映画評577 ~ ももへの手紙

今回は「ももへの手紙」

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『人狼 JIN-ROH』で世界の注目を集めた沖浦啓之監督が、7年の製作期間をかけて完成させた感動の長編アニメーション。父から遺された一通の手紙を胸に、瀬戸内海の島へと移り住んだ少女が体験する驚きに満ちた日々を生き生きと描き出す。作画監督に『千と千尋の神隠し』の安藤雅司があたり、作画を『AKIRA』の井上俊之や『猫の恩返し』の井上鋭らが担当する。肉親との離別を体験した主人公の再生のドラマがしみじみと胸に響く。


声の出演は、美山加恋、優香、西田敏行、坂口芳貞、谷育子、山寺宏一、チョーなど

<ストーリー>
父親を亡くしたももは、11歳の夏に母と2人で東京から瀬戸内の小さな島へとやって来る。彼女の手には、「ももへ」とだけ書かれた父からの書きかけの手紙が遺されていたが、その真意はついにわからずじまいだった。ももは仲直りできないまま逝ってしまった父親のことで胸がいっぱいで、慣れない場所での新しい生活になかなかなじめずにいた。


これは、意外と良かった。

直前に見た「タイタンの戦い」が、あまり面白くなかったこともあるだろうけど・・・

何せ、まったく期待していなかったし。

予告で見る限り、主人公を初めとして、あまり魅力のある画ではないし、妖怪たちも中途半端だったからだ。

内容的にも、「となりのトトロ」や「千と千尋の神隠し」に似たようなところが随所にでてきて、あまりオリジナリティを感じない。

何となく「ほのぼのするかな?」という程度で見たわけだけど、予想に反して、結構面白かった。

何よりも、妖怪たちが妙に面白い。

人を怖がらせるためにいるのではなく、別の理由(役目)があるわけだが、その役目が気に入らないのか、ところどころでヘマをする。

その合間のやり取りの中で、ボケたりツッコんだりするわけだが、たいしたセリフじゃないのに、何だかおかしい。

たぶん、面白かった大部分は、この妖怪たちのやり取りだったかも知れない。

一人は西田敏行だとすぐにわかったが、もう一人が、「声は聞いたことあるのになあ。誰だったっけ?」と思い、エンドロールを見て「あっ、山寺宏一だ」とわかった。
この二人だと、適当にアドリブも交えながら、自分たちも楽しんでいたかも知れない。

一方で、主人公・ももは、あまりかわいいとも思えないし、特に特徴のある女の子でもない。
ただ、父親と和解できないままになってしまったことを後悔している普通の女の子だ。
このあたりは、「千と千尋の神隠し」の主人公に似ている。

ストーリーそのものもベタだし、平凡と言えば平凡なんだけど、それがまた良かったのかも知れない。


それと、この映画の舞台が瀬戸内海だ。
というか、モロに私の田舎だった。

だから、出てくる方言がすべてわかるし、妙に懐かしい。

「時計がめげた」だの「部屋がわやじゃ」だの「いなげなもんでの~」などという言葉は、もしかして、さっぱりわけがわからなかった人がいるかも知れない。

ちなみに、「めげた」は、「壊れた」という意味で、私の田舎では、人の心だけではなく、モノまで「めげる」

「わや」とは、「ムチャクチャ」と言えばいいだろうか。
つまり「部屋がぐちゃぐちゃだ」という意味だ。

そして「いなげ」
関東だと、「稲毛」という地名もあるし、「いなげや」というスーパーがあるので、聞いたことがある言葉だとは思う。
私は社会人になって初めて関東に出てきて、この「いなげや」の看板を見た時、いったい何を売っているんだろうと不思議に思っていた。

「いなげ」とは「変な」とか「普通じゃない」とか、そんな感じだろうか。
漢字で書くと「異な気」となるのかも知れない。
あまり頻繁に使う言葉ではないので、よっぽど「変じゃのお」と思う時に「いなげじゃのお」と言うわけだ。
そんな言葉を店の名前にしているのだから、どんな物を売っているのか気になったのは、言うまでもない。

そんな方言を聞きながら、声優たちもあまり下手くそではなかったので、より楽しめたのかも知れない。


ということで、そこそこ楽しめたのと、田舎の方言に敬意(?)を表して、評価はかなり甘いとは思うけど「A」にします。
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映画評576 ~ タイタンの逆襲

今回は「タイタンの逆襲」

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『タイタンの戦い』のサム・ワーシントン、リーアム・ニーソン、レイフ・ファインズが再集結したアクション大作。今回は長年地上を治めてきた神々三兄弟の残忍な父、クロノス率いるタイタン族との世界の存亡をかけた激しい戦いを描き切る。監督を務めるのは『世界侵略:ロサンゼルス決戦』のジョナサン・リーベスマン。『007/ダイ・アナザー・デイ』のロザムンド・パイクら豪華キャストが共演を果たした壮大なストーリーに息をのむ


主演は、サム・ワーシントン
共演は、リーアム・ニーソン、レイフ・ファインズ、ダニー・ヒューストン、エドガー・ラミレス
その他、ロザムンド・パイク、ビル・ナイ、トビー・ゲイル、ジョン・ベルなど

<ストーリー>
魔物クラーケンを倒してから10年、ペルセウス(サム・ワーシントン)は男手一つで息子を育てていた。そんな折、神々とタイタン族の地上の支配権をめぐる戦いは日ごとに激しさを増していく。神々の王ゼウス(リーアム・ニーソン)と人間の母の間に誕生したペルセウスは、冥界の王ハデス(レイフ・ファインズ)の父への裏切りを知り・・・


いわゆるスペクタクル映画というのか、神々と人間が入り混じって戦う、という壮大なスケールのアクションものである。

こういうのは基本的には大好きなので、少々のことがあっても、だいたい楽しめる。

ということを踏まえても、今回の評価は「C」にします。


出演者は豪華だ。

最近売り出し中のサム・ワーシントンに、この手の映画ではもはや常連となったリーアム・ニーソン、その他レイフ・ファインズ、ロザムンド・パイクなど、お馴染みの面々が出ている。

題材も、ギリシヤ神話のゼウス、ポセイドン、ハデスなど、これまたお馴染みのものだ。

これで面白くない映画ができるはずがない。
普通ならそう思う。

では、なぜ「C」にしたのか。

まず、展開が早すぎてよくわからない。

途中にある、戦いで言えば「駆け引き」だとか、内面で言えば「葛藤」だとか、そういったものがほとんどない。
ただ、とにかく物語がポンポンと進んでいくだけ、という感じがした。


さらに、ゼウスとかポセイドンなど、お馴染みの連中を出した意味があまりない。

ゼウスは「全能」でもなんでもないし、だいたい最後には死ぬ。
ポセイドンも、早い段階で死ぬ。

しかも、神様たちが、お互いに親子・兄弟間で裏切ったり、反省して味方に戻ったり、人間よりもよっぽど人間的だ。

登場人物をわざわざ神様にする必要がなかった、という気さえする。


そして、肝心の主人公・ベルセウスが、どうしてあんなに強いのか、さっぱりわからない。

ラスボスは、ただの化け物なんだけど、実はゼウスたちの父親だなんて、何だかわけがわからないシロモノだ。

当然のことながら、ゼウスたちよりも強いのだけど、そんな化け物を、ベルセウスは割と簡単に倒してしまう。

その直前のアレスとの戦いでは、とてもじゃないけど勝てそうになかったのに・・・

何だか知らないけど、ムチャクチャ強い。

冒頭で、ゼウスが「お前は人間であるがゆえに、ある意味神よりも強い」みたいなセリフを言う場面があるが、それはこういう疑問を持つ人にために、あらかじめ用意した言い訳のような気がする。



そんなこんなで、いくら大好きなジャンルであっても、ここまで展開がわけがわからないと、あまり楽しめない。

ヒロインも、何だか中途半端な存在だったし・・・

というわけでの「C」です。

ちょっと残念でした。

映画評575 ~ クレヨンしんちゃん/嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス

本日2本目は「クレヨンしんちゃん/嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス」

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人気テレビアニメ「クレヨンしんちゃん」の映画進出20周年を記念し、しんのすけがシリーズ史上初めて宇宙に飛び出して活躍する作品。しんのすけの妹ひまわりが宇宙のヒマワリ星の姫になるか、さもなくば地球がいつか崩壊してしまうという状況の中で、重大な決断を迫られる野原一家を描く。20周年という節目にふさわしい壮大な舞台で繰り広げられるしんのすけの活躍や、ますます深まる野原一家のきずなを見届けたい。


<ストーリー>
プリンのことでけんかをしていたしんのすけと妹ひまわり。頭にきたしんのすけは「妹なんかいらない」と言うと突然、謎の男がやってくる。妹を預かると話す彼らは、しんのすけに紙を渡し、そこにサインをすると、野原一家は上空にいたUFOに連れ去られてしまう。しんのすけたちは、地球の兄弟星「ヒマワリ星」に到着し、そこで宇宙の平和のために、ひまわりがこの星の姫にならなければいけないと知らされ・・・


これまたお馴染みのアニメ。

これが記念すべき20作目ということだ。

今朝見た「名探偵コナン」と違って、もともと荒唐無稽なストーリーが売りなので、そういう意味では、安心(?)して見ることができる。

今回は、しんのすけの妹ひまわりが、実は地球の太陽と反対側にある惑星ヒマワリの姫だった、といういつも通りの荒唐無稽な話。

それにしても、いろいろとよく考えるなあ、と思う。

もちろん、辻褄がどうのこうのとかは考えなくていい。

でも、最後は兄妹の愛とか、親子の愛がうまく描かれている。

しんちゃんは、いつもと同じく、相変わらずバカなことばかりするけど、勇気はあるし、家族が大好きだ。

もうこれ以上言うことは何もない。

「コナン」がつまらなかったせいもあるけど、単純に面白かったので、評価は「B」にします。

映画評574 ~ 名探偵コナン/11人目のストライカー

今回は「名探偵コナン/11人目のストライカー」

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コミックやテレビアニメで絶大な人気を誇り、劇場版でも成功を収め続けている劇場版シリーズの第16弾。サッカー観戦中の少年探偵コナンが、何者かによって仕掛けられた爆破装置を阻止するため暗号解読に挑む。また、劇場版では初めてサッカーを題材とし、Jリーグとのコラボレーションが実現。Jリーグのチームに所属する遠藤保仁、今野泰幸、中村憲剛、楢崎正剛が声優にチャレンジする。サッカー選手とコナンの共演はもちろん、難事件に直面するコナンの活躍にも注目


<ストーリー>
毛利小五郎の探偵事務所に脅迫電話が舞い込み、小五郎の前で路上の自動車が爆発。そのころスタジアムでサッカー観戦中だったコナンは、犯人が突きつけた暗号を解読しなければ次の爆破が実行されると聞かされる。暗号解読に挑むコナンだったが、恐るべき真実に突き当たり


お馴染みアニメの第16弾。

最近の作品は、スケールばかりデカくて、推理部分が弱いような気がしていたのだが、今回も同様。

そして、今回は現役Jリーガーを声優に参加させるという暴挙を行っていて、内容としては、ひたすらJリーグに対するヨイショに徹している。

なぜなら、事件解決のためには、Jリーガー特にストライカーの超人的な技術がなければならない設定になっているからだ。

その超人的な技術とは・・・

試合中に、シュートをゴール・バーに当てること。
しかも、制限時間はわずか45分。

ワールドクラスの選手なら、ゴール・バーを狙ってボールを蹴ることは可能だろう。

事実、かつてあのロナウジーニョが、一人で何度もゴール・バーに当てながら遊んで(?)いた。

しかし、それを試合中にやらなければならず、しかも自分のチームも相手チームも、そうしないと起爆装置を解除できないという条件を知っているのは、監督とエース・ストライカーだけ。

当然のことながら、ディフェンス陣は、両チームともマジでシュートを防ぎにくるわけだ。
そんな中で、それをやり遂げるなんて・・・

つまり「Jリーガーすげえ!」というのが、今回のテーマになっている。

まあ、これを「んなアホな!」と言ってしまうと、物語に入ってはいけないので、しょうがないとしても・・・


そもそも、今回の犯人の動機がよくわからない。
いや、動機はわかるが、復讐のために行った犯行が、と言った方がいいかも知れない。

サッカー観戦中に発作を起こした子供が、救急車で病院に運ばれる途中、毛利小五郎とサポーターに邪魔されたせいで、亡くなってしまった。
だから・・・

・・・スタジアムを破壊し、Jリーガーとサポーター全員を殺す!

何だ?このムチャクチャな犯行は。

しかも、犯人はサッカーに少なからず関係のある人物。
そして、亡くなった子もサッカーが大好きだった。
そんな人間が、サッカーそのものをぶち壊しにしてしまうような行為をするか?

実際、クライマックスで、犯人はそのことをコナンに糾弾されていたが、コナンに言われるまでもなく、普通サッカー好きがそんなことを考えるわけがない。

だから、本来なら「毛利小五郎を許さん!」だけでいいはず。


さらに・・・

警察やコナンが容疑者を絞る過程もいいかげん。

犯人が毛利に電話をかけた際に、思わず「ハンドリングのハンドだよ」と言ってしまったばかりに、「そういう言い方をしたのは、あの時のあの人だ」「だから、あの人の言葉を聞いていた誰かが、思わず言ってしまったに違いない」という論理で、その時そばにいた人を5人に絞る。

そんな強引な理屈で容疑者を絞るとは、論理の飛躍もいいところだ。

しかも、そのうち2人は「この事件によって利益を得る人間」としながらも「自作自演はあり得ん」というわけのわからない理由で、すぐに容疑者からはずす。

えっ?という感じだ。

そして、一度「一番怪しい人間」として最後に残した容疑者も、一回「アリバイが成立した」というだけの理由で、まったくのノーマークにしてしまう。

共犯という考えは思い浮かばなかったのだろうか?

だいたい、この犯人は全国10カ所のスタジアムに爆弾を仕掛けているわけだ。
つまり、全国を飛び回っている。

一度容疑者に認定した人間が、短期間で全国を飛び回っているというのに、それをまったく見過ごしていた、というのだろうか。
それまでは、本人がイラつくほどにぴったりとマークしていたというのに。

他の容疑者についても、同じことが言える。
容疑者である限り、ある程度マークをしているはずだから、全国を飛び回っていれば、すぐにバレてしまう。
ということは、共犯でもない限り、その時点で容疑は晴れるはず。

つまり、この物語の肝である「アリバイくずし」の部分は、犯人が細工した手紙のトリックなどに影響されることなく、「全国を飛び回った」という事実が判明しさえすれば、その時点でアリバイは崩れる。

こんなのは、容疑者が「たった5人」しかいないわけだから、徹底マークしていれば、簡単にわかるだろうに。


それに・・・

犯人が全国10カ所のスタジアムで、電光掲示板が落ちるように「正確に」爆弾を仕掛けることができたのは、「友達に爆弾に詳しいヤツがいたから」なんだと。

何年も経験したのならともかく、爆弾なんて。短期間でそう簡単に扱えるようになるものではなかろうに、あまりにも安易な設定だ。


これほどのグタグタな展開のせいで、最後のシーン、ガキ3人による少年探偵団が「スタジアムから爆発音が聞こえた」から、応援を呼びに行くのではなく、自分たちで「『助けに行こうぜ』と中に入っていく、などというアホなことをする」という場面も、「もう、どうでもいいや」という感じで見ていた。
しかも、サッカーボールを持って入っていった、ということらしいし。


とにかく、最初から最後まで呆れながら見ていた。


さらに・・・

声優を務めたJリーガーたちは、予想通り全員下手くそ。
普段だって、あんな話し方をしないだろうに、棒読み感丸出しだった。

その中で、普段から「大スター然としている」カズだけが、しいて言えば少しまともだった。


というわけで、内容のつまらなさに、Jリーガーの下手さをプラスされたので、評価は「D」にします。

映画評573 ~ バトルシップ

本日2本目は「バトルシップ」

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ハワイでの軍事演習中に謎のエイリアンとその母船に遭遇したアメリカ海軍や日本の自衛艦が、地球存亡の危機に立ち向かうSFアクション。監督は『キングダム/見えざる敵』『ハンコック』のピーター・バーグ。人知を超えたエイリアンの武器と人類の近代兵力が激突する海上バトルもさることながら、日米の海の精鋭たちが国を越えたきずなをはぐくむドラマも見ものだ。

主演は、テイラー・キッチュ
共演は、アレキサンダー・スカルスガルド、リアーナ、浅野忠信
その他、ブルックリン・デッカー、リーアム・ニーソンなど


<ストーリー>
アメリカや日本など、各国の護衛艦がハワイに集まって大規模な軍事演習を敢行することに。アメリカ海軍の新人将校アレックス(テイラー・キッチュ)は、日本の自衛艦の艦長ナガタ(浅野忠信)をライバル視しながら演習に参加。そのさなか、沖合で正体不明の巨大物体が発見される。人類からの友好的な呼びかけに応じて現われたエイリアンの母船だという科学者たちの推測に反し、彼らは突如として謎の武器で攻撃を仕掛けてくる


公開直前に「特別映像」として、5分間にもわたる予告編をやっていたので、「相当金がかかってるな」とは思っていた。
ホント、ウザいくらいにやっていた。

だけど、確かに「すごそうだ」というイメージはあった。

朝一で見た「ジョン・カーター」が「アバター」のパッチもんなら、この映画は「宇宙戦艦ヤマト」のパッチもんだろうか。
それに「インデペンデンス・デイ」が混じっている、みたいな・・・

迫力という点で言えば、こちらの方が圧倒的に上だ。

さすがはハリウッド映画というのか、スケールが違う。

ただ・・・

冒頭からイヤ~な感じがしていた。

軽薄な若者が綺麗な女の子をナンパするシーンから入り、実は・・・というありきたりな展開。

この軽薄な若者が、実は主人公だ。

この手の映画で、いつも思うことは「どうして、こんなバカが主人公なの?」ということ。

今回も、主人公アレックスは、頭がいいという設定ではあるものの、知性はまったく感じられず、ただただ軽薄で軽率で乱暴だ。

こんなバカなヤツが、まわりのエラい人たちがみんな死んだり、引き離されたりした関係で、結果的に艦長になってしまい、戦いの指揮を取ることになる。

しかし、戦いの序盤のシーンにもあったように、船を撃沈されて、生存者が海に漂っているというのに、そんなことには目もくれず「突進しろ!!!」なんて、いくらバカでもあり得ない。

つまり、上官としての資質などまったくないにもかかわらず、なぜか階級が高い。
もちろん、そのまわりには頭の悪そうな人間ばかり。

こんなメンバーでは、浅野艦長に譲るのは当然の展開だ。

その浅野忠信も、普段はあまりうまいとは思わない役者さんだけど、予告編で見る限りは、なかなかの存在感だった・・・ように見えた。

しかし、今回の設定は自衛隊の指揮官ということで、映画の中でも日本語が結構出てくる。
そこでの浅野忠信は、いつもと同じ。

もっと他に適任者はいなかったのだろうか。


さて、問題のエイリアンだけど・・・

これは、意外に早く姿を現す。

しかし、いったい何をしに地球に来たのか、結局わからず。

何せ、攻められない限り攻撃しないし、目の前に人がいても、危害を加えそうにないと判断したらスルーをする。
つまり地球を侵略しに来たとは、とても思えない。

でも、危険だと判断したものは、たとえそれがただの構造物であっても、もう無差別に壊しまくる。
とても高度な文明を持っているとは思えない。

でも、ものすごい武器をも持っている。

だから、最初はとても地球人の武器では太刀打ちできそうにない。
実際、撃ってもビクともしてないし・・・

ところが、後半になると、撃たれた宇宙船がかなりの打撃を被っていた。

このあたりの展開は「インデペンデンス・デイ」と同じ感じだ。

要するに・・・わけがわからない。

そして、クライマックス。

一度廃艦になった「戦艦ミズーリ」が老兵とともに復活する。

これなどは「宇宙戦艦ヤマト」にそっくりだけど・・・

それ以前に、あの老兵たちは、なぜあそこにいたんだろう。
もう式典はとっくに終わっているはずなのに・・・


そんなこんなで、ツッコミどころ満載だったけど、やはり迫力があると違う。

それに、最後戦闘機が救助に来た瞬間は、ベタとは言え、感動的だった。


ということで、ちょっと甘めに、評価は「B」にします。


<追記>

どうやら、エンドロール後に特別映像があったらしい。
続編を匂わせるようなものだったとか。

あるならあるで、事前に通知しておいてくれないと・・・

でも、「パイレーツ・オブ・アメリカン」みたいに、あらかじめ予告しておきながら、延々とエンドロールを流されるのもイヤだし。

私の場合は、別に主題歌とか挿入歌にはあまり興味がないし、もちろん製作スタッフにも興味はありません。

たまに、アニメとかで「あの声は誰だっけ?」という時もありますが、それがわかったらすぐに帰ります。

映画評572 ~ ジョン・カーター

今回は「ジョン・カーター」

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ジョージ・ルーカスやジェームズ・キャメロンの作品に構想のヒントをもたらしたエドガー・ライス・バローズの小説「火星」シリーズの最初の作品「火星のプリンセス」を映画化したファンタジー・アドベンチャー大作。『ウォーリー』の監督アンドリュー・スタントンが自身初となる実写映画にチャレンジし、地球から滅亡寸前の惑星「バルスーム」に迷い込んだ主人公の戦いを描く。


主演は、テイラー・キッチュ
共演は、リン・コリンズ、サマンサ・モートン、マーク・ストロング、キアラン・ハインズ、ドミニク・クエスト
その他、ジェームズ・ピュアフォイ、ダリル・サバラ、ポリー・ウォーカー、ブライアン・クランストン、トーマス・ヘイデン・チャーチ、ウィレム・デフォーなど

<ストーリー>
1881年のニューヨーク、大富豪のジョン・カーター(テイラー・キッチュ)がこつ然と姿を消す。おいのエドガー・ライス・バローズに託された日記には、未知の惑星「バルスーム」でのジョン・カーターの驚きの体験がつづられていた。それは、全宇宙を支配しようとする「マタイ・シャン」によって滅亡の危機に直面していたバルスームが舞台で・・・


う~ん

何と言うか・・・

まあ、一言で言うと「アバター」の二番煎じだ。

冒頭に主人公の甥っ子が出てくるのだが、ここから未知の世界へ続く何かが現れるのかと思っていたのに・・・

実は、舞台は火星である。
つまり、バルスーム=火星ということだ。

しかも、「火星には、実は宇宙人が密かに住み着いていた」という設定なんかではなく、人類とまったく同じような生物と、「アバター」に出てくる人種みたいなものが、すでに文明を築いていて、普通に住んでいる。

このあたりを、ウソでもいいから科学的に説明するのかと思いきや、そんなものは一切なし。

主人公がどうやって火星に行ったのかと思えば、何と瞬間移動とか転送ではなく、単なる「コピー」なんだとか。
しかも、火星に行ったのは主人公だけで、それ以外の地球人は誰も出てこない。
いくら19世紀末とはいえ、説明が不十分すぎて、展開がよくわからない。

このあたりは、適当な星に宇宙人が住んでいた、みたいな展開にすれば良かったのに、と思う。

しかも、重力の影響か、主人公は火星では「ジャンプ力」が異常に増す。
しかし、最初は単に少し高く飛べるだけ、という感じだったのに、いつの間にか「空を飛べる」かのごとく自由に飛び回っている。
監督が最初の設定を忘れたんだろうか、というほどだ。

で、このような前提を受け入れられれば、内容は面白いか、と言うと、そうでもない。

主人公は、ジャンプ力がスゴいという以外には、特に能力の高い男でもないのに、スーパーマンみたいな活躍をする。

だったら、最初から「地球から火星に行った男」という設定ではなくて、架空の星の人間(○○星人みたいなヤツ)にした方が良かったような気がする。

あと、違和感があったのは・・・

主人公の甥っ子がなぜ出てくるのかが、最後に明かされるのだが、実は主人公の策略ということになっている。

その理由とは「火星に行っているのはコピーだから、地球にいる本物が死んでしまうと、コピーも死んでしまう」というものだった。

えっ?

分身とか、表と裏みたいな関係だったらわかるのだけど、コピーって、単に元の人間のそっくりさん、というだけだろ?

映画の中では、「転送」という表現をしていたから、FAXみたいなものを想定していたのだと思うが、FAXなんて、本紙が消滅したところで、なくなったりしはない。
コピーとして立派に生き長らえられる存在だ。

そこのところも説明が不十分、というか、「まっ、コピーってことでいいか」程度の安易な考えのように思える。

結局、設定そのものにも共感できないし、話の展開も特にヒネりはなく、最後は火星人の王女と結婚する、というウソみたいに「予想通り」の結末。

見る前から、あまり期待はしていなかったとは言え、ちょっとがっかりした。

ということで、評価は「C」にします。

まっ、SFアクションですから、基本的に評価は甘いです!?


最後に・・・

どうして、タイトルを主人公の名前なんかにしたんだろうか。

別にスーパーヒーローでも何でもない、ただの地球人なのに・・・

この時点で、あまり面白そうな感じがしないのになあ。


あと、あれがウィレム・デフォーだったなんて・・・

映画評571 ~スーパー・チューズデイ/正義を売った日

今回は「スーパー・チューズデイ ~正義を売った日」

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アメリカ大統領予備選挙を舞台に、選挙戦の裏側をスキャンダラスに描いた政治サスペンス。2004年の民主党大統領予備選に立候補したハワード・ディーンの選挙キャンペーンでスタッフとして働いていたボー・ウィリモンによる戯曲「ファラガット・ノース」を、ジョージ・クルーニーが映画化。ジョージふんする大統領候補の選挙参謀を、『ブルーバレンタイン』のライアン・ゴズリングが熱演する。


主演は、ライアン・ゴズリング
共演は、ジョージ・クルーニー、フィリップ・シーモア・ホフマン、ポール・ジアマッティ、マリサ・トメイ
その他、ジェフリー・ライト、エヴァン・レイチェル・ウッド、マックス・ミンゲラ、ジェニファー・イーリー、グレゴリー・イッツェン、マイケル・マンテルなど


<ストーリー>
マイク・モリス知事(ジョージ・クルーニー)の大統領選挙キャンペーンチームで戦略担当を務めるスティーヴン(ライアン・ゴズリング)は、決戦のキーポイントとなるオハイオ州予備選討論会の後、ライバル陣営から密会の依頼を受ける。その後、インターンとして働く女性と仲良くなった彼は、選挙戦を揺るがす重大な秘密を知ってしまう。やがて彼はし烈な情報操作戦の渦中へと巻き込まれていく


今日は「映画の日」ということで、本日2本目。

そして、主演は1本目と同じくライアン・ゴズリングだ。

七変化ならぬ「いろんな役どころを演じる多彩な俳優」を見られるかと思っていたが、役柄は1本目と似たようなものだった。

内容は、ちょっと重いのだけど、サスペンスらしく「この先どうなるんだろう」とワクワク・ドキドキできるものだった。

ライアン・ゴズリング演じる主人公・スティーヴンは、有能な選挙参謀で、支持する知事にはなくてはならない存在の青年だ。
しかし、若さゆえに相手陣営の揺さぶりに負け、あわやクビかという事態にまで追い込まれる。
そして、最後は・・・というストーリーだけど、なかなか展開もいいし、2時間弱の内容とは言え、ダレるところもなかった。

サブタイトルは「正義を売った日」とあるので、「裏切りの連続」を想像していたのだけど、そういう汚いやり方、というよりは、むしろ権謀術数の応酬という感じ。

まあ、大統領候補がちょっと脇が甘いのが気にはなるけれど、それくらいの欠点がないと、この手の映画は成り立たないので、それは仕方がないか・・・?

登場人物は、主人公やジョージ・クルーニーなど、それほど多くはないけれど、フィリップ・シーモア・ホフマンや、ポール・ジアマッティ、ジェフリー・ライトなど、ひと癖もふた癖もありそうな役者さんが揃っているので、展開がどうなるか読めない。

そんな中で、若手のライアン・ゴズリングは、なかなか頑張ってはいる。
ただ、終盤の主人公は、頭脳明晰で何事にも動じない青年ではなく、かなり動揺している感じが表情に表れていた。
これが狙ったものなのかどうなのかはわからないが、見た目だけとは言え、こんな精神的に弱い感じでは、とても選挙参謀なんか勤まらないんじゃないか、という気はした。

とは言え、全体的には何の問題はなし。
ジョージ・クルーニーは、監督としてもいいものを持っているなあ、と思う。
「シリアナ」にしても、重いテーマが多いような気はするけど・・・

ということで、評価は「A」にします。

映画評570 ~ ドライブ

今回は「ドライブ」

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スタントマンと逃がし屋の二つの顔を持つドライバーの姿をクールに描き、欧米の評論家の称賛を浴びたクライム・サスペンス。昼と夜では別の世界に生きる孤独な男が、ある女性への愛のために危険な抗争へと突き進んでいく。メガホンを取ったデンマーク人監督ニコラス・ウィンディング・レフンは、本作で第64回カンヌ国際映画祭監督賞を受賞。『ブルーバレンタイン』のライアン・ゴズリングと、『17歳の肖像』のキャリー・マリガンの演技派が出演。緊迫感あふれるバイオレンスとフィルム・ノワールのような雰囲気、ジェットコースターのような展開から目が離せない。


主演は、ライアン・ゴズリング
共演は、キャリー・マリガン、ブライアン・クランストン、クリスティナ・ヘンドリックス
その他、ロン・パールマン、オスカー・アイザック、アルバート・ブルックスなど


<ストーリー>
天才的なドライブテクを武器に、昼は映画のカースタント、夜は強盗逃し専門の運転手をしているドライバー(ライアン・ゴズリング)。ドライバーはアイリーン(キャリー・マリガン)にひそかに思いを寄せていたが、彼女には服役中の夫スタンダード(オスカー・アイザック)がいた。ある日、服役から戻ってきたスタンダードがガレージで血まみれで倒れている姿をドライバーが目撃し・・・


なかなか面白かった。

まだ30歳そこそこのライアン・ゴズリングが、クールで強い男を演じていて、新たなヒーローの誕生を思わせるような作品だ。

出演者は少なかったが、それぞれ存在感のある人ばかりだったし、ヒロインもかわいかった。

ただ、雑誌で見た映画評論家たちの評価がエラく高かったので、もう少し期待していた。

いや、違和感のあるところなど、ほとんどなかったし、ダラダラ感もなかった。

しかし、何と言えばいいのか、スローが多すぎたような気がする。

スローモーションではなくて、スローな場面。
つまり、主人公がほとんど動かなくて、じっとしたままなので、次に何かが起こるのではないか、思ってしまうのだが、何も起きなかったりする場面が何度かあった。

最初はスローモーションかと思っていたのだが、どうもそうではない。
そんな場面がやたらと多かった気がした。

私には、その狙いがよくわからなかった。
少なくとも、解説にあるような「ジェットコースターのような展開」とはとても思えなかったし。


あと、細かいところで言えば・・・

主人公たちが悪者たちに騙されたとわかってから、主人公も悪者たちも、お互いに相手を殺そうとするのだけど、それぞれがあまり警戒しているようには見えない。

悪者側は、「高をくくっていた」と理解できないこともないが、主人公側が無防備すぎる気がした。

特に主人公の雇い主であるシャノンは、どう考えたって自分も危ない状況なのに、すぐには逃げないで、のんびりし過ぎているように思えた。

それから、ヒロインのアイリーンに対しても、主人公があまり用心しているようには見えなかった。
子供とともに、一番危ない立場なのに。

そして、最後。

主人公は、逃げ切ったのか、それとも死んだのか。
逃げ切ったような描き方だったけど、どうも州都半端な感じがした。


とは言え、最初にも触れたように、全体的には大きな違和感がなかったので、そこそこ楽しむことはできた。

まあ、期待し過ぎた分を差し引いて、評価は「B」にしておきます。

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