映画評559 ~ しあわせのパン

今回は「しあわせのパン」

映画120129

『東京オアシス』の原田知世と『探偵はBARにいる』大泉洋が初共演を果たし、夫婦を演じたハートウオーミングな人間ドラマ。北海道でパンカフェを開いた夫婦のもとに集まる客たちとの温かい交流を紡ぎ出す。客として登場するのも森カンナ、平岡祐太、光石研、余貴美子といった個性派の俳優たちばかり。コメディーとはひと味違う優しさを醸し出す大泉と原田の掛け合いや、北海道の豊かな食材で作られた食事が起こす小さな奇跡が胸に染みる。


主演は、原田知世、大泉洋
共演は、森カンナ、平岡祐太、光石研、八木優希、中村嘉葎雄、渡辺美佐子
その他、池谷のぶえ、本多力、霧島れいか、あがた森魚、余貴美子

<ストーリー>
りえ(原田知世)と尚(大泉洋)夫婦は、東京から北海道の月浦に引っ越し、パンカフェ「マーニ」を開店する。夫が丁寧にこねたパンに見合う料理を作るのは妻の担当で、いつも季節の食材をふんだんに使った料理がテーブルを彩っていた。そんな「マーニ」には、それぞれ何かしらの事情を抱えた客たちが店を訪れるものの、帰りには不思議とみんな心が軽くなっているのだった


タイトルから予想するまでもなく、ほのぼの映画である。
そして、実際かなりの「ほのぼの」であった。

大泉洋が出ているので、多少笑いの部分もあるのかと思っていたが、それもほとんどなし。
彼は、単に「人のよさ」が期待されただけのキャスティングだったようだ。
とは言え、なかなかいい味を出していたと思う。

むしろ、「お笑い」担当だったのは、もはや「怪優」と言ってもいい余貴美子。
何というのか、ホントに独特の存在感があると思う。

そして、原田知世。
後で調べてみると、もう40歳を超えている。
考えてみれば、「時をかける少女」が30年近く前の作品だから、それくらいの年齢になっていても当然なのだが、まったく年を感じさせないのはおどきに値する。
ただ、失礼な言い方をすれば、まったく「生活感」を感じさせないので、そのまま大きくなった、というだけで、「大人になったなあ」というイメージはない。

演技としては、まああんなものだろうか、という程度。

内容としては、とにかくほのぼの一色
店のパンを食べることを通して、人々が幸せになる、という単純な図式で、以前見た「食堂かたつむり(柴咲コウ主演)」に何となく似ている。

だから、途中からややダレてくる。
ほのぼのはいいのだけど、そこに人生の重さが感じられないので、ちょっと軽さが目立つようになってくるわけだ。
「いくら何でも、そこまでうまくいくかね」みたいな感じ。

しかも、最初に出てくる若者二人の演技が下手だった(特に男の方)ので、「もしかしたら失敗か?」とさえ思ったほど。
次に出てくる親子も、ちょっと違和感はあった。

しかし、最後のお客さまとして、中村嘉葎雄と渡辺美佐子が出てきた時点で一変。
やはり重鎮のこの二人が出てくると、画面が引き締まる、というのか、ちょっと重みが出てくる。
ここで、不覚にもちょっとほろっとしてしまった。

最後は、まあ定番のオチみたいな感じで終わるのだけど、個人的には、大泉演じる水縞クンと原田演じるりえ夫婦の過去みたいなものにも、もう少し触れてほしかった気もする。

とは言え、全体的にはまずまず
最初から最後まで「ほのぼの」で、変なヒネりがなかったのは、逆に良かったかも知れない。

ということで、評価は「B」にします。
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映画評558 ~ 麒麟の翼/劇場版・新参者

今回は「麒麟の翼~劇場版・新参者」

映画120128

東野圭吾のミステリー小説「加賀恭一郎シリーズ」の「新参者」を基に、阿部寛主演で放送されたテレビドラマの劇場版。東京・日本橋で起こった殺人事件の謎に挑む主人公・加賀の姿と、事件に絡む人々の深いきずなを描いていく。メガホンを取るのは、『いま、会いにゆきます』の土井裕泰


主演は、阿部寛
共演は、新垣結衣、溝端淳平、松坂桃李、菅田将暉、山崎賢人、柄本時生、三浦貴広
その他、黒木メイサ、山崎努、劇団ひとり、松重豊、鶴見辰吾、田中麗奈、中井貴一など


<ストーリー>
腹部を刺された状態で8分間も歩き続け、東京・日本橋の麒麟の像の下で息絶えた男性。一方、容疑者の男は逃亡中に事故に遭い、意識不明の重体となる。日本橋署の加賀恭一郎(阿部寛)は事件を捜査するにつれ、関係者の知られざる一面に近づいていく。被害者はなぜ必死で歩いたのか、はたまた加害者の恋人が彼の無罪を主張する理由とは。


これは面白かった。

役者の演技云々は関係ないくらい、話に入り込むことができた、ということは、原作が良かったということだと思う。

ただ、やはり役者陣は、主役級を除けば、レベルはあまり高くなかった。
特に、若い人たちは、何だか思わせぶりな演技ばかりで、「そんなに、オレがもしかしたら犯人かも?みたいな演技をしなくてもいいのに」と思ったものだ。
中でも、ガッキーの恋人役は「何で、こんなブ○イクが?」と思っていたのだが、後で調べてみると、山口百恵・三浦友和夫婦の息子(次男)なんだとか。
道理で、「親の七光り」みたいな感じだった。

あと、劇団ひとりは思った以上にダメだった。

阿部ちゃんは、いつも通り。
低い声での単調なセリフ回しは、何をやっても同じに見えるけれど、さすがに貫禄が出てきただけに、存在感は十分。
中井貴一も、いきなり「殺され役」なのに、随所に存在感のある演技をしていた。

相方役の溝端クンも頑張っていたと思う。

新垣結衣は・・・まずまずでした。


あまり大きなドンデン返しはないけれど、いろんな人間関係や事件が絡み合ったあげくに、最終的に「実は・・・」という展開は申し分なかったと思う。

推理モノだから、あまりネタばらしはできないけれど、違和感のあるところは、ほとんどなかった。

途中、捜査本部が出てくるシーンで、とにかく上司の言うことに賛成してばかりの腰巾着がいたので、ちょっとウザかったけれど、話をぶち壊すほどではなかった。

ということで、あまり期待していなかったこともあるけれど、とても面白かったので、評価は「A」にします。


ただ、本筋と関係のないところだけど、細かいところで言えば・・・

ガッキー演じる中原香織が妊娠しているとわかった時、彼女は「彼(同棲相手の八島冬樹)には、まだ言っていない」と言っていたにもかかわらず、後で彼は「安産を祈念する絵馬を購入していた」という事実が判明する。

どうしてそのことを知ったのだろう、という疑問を呈する場面がなかったのは、ちょっと違和感があった。
ただ、ここは「彼はすでに気が付いていたんだ」の一言で済むような場面だったので、別にいいのだけど・・・

映画評557 ~ ニューイヤーズ・イヴ

今回は「ニューイヤーズ・イヴ」

映画120103

大みそかのニューヨークを舞台に、きずなを取り戻そうと奔走する人々の再生と希望の物語が展開する感動ドラマ。監督は、『プリティ・ウーマン』のゲイリー・マーシャル。ロバート・デ・ニーロ、ヒラリー・スワンクといったアカデミー賞受賞スターからザック・エフロン、アビゲイル・ブレスリンといった若手まで、超豪華キャストが顔をそろえている。タイムズスクエアで行われた年越しカウントダウンイベント中に撮影を敢行したことも話題に

主演は、ヒラリー・スワンク
共演は、ハル・ベリー、ジェシカ・ビール、ジョン・ボン・ジョビ、アビゲイル・ブレスリン、クリス・“リュダクリス”・ブリッジス、ロバート・デ・ニーロ、サラ・ジェシカ・パーカー、ジョシュ・デュアメル、ザック・エフロン、
その他、ヘクター・エリゾンド、キャサリン・ハイグル、アシュトン・カッチャー、セス・マイヤーズ、リア・ミシェル、ミシェル・ファイファー、ティル・シュワイガー、ソフィア・ベルガラなど

<ストーリー>
間近に死が迫った病人と、そんな彼を見守る看護師。去年の大みそかに遭遇した女性と交わした約束を忘れることができない男性。以前付き合っていた相手と偶然に再会した男女。さまざまな事情を抱える8組の人々が、大みそかのニューヨークで愛や勇気と向き合うことに


これは良かった。
タイトルのように、年末に二人で見るといいかも知れない。

とにかく、たくさんのスターが出演している。
クレジット上の主演は、ハル・ベリーになっていたけど、個人的にはヒラリー・スワンクの方が主役に相応しいと思ったので、彼女をトップに持ってきた。

最初のうちは、いろんな登場人物が出てきて、いろんな事情でいろんなことをやり出すので、ちょっと理解するのに時間がかかってしまう。
トータル8組ということだが、バラバラだと思われた登場人物が、最後に一つに・・・というところまではいかないが、お互いが微妙に関係しながら、話は進む。

そんな中で、大みそかのカウントダウンのイベントを取り仕切っているのが、ヒラリー・スワンク演じるクレアだ。
このイベントがメインで、皆がこれに絡んでくるので、必然的に彼女の出番が一番多くなる。
もちろん、彼女も最後にはある男性と・・・というわけである。

イベントには、あのジョン・ボン・ジョビも、別名のアーチスト役で出ていて、実際に歌も歌う。
ここはいい感じだ。

ロバート・デ・ニーロは死期の迫った病人役で、その病人を看護しているのがハル・ベリー演じる看護師だが、最後を看取るのは別の女性だ。
そして、ハル・ベリーの方も、ある方法で愛する男性と年末を共にする。

ジョシュ・デュアメルが演じるのは、いいとこのボンボンで、あるパーティーでのスピーチを頼まれているのだが、そこにたどり着くまでにいろいろな出来事に遭遇する。
そして、そのパーティーの後、昨年の大みそかに出会った女性と約束をした場所に出かける。

引きこもりの男を演じているのはアシュトン・カッチャーで、エレベーターの中で偶然居合わせた女性は、実は・・・という設定にもなっている。

アビゲイル・ブレスリンは、同級生(?)の男の子とデートの約束をするのだが、それを反対する母親がサラ・ジェシカ・パーカーだ。
サラ・ジェシカ・パーカーも、最後にはある男性と・・・となる。

個人的に一番微笑ましかったのが、ザック・エフロンとミシェル・ファイファーとのやり取り。
年の違う二人(実際ミシェル・ファイファーは、ザック・エフロンの倍も年上)が、いったいどんな夜を過ごすのか。
これは、なかなかいい関係だったと思う。


などなど、いろんな人間関係が交錯するのだが、どれも微笑ましい展開だった。
ただ、ロバート・デ・ニーロだけは最後死んでしまう。
その描写はなかったけれど、たぶん幸せな最期だったに違いない。

とにかく、大みそかを迎えるいろいろな男女を、ごっちゃになることなく、よくまとめたものだと思う。

「いくら何でも出来すぎ!」感は多少あるけれど、展開としてはまったく違和感がなかった。

ということで、もちろん評価は「A」にします。


しかも・・・

エンディングの後には、「お楽しみ映像」まである。
普段ならエンドロールが流れ始めると席を立つのだが、いい流れだったので、そのまま見ていたけど、結構笑った。
「皆で、笑顔で新年を迎えようぜ」ということなんだろうか。
内容は、「その後」編と「パロディ」編とNG集などいろいろです。


ただ、しいて言えば・・・

ジョシュ・デュアメルの相手が、彼女ではねえ、という気がした。
これだけは、私にも展開が読めるほど(だって、残っているのは彼女しかしなかったし)だったけれど、ちょっとがっかり?

それと、ジョン・ボン・ジョビが意外と女々しい役柄を演じているのが残念?

映画評556 ~ サラの鍵

今年最初の映画は「サラの鍵」

映画120102

ナチス占領下のパリで行われたユダヤ人迫害、ヴェルディヴ事件を題材に、過去と現代を交錯させながらユダヤ人一家に起こった悲劇を描く感動的な社会派ドラマ。世界中で300万部を売り上げたタチアナ・ド・ロネの原作を基に、『マルセイユ・ヴァイス』のジル・パケ=ブランネール監督が映画化したもの

主演は、クリスティン・スコット・トーマス
共演は、メリュジーヌ・マヤンス、ニエル・アレストリュブ、エイダン・クイン
その他、フレデリック・ピエロ、ミシェル・デュショーソワ、ドミニク・フロ、ナターシャ・マスケヴィッチ

<ストーリー>
1942年、ナチス占領下のパリ。ユダヤ人一斉検挙によってヴェルディヴに連れてこられた人々の中に、少女サラはいた。それから60年後。パリに暮らすアメリカ人ジャーナリストのジュリア(クリスティン・スコット・トーマス)は、アウシュヴィッツに送られた家族を取材するうちに、かつて自分のアパートで起こった悲劇を知ることとなる。


実在の事件を基にしたドキュメンタリー風映画だけど、今年第一弾にしては、ちょっと重すぎたか。

フランスによるユダヤ人迫害の際に、一度は捕まりながらも、何とか脱出し、その後数奇な運命をたどった少女サラの行方を追う形で話は進む。
主人公であるジャーナリストのジュリアが、サラの秘密を知ってから、その足跡を追ううちに、サラの家族にたどり着く過程を、過去と現在の映像を織りまぜながら描いている。

途中、「この女(主人公)は、いったい何がしたいの?」と思わせるような行動をするのだけど、それも最後にはうまくまとめていたと思う。

実話に基づいているらしいので、内容・展開については、特に文句をつける、というか違和感はなかった。

ただ、いくらドイツに負けたからと言って、当時(第二次世界大戦中)のペタン率いるヴィシー政権が、そこまでしてユダヤ人を迫害した理由は、残念ながら理解できない。
ただただ「ヒドい!」と言うしかない。

ナポレオンとか一時的にヒーローが現れるものの、昔から戦争に弱い、と言うか、すぐ降参しては、また戦争を始めるというイメージのあるフランス。
特に第二次大戦では、ドイツにすぐ降参した後は、傀儡政権になって、ドイツの支配下でこんな迫害を行っていたものの、連合軍に助けてもらって、最終的には戦勝国ヅラしているのは気に入らないが、ドイツみたいに「すべてはナチスのせい」と言って責任転嫁したのとは違って、いちおう「あの時はゴメンなさい」と言ったところは、ある意味「したたかさ」を感じる。

そんなことを少し感じながら見ていたのだが、映画としてはなかなかだったと思う。

新年第一弾ということもあり、評価としては、ちょっと甘めに「A」にします。


役者さんは、誰も知らなかったのだが、それぞれいい演技をしていたと思う。

特に主人公の女性が、あまり綺麗ではなかった(?)のが、逆に映画に入り込めることになったのかも?

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