映画評700 ~ 柘榴坂の仇討

記念となる700回目の今回は「柘榴坂の仇討」

映画140920

『鉄道員(ぽっぽや)』など数多くの著作が映画化されてきた人気作家・浅田次郎による短編集「五郎治殿御始末」所収の一編を映画化した時代劇。主君の仇討を命じられた武士の不器用な生きざまを通し、幕末から明治へと時代が激変する中、武士として、人としての誇りと覚悟を持って生きる侍たちの姿を描く。監督は『沈まぬ太陽』などの若松節朗、音楽を映画音楽の巨匠・久石譲が担当。『壬生義士伝』などの中井貴一が主人公を熱演し、阿部寛、歌舞伎役者の中村吉右衛門ら実力派が共演する。

主演は、中井貴一
共演は、阿部寛、広末涼子、高嶋政宏、真飛聖、吉田栄作
その他、堂珍嘉邦、近江陽一郎、木崎ゆりあ、藤竜也、中村吉右衛門など


<ストーリー>
安政7年、彦根藩士・志村金吾(中井貴一)は主君である大老・井伊直弼(中村吉右衛門)に仕えていたが、登城途中の桜田門外で井伊は暗殺されてしまう。その後、あだ討ちの密命を受けた金吾は敵を捜し続けて13年が経過する。明治6年、時代が移り変わり時の政府があだ討ちを禁止する状況で、最後の敵である佐橋十兵衛(阿部寛)を捜し出し・・・


これは良かった。

時代的には、直前に見た「るろうに剣心」と同じで、幕末から新時代へと移り変わる過渡期を描いているのだが、「るろう」と違って、派手なアクションシーンはない。

しかも、ワイヤーアクションなどなく、たぶん竹刀なり刀をそのまま使用しているせいか、多少遠慮気味な部分があるので、迫力という点ではかなり劣る。

しかし、ストーリーがとてもいいので、そのあたりは気にならない。


ただ、冒頭シーンはちょっと残念だった。

いきなり主人公・志村金吾の夢の中で、主君・井伊直弼が襲われるシーンが出てくるのだが、その時の主人公は何だか頼りない感じの武士なので、ちょっと不安がよぎった。

「まさか、こんな情けない武士なの?」という感じだった。

だけど、その後の展開で、実はそうではないとわかるのだが、どちらかと言うといらないシーンだったような気がする。


さて、最大の焦点は、「仇討はいったいどうなるのか」ということ。

これも、中盤にきて何となく読めてくる。

それでも、こういう形で良かったと思う。
まっ、原作がそうなんだろうから当たり前と言えば当たり前なんだけど・・・

特に、その場所(柘榴坂)へ向かうまでのシーンは秀逸。

そして、最後中井貴一演じる志村金吾と、阿部寛演じる佐橋十兵衛が、それぞれの愛する人とのやり取りのシーンはなかなか良かった。

特に、広末涼子が抑えた演技でいい役どころを演じている。

ただ、何だか彼女もちょっと老けた感じ。

もしかして、時代劇向きではないのかも?

一方、阿部の相方は私の好みとはかけ離れていたせいで、ちょっと残念だった。

調べてみると、宝塚出身の元トップ女優らしいけど、見た目に華がなく、阿部が思いを寄せる女性という役どころにしては、ちょっと貧乏くさかった!?


あとの出演陣もなかなか揃っていた。

「鬼平」こと中村吉右衛門演じる井伊直弼が、画面全体を引き締めている感じ。

藤竜也も、かなり年を取った感じで、最初は頼りない役どころかと思っていたが、終盤ではびしっと決めていた。

吉田栄作は、ホント一瞬だけ。

堂珍クンは、残念ながら後で知った。

そして、主役の二人。

中井貴一と阿部寛では、やはり格は中井の方が上。

低い声でちょっと聞き取りにくい阿部に比べて、表情からセリフ回しから中井の方が貫禄充分だった。

最後の広末涼子とのシーンでは、さすがにちょっとうるっときてしまった。

終わり方も、あれで良かったと思う。


ということで、少し不満の部分もあるとは言え、最後のシーンでうるっときてしまっては、低い評価をつけるわけにはいかないので・・・

「A」にします。

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映画評699 ~ るろうに剣心 伝説の最期編

今回は「るろうに剣心 伝説の最期編」

映画140914


和月伸宏原作のコミックを基に『プラチナデータ』などの大友啓史監督と佐藤健主演で映画化したアクション大作の完結編。激動の幕末にその名をとどろかす伝説の人斬り・緋村剣心が大切な人と国を守るべく、日本征服をもくろむ志々雄真実一派との壮絶な死闘に挑む。主演の佐藤のほか、武井咲、伊勢谷友介、福山雅治、江口洋介、藤原竜也といった豪華キャストが共演。クライマックスを飾るにふさわしい未曽有のバトルに胸が高鳴る。

主演は、佐藤健
共演は、武井咲、伊勢谷友介、青木崇高、蒼井優、江口洋介、藤原竜也
その他、神木隆之介、土屋太鳳、田中泯、小澤征悦、高橋メアリージュン、福山雅治など


<ストーリー>
かつて人斬り抜刀斎と呼ばれた伝説の人斬り、緋村剣心(佐藤健)。刀を置き、平穏な生活を送る剣心は、ある日、剣心から影の人斬り役を引き継いだ志々雄真実(藤原竜也)が京都でその名をとどろかせていることを知る。政府が派遣した討伐隊は志々雄を前に成すすべがなく、最後の望みとして剣心に白羽の矢が立つ。志々雄の野心を阻止すべく、剣心は京都へ向かう。そして・・・



いやあ、スゴかった。

久々に「待ち遠しいなあ」と思っていた映画だけに、ほぼ期待通りと言えるかも知れない。

アクションも迫力があり、テンポも良くて、2時間ちょっとの大作ながら、飽きることなく見ることができた。

何より、主演の佐藤健がいい。

表情の変化がきちんと演じ分けられていて、普段の温厚な顔と恐ろしい形相の使い分けがうまかったと思う。

あと、藤原竜也も良かった。

普段は割と大袈裟な演技をするイメージがあるのだけど、この役(志々雄真実)ではちょっと抑えた演技で、存在感は十分だった。


ただ・・・

志々雄って、強すぎるだろう。

せっかく剣心が、奥義を取得したというのに、それで志々雄を倒すのかというと、そうではない。

途中で「志々雄は汗をかくことができない。だから戦っても15分しかもたない」ということがわかる場面があるので、「ああ、最後はそれだろうな」とは思っていたが・・・

それにしても、4対1になるとは思わなかった。

主人公に対して志々雄たちが4人かがりで攻めるのではなく、その逆。

志々雄に対して、剣心の他に佐之助(青木崇高)と斎藤一(江口洋介)と、さらにはどこからどうやって船に乗り込んできたのか、蒼紫(伊勢谷友介)まで戦いに加わる。

それでも、志々雄の方が圧倒的に強い。

殺陣を見る限り、とてもじゃないが「強い!」という印象はない。

おそらく全身大やけどの影響で、痛みを感じなくなった、という設定だろうか、いくら殴られてもぶたれてもビクともしない。

だけど、いくら痛みを感じなくても、衝撃はあるはず。

4人から同時に体当たりをされても、それを簡単に跳ね返すシーンなどは、ちょっと違和感があった。

そこまで強い、という立ち回りではなかったからだ。


それ以外にも、「ん?」と思うところ、「何あれ?」と思うところが随所にあった。


まず、前半に出てくる師匠(福山雅治)とのシーンは長すぎるだろう。

その後のシーンで、重要なエピソードとかあっちこっち端折っているみたいなので、余計にムダな感じがする。

しかも、肝心の「恩義を会得する」場面がよくわからなくて、ただ師匠が剣心をボコボコにするのを描いているだけみたいな感じだった。

そもそも、師匠を演じた福山雅治。

いい男だ。
ホント、いい男だと思う。

だけど、隠居して焼き物に精を出しているおじさんにはとても見えない。

要は、苦労が顔に出ていないのだ。

いや、本人がまったく苦労をしていない、という意味ではない。
そういう顔なんだからしょうがないと思う。

つまり、端正すぎて、とても師匠には見えなかったのだ。


佐之助の格闘シーンも、前作「京都大火編」でもそうであったけど、長すぎる。

殺陣ではなく、単なるケンカ(殴り合い)だから、見ていて画面が汚い感じがする。

どうせなら、どこにいたのかほとんどわからない「十本刀」の他のメンバーとの闘いを描いた方が良かったのではなかろうか。

不要と言えば、剣心(抜刀斎)の斬首(もどき)のシーンは、まったくの不要だと思う。

見届けにきた志々雄一派の佐渡島が、その場でやられるのならまだしも、結局彼は船が逃げ帰ってしまうし、いったい何のためにあんなシーンを流したのかよくわからない。


ついでに言うと・・・

薫(武井咲)のシーンはほとんど不要。

もともと剣士にはまったく見えない武井咲だから、意識を失ったままの方が映画が盛り上がると思っていただけに、後半になって元気になってくると、あの甲高い声が邪魔になってしょうがない。


そんなこんなで、いろいろとツッコみたいところもあったはずなのだけど、何だか思い出せないので、このへんにしておきます、

しかし、だからと言って映画として面白くなかったわけではない。

とにかく、近年希に見る「待ち遠しい」と思っていた映画だ。

ハリー・ポッターやロード・オブ・ザ・リングでも、ここまでの期待感はなかった。

たぶん、前作から時間がかかりすぎているというのはあると思う。

特にハリー・ポッターなんて、最後の「死の秘宝」は2部作なのに、Part1からPart2まで、8カ月も間がある。

これだと、前作をちょっと忘れてしまうので、今いち期待感がわいてこない。

そういう意味では、前作から1カ月しか経っていない今作は、非常に楽しみだった。


ということも含めて、いろいろあるけど、最終的な評価としては「A」にします。

続編があれば、ゼッタイ見にいきます!

映画評698 ~ フライトゲーム

今回は「フライトゲーム」

映画140907

『エスター』などのジャウマ・コレット=セラ監督、主演に『96時間』シリーズなどのリーアム・ニーソンと『アンノウン』のコンビが再度手を組んだサスペンスアクション。ニューヨークからロンドンへ向けて飛び立った旅客機内で起きる連続殺人に立ち向かう機内警備担当の連邦保安官が、その意外な犯人と真相にたどり着くさまが描かれる。『エデンより彼方に』などのジュリアン・ムーアらが共演。謎とスリルが押し寄せる息詰まるタッチはもちろんのこと、爆発する旅客機や機内での銃撃といったアクションも迫力満点。

主演は、リーアム・ニーソン
共演は、ジュリアン・ムーア、ミシェル・ドッカリー、ルピタ・ニョンゴ、スクート・マクネイリー
その他、ネイト・パーカー、ジェイソン・バトラー・ハーナー、アンソン・マウント、コリー・ストール、オマー・メトワリー、ライナス・ローチなど


<ストーリー>
ニューヨークより146人の乗客乗員が搭乗した、ロンドンへと向かう旅客機。その警備を任されている連邦保安官ビル・マークス(リーアム・ニーソン)のもとに、1億5,000万ドルを指定口座に入金しなければ20分おきに機内の人間を1人ずつ殺害するという異様な犯行予告メールが届く。限定されたネットワークからメールが送信されたことから同僚が犯人ではないかと思いつつ、犯人の特定に奔走するビル。そしてメールの内容通りに、機内で1人ずつ人が命を落とす。やがて、地上から犯人が指定した口座はビルのものであることが判明する



事前に想像している内容とは全然違った。

主演のリーアム・ニーソンがもっとカッコよく派手に活躍する物語だと思っていたのだが・・・

意外にも主人公はいろいろと問題を抱えた人物で、実はハイジャック犯の汚名も着せられてしまう。

乗客からの協力も得られず、孤立しながらも最後は・・・みたいな感じの話だ。


それにしても・・・

主人公は、何で犯人がわかったの?

その直前のやり取りは描かれているけれど、見ていてさっぱりわからず、その後も一切の説明はなし。


だいたい、犯人たち(実は二人です)は、どうして主人公の一挙一動まで把握できたの?

だいたいのことは予想がつくにしても、最初の殺人については、おそらく「たまたま時間通りに行われただけ」であって、場合によっては主人公がどうなったかわからない。

もし、あの場面で主人公が○○○でなかったとしたら、その後の展開はまったく変わってくるし、犯人の要求は満たされなくなってしまう。

犯人たちが殺人を行うその方法にしても、何をどうしたのかわからないし、ただ一人ずつ確実に殺人が行われる。

このあたりは、見ている分にはハラハラ・ドキドキの展開ではあるのだけど、ちょっと都合が良すぎて、違和感が少しある。


そもそも、犯人の動機は中途半端だし、犯行後の脱出方法なんて、いいかげんの極み。

だって、飛行機を爆破させて、自分たちはパラシュートで脱出するというのだから。

爆破された飛行機からパラシュートで降りてくるヤツがいたら、そいつらが犯人に決まっているだろうに。

「この国(アメリカ)の安全ってウソっぱちだ」と主張するのはいいけど、それに対してこんな行動を取るなんて、頭がイカれているとしか思えない。


あと、全体の描き方もちょっと不自然だ。

全体的にハラハラ・ドキドキ感はあるのだけど、主人公が「職務に忠実な航空保安官」から一転して「自暴自棄に陥ったハイジャック犯」になり、それがあっという間にヒーローになってしまう。

この映画の原題が「Non Stop」だから、スピード感があるのはいいけれど、コロコロ変わりすぎ。

皆がハイジャック犯だと思ったら、主人公の言うことなんかもう聞かないだろうし、あそこで乗客の一人(実は犯人の一人)がそれを止めたのも逆に不自然だ。


そんなこんなで、いろいろとわけのわからない部分もあり、その「謎解き」がまったくないので、何だか腑に落ちない点はあるのだけど、ハラハラ・ドキドキ感はずっと持続しているし、映画としてはまずまず面白かったです。

まあ、主演のリーアム・ニーソンが好きだから見たわけだけど、「96時間」みたいにもっと派手に活躍してほしかったです。

ということで、評価は「C」にします。


さて・・・

実は、一連の「謎解き」をしてくれている親切なブログもある。

<ネタバレ注意>
http://ironboy1203.com/2014/0831/003212/

もともと内容を知っている人なのか、あるいは映画の中でここまで読み取った人なのかどうかはわからないけど、これって普通見ていてわからないと思うぞ。

逆に、これを知ってしまうと、ブログ主自身も言っているように「2番目と3番目の殺人は不自然」というのがますます浮き彫りになってしまい、いいかげんな作りであることがバレてしまうのだけど、評価の参考にはしませんでした。


だいたい、操縦室のすぐ後ろに一般乗客用のトイレなんか設置するか?

CAのいるところをいちいち横切るわけだし、いくらでも操縦室に近づけるわけだから、安全管理がムチャクチャになるだろうに。

ブログにも書いてあるように、そもそもが「オチ」から先に決めて、あとから適当に肉付けしているのだとしたら、かなりいいかげんな作品だ。

映画評697 ~ 攻殻機動隊ARISE border:4 Ghost Stands Alone

今回は「攻殻機動隊ARISE border:4 Ghost Stands Alone」

映画140906

士郎正宗原作のコミックを基にアニメーション化した人気シリーズで、攻殻機動隊の創設やヒロイン・草薙素子の知られざる物語を描いた新4部作の最終章。戦後復興の兆しが表れ始めた2028年を背景に、「ファイア・スターター」が引き起こした無差別発砲事件の解決に挑む攻殻機動隊のメンバーと、事件の裏に潜む少女と男の謎を活写。総監督・キャラクターデザインを、これまでのシリーズ同様黄瀬和哉が担当、シリーズ構成・脚本を『天地明察』などの冲方丁、音楽をコーネリアスが手掛ける。シリーズを締めくくる壮絶な展開に引き込まれる


<ストーリー>
戦後復興の兆候が見え始めた2028年、国外カルテルの利権に関するデモが活発化するニューポートシティで、警備機動隊による無差別発砲事件が発生。ファイア・スターターによる電脳感染が絡むこの事件に、草薙素子ら独立攻性部隊はゴーストに正義を委ねて挑むことに。事件の裏に潜む「ブリキの少女」エマと「カカシの男」ブリンダJr.のゴーストに迫る草薙だったが・・・


このシリーズも、いよいよ最終章。

物語が完結する・・・

・・・と思っていたのだが、これって完結したのか?

前作で「何となく内容がわかってきた」と書いたのだけど、今回は今まで以上にわけがわからない言葉・理屈が出てきて、ちょっとついていけなかった。

しかも、事件の鍵を握る二人(「ブリキの少女」と「カカシの男」)というのがよくわからなくて、物語をいい話にしようとしている雰囲気はわかるのだけど、何せ何がどうして・どうなっているのかわからないので、感情移入ができない。

だから、最後は「あれで解決?」ということになってしまうわけだ。


とは言え・・・

ホントにいろんなことをよく考えていると思う。

もともとこういう画が好き(決してキレイな画とは思わないが)なので、4部作全部見たのだけど、何だかよくわからないままよく最後まで見たと思う。

ということで、内容云々よりも、4部作が無事終了したということで、評価は「B」にします。


おまけで・・・

エンドロールの最後に「2015 新劇場版」という告知が!?

まだ続くみたいだ。

でも・・・

たぶん見ると思います。
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