映画評553 ~ スクライド 前編

今回は「スクライド 前編」

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放映開始10周年を記念し、テレビアニメ「スクライド」に新作パートを追加して再構成されたSFアニメーション2部作の前編。都市部と未開の地に住み分けがなされた日本を舞台に、特殊能力を手にした者たちの果てしない戦いの日々を描き出す


<ストーリー>
21世紀初頭の日本で突然大規模な土地の隆起が起き、ほかと切り離された「ロストグラウンド」という大地が誕生する。その後復興した日本は、新しく力を取り戻した市街の人々と、崩壊地域の住人とが隔絶した社会へと変化していった。やがてロストグラウンド地区の住民の中から、物質を分解して再構成する特殊な能力を備えた者が誕生し始める。


テレビで放映していた時には見たことがなかったのだが、何となく面白そうだったので、見ることにした。

とは言え、こんなお話とは思わなかった!?
一言で言えば、「ガンダム」や「エヴァンゲリオン」みたいな感じ?

ただ、画がそれほどうまくなかったような気がする。

特に、セリフを言う時の口の動きが、ちょっと大袈裟(?)すぎて、少し違和感があった。

それにしても、いろいろと考え付くものだと思う。

東京湾で突如大隆起現象が起こって、外界と隔離されてしまったとか
さらには、その影響で、物質を分解して別物(アルター)として再構成する特殊能力を持つ人間「アルター使い」が出現したとか・・・

確かに、ものすごい能力なんだろうけど、物質を分解して他のものについ構築する能力までは何とか受け取れるとしても、バトルの時には、みんなトンデもなくジャンプしたり、中には空を飛んでいるような描写になっているのは、どうなんだろうか。

とにかく、一つ能力を手にしただけなのに、それ以外の能力まで格段にパワーアップするものだから、単に「アルター能力」の理屈付けだけを最初に考えていて、後はどうでもいいと考えているのではないか、とさえ思ってしまう。

物語の方であるが・・・

主人公であるカズマは、そんな隔離地区で生まれた「アルター使い」であり、本土の連中からヒドい扱いを受けている。
とは言え、そんな主人公にはまったくと言っていいほど感情移入ができない。

というのは、とにかく自己チューでケンカっ早くて、乱暴で生意気でおまけに単細胞だ。
ただただ、一度は自分を負かした劉鳳が憎くて憎くてしょうがない、というのだけが彼のとる行動の理由なので、途中でどうでもよくなってくる。

結果的に仲間を助けたり、協力したり、ということはあるのだけど、あくまでも結果論にすぎない。
それが目的のようには見えないから。

バトルの方は言えば、とにかく派手だ。
スケールがデカい、と言うよりは、物質を何にでも再構築できる、ということなので、大袈裟なだけで、「何で、そんなものに再構築するの?」というものさえある。

まあ、そんなところにまでケチをつけていてはいけないのだろうけど、あまりハラハラ・ドキドキもしなかったので、余計にそんな感じがした。

いずれにしても今回は「前編」なので、次回を見なければ結末はわからない。
ということで、とりあえず評価は「C」にしておきます。
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映画評552 ~ インモータルズ

今回は「インモータルズ」

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ギリシア神話の世界を舞台に、世界支配をたくらむ暴虐な男の蛮行を阻止すべく立ち上がった勇者の活躍を描くアクション・アドベンチャー。『ザ・セル』『落下の王国』のターセム・シンが監督を務め、光の神であるオリンポスの神々と闇の神タイタン族の戦いが壮大なスケールで展開する

主演は、ヘンリー・カヴィル
共演は、ミッキー・ローク、ジョン・ハート、スティーヴン・ドーフ、フリーダ・ピント
その他、イザベル・ルーカス、ケラン・ラッツ、ダニエル・シャーマン、ジョセフ・モーガン、ルーク・エヴァンスなど


<ストーリー>
神話の時代のギリシア、全能神ゼウス(ルーク・エヴァンス)は人類の平和と繁栄を願い地上の営みを見守ってきた。そんな彼の前に、ギリシアを滅ぼし世界支配をたくらむ邪悪な王ハイペリオン(ミッキー・ローク)が現れる。彼のたくらみを阻止するためゼウスに選ばれた人間の勇者テセウス(ヘンリー・カヴィル)が立ち上がり、やがて世界を揺るがす戦いへと発展していく。


ギリシア神話を舞台にしている割には、原型をほとんど留めていない、という以前に、はっきり言うとムチャクチャにした内容だ。
まるで、現在瀕死状態のギリシアを揶揄しているような作品だった。

タイトルの「インモータル」は、「不滅のもの」という意味だけど、実は神様たちも結構死ぬ。
というか、殺される。
まさか、アテナやポセイドンまで殺されるとは思わなかった。

冒頭で、「神は本来不滅だけど、実は殺し合いができることがわかった」みたいな変な解説が流れるのだが、この段階ですでに「???」となってしまう。

主人公であるテセウスや、映画の中では完全な悪役であるハイペリオンなども、本来のギリシア神話とは違う役割を演じているのだそうな。

だから、ギリシア神話を舞台にしている、という前提で見ると、随分違和感があるけれど、「そんなのはまったく関係ない」という前提なら・・・

・・・やっぱり変な感じ?

善と悪の戦い、という意味では、適度にハラハラ・ドキドキもするし、なかなかの展開だとは思うのだけど、如何せん、そこに神様なんかを登場させるから、何だか変てこりんな感じになってしまう。
だって、「全能の神」のはずなのに、ゼウスはとても人間的だし、そもそも「全能」ではない。

まあ、全体的には2007年公開の「300(スリー・ハンドレッド)」みたいな感じだ。
特に、ギリシア軍とハイペリオン軍との戦いは、まさにそれ。
聞けば、スタッフは「300」と同じだそうな。

しかし、画面のエグさはこちらの方が上だけど、迫力の点ではちょっと劣る。

そして、クライマックス。

ハイペリオンとの戦いに勝ったテセウスも、最後は天に召される。
つまり、神様になったわけだ。
ところが、最後の場面で、テセウスの子どもが父親の像に触れた時に、天でテセウスたち神様連中が、お互いに殺し合いをしているシーンを感じ取る。

結局、人間だけでなく、神様たちまでもが、あちこちで殺し合いをしている、ということになるわけだ。
何なんだろう、この設定は。

だから、見終わった後は、何だか腑に落ちないという印象しか残らない。
アテナやポセイドンまでもが死んでしまったものだから、続編なんかできっこないだろうし、この映画でいったい何を描きたかったのか、よくわからない。

ということで、評価は「C」にします。

ネットでの評判があまり良くなかったので、気にはなっていたのだけど、「なるほどね!」という感じだ。


出演者で言えば、悪役のミッキー・ロークに存在感があったくらいで、後は普通。
主人公のヘンリー・カヴィルも、今ひとつか。
アテナ役の女性がちょっと綺麗だったけど、無残にも殺されちゃったし・・・

映画評551 ~ フェア・ゲーム

今回は「フェア・ゲーム」

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イラクに大量破壊兵器が存在しないことを公表したために、アメリカ政府の厳しい報復に遭った元CIAの女性エージェントの実話「プレイム事件」を映画化したクライム・サスペンス。真の正義を貫いた夫婦のきずなと衝撃の真実がリアルに描かれる。

主演は、ナオミ・ワッツ
共演は、ショーン・ペン、サム・シェパード、デヴィッド・アンドリュース、ブルック・スミス
その他、ノア・エメリッヒ、ブルース・マッギル、マイケル・ケリー、アダム・ルフェーブルなど


<ストーリー>
CIAのヴァレリー・プレイム(ナオミ・ワッツ)と元ニジェール大使で夫のジョー・ウィルソン(ショーン・ペン)は、イラクに核開発計画がないことを政府に報告する。しかし2003年、ブッシュ政権がイラクに宣戦布告。ジョーがニューヨークタイムズ紙にイラクにおける調査報告を寄稿したことから、報復としてヴァレリーが諜報員であることがアメリカ中に公表されてしまう。


これは結構重かった。
でも、なかなか良かった。

実話なんだそうな。
最後、エンドロールとともに、実際に委員会で証言するヴァレリー・プレイムの姿が映し出され、ウィルソン一家のその後について説明があった。

正しいことを言っているとはいえ、国の決断に反することは是か非か、という問題の投げかけみたいなものとなっている。

もちろん、すでに知られているように、アメリカが「イラクには大量破壊兵器がある」という理由で戦争を仕掛けたことは間違いだった。
しかも、CIAに限らず、政府の一部はこのことを知っていたにもかかわらず、平和を口実に、自分たちの利益のため(?)に一国をボコボコにする。

そんなことは、本来許されることではない。
しかし、ここで真実を表に出すことは、アメリカの立場を危うくする。
となれば、総力を挙げてこれを潰そうとするのも、よくわかる。

これに反旗を翻したのが、元大使のジョー。
つまり、この映画では、真の勇者は主人公ヴァレリーではなく、その夫である元大使のジョーだと思う。
もちろん、主人公のように、自分の立場をわきまえて沈黙を守り、同時に家族をも守ろうとする態度もすばらしい。
しかし、夫・ジョーの告発がなければ、この問題は表には出てこなかったはず。

そういう二人を演じたナオミ・ワッツとショーン・ペンは、それぞれに存在感があった。

ナオミ・ワッツの方は、実物よりも綺麗(?)だったので、余計に印象に残ったのだけど、しいて言えば、追いつめられた時の態度は、ちょっと女性らしさが表に出すぎたような気がする。

一方のショーン・ペンは、地味な感じながら、いい演技をしていたと思う。

実話なのでストーリーや展開に文句をつけるところはない。

ということで、とてもよくできていたと思うので、評価は「A」にします。
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