがちな、動物にセリフを言わせていないこと。

「お父さん、ボクもできたよ」とか「ほ~ら、こうやるんだよ。やってごらん」とか、実にしょうもない吹き替え(?)が出てくる民放の動物番組は、せっかくのいい題材が、一気に台無しになるほどくだらない。

(しかも、テレビでの宣伝で、チーターがダチョウを襲うところで、確かダチョウが「やべえ、オレかよ」みたいなセリフを言うところがあり、ちょっと不安だった。しかし、どうやらあれは「パロディ」だったようだ)

それに比べて、淡々と映像を流すこの映画は、自然の神秘・雄大さ・面白さを表現する方法としては一番だと思う。

ただ、ナレーションは、ちょっと「いのち」にこだわりすぎで、「どうして生きるのでしょう」とか、そんなの人間でさえわからないような問題を投げてばかり。

しかも、最後は「地球は、人間だけのものではありません」って、お前は鳩山由紀夫か!とツッコミたくなるほどの締め方。

だいたい「どうして生きているのか」という問題を投げかけておいて、描いているのは「それって、本能で動いているだけやん」というものばかり。
エサを取るのも、子供を育てるのも、家族を守るのも、すべて「本能」のなせる技だと思うのだけど・・・
いろいろと考えて行動しているわけではあるまいに。

そして、その結論が「だから、地球は人間だけのものではない」なんて、まったくつながっていないと思うのだが。

以前上映された「オーシャンズ」ほどのプロパガンダ性はなかったものの、なんだか後味の悪い終わり方だった。

とは言え、映像はとてもきれいで、衝撃的なシーンもいくつか。

ということで、評価はもちろん「A」にします。

映画評535 ~ ゴーストライター

今回は「ゴーストライター」

映画110903

『戦場のピアニスト』などの巨匠ロマン・ポランスキー監督が、ロバート・ハリスの小説を映画化したサスペンス。元イギリス首相のゴーストライターとして雇われた平凡な男が、ある秘密に吸い寄せられていくさまを鮮やかなタッチで描く

主演は、ユアン・マクレガー
共演、ピアース・ブロスナン、キム・キャトラル、オリビア・ウィリアムズ、トム・ウィルキンソン
その他、ティモシー・ハットン、ジョン・バーンサル、デヴィット・リントール、ロバート・パフ、ジェームズ・ベルーンなど


<ストーリー>
元イギリス首相アダム・ラング(ピアース・ブロスナン)の自叙伝執筆を、破格の報酬で引き受けたゴーストライター(ユアン・マクレガー)。その仕事の前任者が事故死したこともあり、彼は気乗りがしないままアメリカ東部の島へと向かう。同じころ、イスラム過激派のテロ容疑者に対する拷問への元首相の関与が取り上げられ


う~ん・・・

微妙!

展開は良かったと思う。
終始ハラハラ・ドキドキだったし、登場する人物が、それぞれいわくありげで、誰もが怪しい感じ。

そして、終盤のドンデン返し。
わかる人には「最初からミエミエ」なんだろうけど、ニブい私にとって、あれはドンデン返しとしては十分。

しかし、ラストが終わって、改めて思い返してみると、何だか変なところが随所にある。

まず、殺された前任者は、いったい誰に何を知らせたかったのだろう。

いや、知らせたかった相手はわかっている。
だけど、わざわざ「秘密は自叙伝の中にある」などというややこしい方法なんかとらなくても、直接言えばいいのに。
だって、電話番号だって知っているわけだし。


しかも、知られた側が当然前任者を殺害したはずなんだけど、だったらなぜ前任者がいた部屋をそのままにしていたんだろうか。

普通、「何かあるはずだ」ということで、遺留品を調べるはず。
今回主人公がカラクリに気がついたのは、前任者の遺留品を見つけたのが発端なのだから、明らかに展開が不自然。
まあ、実際には証拠の写真などは洋服タンスの引き出しの裏に隠してあったわけだけど、それにしても前任者の衣服から何からすべてそのままにしておくなんて、明らかに変。
というか、アホだろう。


さらに、これは皆さんもツッコんでいるところだけど、元CIAだったというエメット教授。
それがなぜわかったかと言うと、「ネットに書いてあったから」って・・・

冗談以外の何物でもないだろう。
これって、世間にはバレバレだっていうことになるけど、どこの誰がCIA職員かってことは、公表されてるのか?

あと、そのエメット教授を無防備に尋ねるという主人公もアホすぎる。
だいたい、後でネットで調べていろいろわかったのだから、だったら最初からそうすればいいのに。
だから、エメット教授宅から帰る時に後をつけられるし、結果的にあんな目に遭ってしまう。


そもそもこの主人公。
いろいろと好奇心があって調べたり行動したりするのはいいけれど、無防備すぎる。
誰も警戒していないし、危ない相手にも平気で近づく。

最後の場面で、危ない本人にわざわざメモを渡したのは、いったいなぜ?
あれで強請ろうとしたわけではなさそうだし、単に「オレは知ってるぞ」っていうだけなら、言わなきゃいいのに。
だから、あんなことになってしまうんだよ。

で、結局誰が悪いヤツで、誰がいいヤツなのかはよくわからず、単に「主人公はかなりのアホでした」というだけの映画だったような気がする。
ついでに言うと、CIA側もかなり頭が悪い。

結局、頭の悪い者同士の「バカしあい」みたいで、本人たちはハラハラ・ドキドキになるんだろうけど、傍から見てると「あいつら何やってんの?」みたいな話になってしまっている。
うまく言えないけど・・・

展開は良かったのに、脚本が今いちという感じ。

ということで、評価は「C」にします。

世間の評判は、結構よかったみたいなのに・・・


ただ、出演者たちは、それぞれ存在感があって良かったと思います。

特に、主演のユアン・マクレガーは、ハデでもなくシリアスでもないこの手の役は合っているように思う。
芝居が臭くならなくていい、というべきか・・・?

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