映画評723 ~ ジュピター

今回は「ジュピター」

映画150328

ラナ&アンディ・ウォシャウスキーが監督と脚本を務め、『マトリックス』シリーズ以来初のオリジナルストーリーで挑むSFアクション。知能の高い異星人に統制された地球を舞台に、唯一無二の存在である地球人の女性と、彼女を守る使命を負った男の壮大な体験を活写する。主演は『ホワイトハウス・ダウン』などのチャニング・テイタムと『ブラック・スワン』などのミラ・クニス。荘厳な世界観に圧倒される。

主演は、チャニング・テイタム
共演は、ミラ・クルス、ショーン・ビーン、エディ・レッドメイン
そのた、タペンス・ミドルトン、ペ・ドゥナ、ジェームズ・ダーシー、ティム・ピゴット=スミスなど


<ストーリー>
遺伝子操作された元兵士のケイン(チャニング・テイタム)は、ある女性を守るという任務のために宇宙から地球に派遣される。シカゴで清掃員として働くジュピター(ミラ・クニス)は、殺伐とした大都会での暮らしに嫌気が差していた。だが、実は彼女こそが、地球のみならず宇宙を変化させる可能性のある遺伝子を備えた唯一の人物だった。


SFだから、少々のものであっても、そこそこ楽しめると思っていたのに・・・

これはちょっとヒドかった。

SFって、いろんな設定があるから、もうだいたいパターンは出尽くしているだろうに、そんな中で知恵を絞って「(実は地球人には知られずに)地球を支配している異星人」という設定を思いついたのだろうけど、その設定をうまくまとめ切れていない。

というか、途中からそんなのどうでもよくなったみたいな感じさえした。

結果的に「スターウォーズ」と「スタートレック」の二番煎じみたいな展開になってしまっているし、途中で「ハリーポッター」か?と思わせるようなシーン(即位のための手続きのところ)を入れているのだけど、違和感バリバリで、何がしたいのかよくわからなかった。

だいたい「知能の高い異星人」と言ったって、どう見ても人間だし、「それ以外に異星人もいるんだよ」というのを見せようとして、スターウォーズとスタートレックに出てくるような連中を適当に出してくるものだから、「いいかげんに作っている」感が半端なかった。

事前にネットで評価とか見ていて、「何で、こんなに低いの?」と思っていたのだけど、見終わってみれば、それもよくわかる。


それにしても、最終的に「地球を支配している種族」のくせに、悪事を働いたからと言って「連邦」に捕まる、って情けなくないか?

つまり、宇宙全体が一つの世界みたいになっていて、一部の惑星を「植民地」(というよりは、動物園?)として支配(経営?)している連中がいるのを、「国連」みたいな組織が監視している、という設定なの?

となると、「地球のみならず宇宙を変化させる可能性がある」という設定のヒロインって、いったい何なの?

このヒロインは、地球を支配している種族のお母さんとまったく同じDNAを持つ、という設定なのだから、たかが一種族の長と同じDNAを持っているからと言って、それが何で宇宙を変化させられるの?

あと、地球で壮絶なバトルを展開しているのだけど、宇宙人は出てくるのに、地球の軍隊(米軍)とか警察関係は一切出てこない。

支配階級である宇宙人によれば「記憶はいつでも消せるから」という一言で片づけようとしているけど、「メン・イン・ブラック」みたいに、単に記憶を消すだけならともかく、建物とかムチャクチャ破壊されているし、当然大勢の人間も死んでいるだろうに、その後片付けはいったいどうするつもりなんだろう。


・・・みたいな感じで、とにかく設定自体がよくわからない上に、それぞれが途中でどうでもよくなっているみたいなので、見ていてわけがわからない。

映像はそこそこいいのだけど、バトルシーンもあまり迫力を感じない。

設定が意味不明な分、ハラハラ・ドキドキ感というか緊迫感に欠けるのだと思う。

展開もあっちこっち飛んでいるようで、とにかく感情移入できる場面がない。


さらに、細かいところで言えば・・・

ヒロインの設定として「シカゴで清掃員として働く」とあるけど、清掃をしているのは自分の家の中だけで、仕事として清掃をしている場面はまったく出てこない。
もしかして「自宅清掃員」なのか?

あと、主人公は「狼と人間の遺伝子を持つ」みたいな設定だったけど、何で鷲みたいな羽が生えているの?
もしかして、ホントは「狼と鷲と人間」という設定だったのに、「鷲」の部分を訳すのを忘れたの?


結局、最後はお決まりのハッピーエンドで、二人はめでたく・・・みたいな感じだけど、もうどうでもいい、という気しか起きない。

監督・脚本は、あの「マトリックス」を作ったコンビのようだけど、あの作品もわけがわからなかったけど、いろいろと解釈をしてくれる人がいて、いわゆるマニアには評判は良かった。

でも、この作品って、そんな解釈のしようもないと思うぞ。


ということで、普通SF作品であれば、そこそこ楽しめるのに、この作品はまったくと言っていいほど面白くなかったので、評価は「D」にします。

せっかく、チャニング・テイタムとかショーン・ビーンとか渋い役者さんを使っているのに、ホントもったいない。


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映画評722 ~ ソロモンの偽証 前篇・事件

今回は「ソロモンの偽証 前篇・事件」

映画150309

人気作家・宮部みゆきのベストセラーを実写化した、ミステリー2部作の前編。ある中学校で起きた不可解な生徒死亡事件と、その真相を暴こうする女子生徒が開く学校内裁判の行方を追い掛ける。監督を務めるのは、『孤高のメス』などの成島出。『超高速!参勤交代』などの佐々木蔵之介、『小さいおうち』などの夏川結衣、『八日目の蝉』などの永作博美といった実力派が結集、大規模オーディションを敢行して舞台となる中学校クラスの生徒役33人を選出。事件を機に浮かび上がる、人間が抱える闇の深さに息をのむ

主演は、藤野涼子
共演は、板垣瑞生、石井杏奈、清水尋也、富田望生、前田航基、望月歩、西村成忠
その他、佐々木蔵之介、夏川結衣、永作博美、黒木華、田畑智子、塚地武雄、木下ほうか、嶋田久作、余貴美子、松重豊、小日向文世、尾野真千子など


<ストーリー>
クリスマスの朝、雪に覆われた中学校の校庭で柏木卓也という14歳の生徒が転落死してしまう。彼の死によって校内にただならぬ緊張感が漂う中、転落死の現場を目にしたという者からの告発状が放たれたことによってマスコミの報道もヒートアップ。さらに、何者かの手による殺人計画の存在がささやかれ、実際に犠牲者が続出してしまう。事件を食い止めようともせず、生徒たちをも守ろうとしない教師たちを見限り、一人の女子生徒が立ち上がる。彼女は学校内裁判を開廷し、真実を暴き出そうとするが・・・


これは面白かった。

元々宮部みゆきは好きな方だけど、如何せん子供たちが主役の映画なので、見るに耐えられるかどうか心配だった。

原作は読んでいないのだけど、以前「模倣犯」を見て最悪だっただけに、描き方をいいかげんにすると、とんでもない作品になってしまう、という懸念もあった。

しかし、思っていたより内容が濃くて、しかも複雑で、意外とコワい物語でもある。

先日見た「くちびるに歌を」もそうだったように、物語の中心が子供たちになる場合は、まわりの役者を固めることが多いのだけど、今回も結構な固め方だ。

一癖もふた癖もありそうな役者たちがいろいろと出てくるので、展開としても面白いものになっている。

とは言え、子供たちも頑張っていた。

特に主演の藤野涼子は、かなり頑張っていたと思う。

物語に出てくる主人公の名前をそのまま芸名にした、というくらいだから、気合が相当入っているらしい、ということは知っていたが・・・

ただ、それ以外の子供たちは、まあ普通か、棒読みの子が結構いた。

いつもなら、全体的には女の子がうまくて、男の子の方に下手くそが多いのだけど、今回は特に下手くそもいなかったように思う一方、女の子にあまりうまいと思える子はいなかった。


推理モノの前篇、ということなので、この時点でいろいろと書くわけにはいかないが、とにかく先が知りたくなることだけは確か。

原作がいいのか、作り方がうまいのか、それはわからないけど、エンドロール後に流れていた後篇の予告編では、トンデモないどんでん返しが待っているかのような感じだったので、後篇は大いに楽しみである。

柏木という男の子が転落死したのは、告発状に書かれたような不良連中が犯人ではない、ということはわかるけど、真実がいったいどのようなものなのか、今の時点ではさっぱりわからない。


ということで、まだ完結していないけれど、次回への期待という意味で、評価は「A」にします。

後篇は4月の中旬ということなので、たぶん忘れていないだろうと思うギリギリの間隔だと思います。

映画評721 ~ くちびるに歌を

本日2本目は「くちびるに歌を」

映画150301


シンガー・ソングライター、アンジェラ・アキの名曲「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」を題材にしたテレビドキュメントから着想を得た中田永一の小説を実写化。輝かしい才能を持つピアニストだった臨時教員の女性が、生まれ故郷の中学校の合唱部顧問として生徒たちと心を通わせていく。メガホンを取るのは、『ソラニン』『ホットロード』などの三木孝浩。『ハナミズキ』などの新垣結衣がヒロインにふんし、その脇を木村文乃、桐谷健太ら実力派が固める。オールロケを敢行した長崎の風景も見もの。

主演は、新垣結衣
共演は、木村文乃、桐谷健太、恒松祐里、下田翔太、葵わかな、柴田杏花、山口まゆ
その他、眞島秀和、石田ひかり、木村多江、小木茂光、角替和枝、井川比佐志

<ストーリー>
産休を取ることになった親友の音楽教師ハルコ(木村文乃)の代理として、生まれ故郷の五島列島にある中学の臨時教師となった柏木(新垣結衣)。天賦の才能を持つピアニストとして活躍したうわさのある美女だが、その性格はがさつで乗り回す車もボロいトラック。住民たちの注目を浴びる中、彼女はコンクール出場を目標に日々奮闘している合唱部の顧問に。そして部員たちに、課題として15年後の自分に宛てた手紙を書かせる。やがて、部員たちがつづった手紙から、それぞれが抱える苦悩や秘密が浮き上がってくるが・・・


「アメリカン・スナイパー」とは打って変わって、ほのぼの系だ。

もちろん、新垣結衣主演だから見たわけで、それ以外だったら、たぶん見ていない。

たまたま劇場の予告編でやっていた「イニシエーション・ラブ」みたいに、前田敦子と松田翔太なんていう最悪の組み合わせだったら、内容がいくら面白そうでも、ゼッタイに見ない!

という話はどうでもいいのだけど、とにかく新垣結衣である。

今回も・・・

かわいかった!

いや、そういうことではなくて・・・

今回の役柄は、いやいや引き受けた音楽の臨時教師ということで、終始腕組みをしてぶすっとしているなど、演技としては、おそらく誰でもできる役だ、と思う。

だから、特に「粗」は見当たらなかったけど、やっぱり・・・

かわいい!

ホントに喜怒哀楽の少ない役で、かなり楽だったと思う!?

ただ、ピアノはホントに弾いていたと思う。

指の動きがちょっとぎこちなかったし・・・

相当練習したのかも知れないが、素人の域を脱してはいない。

でも、かわいい!

ネットでは「たった3か月の練習で、ショパンやベートーベンを弾きこなす役を完璧に演じたのはスゴい!」などと書いているものもあったけど、あんなものちょっとピアノを弾いたことのある人なら、すぐに「あらま、素人だわ」とわかってしまう。

でもまあ・・・


・・・ということは置いといて、内容である。

中学校を舞台としているので、みんな青春そのもので、どこにでもありそうなストーリーながら、展開にも違和感があまりなく、良かったと思う。

ただ、臨時教師として赴任した美人教師目当てに、たいして興味もない合唱部に入部した思春期まっただ中の男子生徒だが、この時期の男子生徒をバカにしてはいけない。

というのは、この動機不純な連中は、主人公が合唱の練習に出ないからと言って、急に練習をさぼるのだけど、そのさぼり方が「下手くそ」すぎる。

つまり、いいかげんに歌うわけだけど、そのいいかげんさが、かなりいいかげんなわけだ。

見ていて、唯一「何だ?このシーンは」と思ったところかも知れない。

あとのエピソードは、ベタと言えばベタだし、詰め込みすぎの感じもしたが、そう違和感はなかった。

合唱コンクールも「まさか、優勝するわけじゃあなかろうな」と思っていたけど、それはなくて、妥当なところで終わっていた。

元々の女性音楽教師(主人公の同級生)の出産シーンも、ちょっとやりすぎのようなシーンだったけど、まあ許容範囲だと思う。

あと、主人公が亡くなった恋人の留守電を何度も何度も聞いているのは、ある意味気持ちが悪いし、もしかしたら引っ張りすぎだろうか。

もっと言えば、最後の合唱シーンは余計だったかも知れない。

ほぼ全員が歌うシーンで、ある意味クライマックスなんだろうけど、唐突感が少しある。

余談だけど、ここでは新垣結衣は歌っていない。

なぜなら・・・

下手だから!?

というのは言い過ぎにしても、はっきり言ってあまりうまくはない。

声が弱々しすぎて、バラードくらいしか似合いそうにない。

CDを2枚持っているので、それは確かだ。

でも、かわいい!


ということで、あまりにもベタだったとは言え、まずまず良かったと思うので、新垣結衣のかわいさ分を上乗せして、評価は「A」にします。

ええ、もちろん贔屓してますとも!


出演者で言うと・・・

女子生徒役の子供たちは、全体的にそこそこうまく演じていたと思うが、男子生徒役は、概して下手くそだった。

あと、この手の映画らしく、主体が中学生中心であるせいか、木村多江とか井川比佐志とか、なかなかのメンバーが脇を固めている。

ちょい役で、漫才コンビTKOの木本などが出ていたが、特に違和感はなかった。

ただ、桐谷健太だけは邪魔だった。

滑舌が悪く、演技も下手くそな上に、見た目がうざいので、いい話を台無しにしてしまいそうな存在だった。


映画評720 ~ アメリカン・スナイパー

今回は「アメリカン・スナイパー」
映画150222


アメリカ軍で最も強い狙撃手と呼ばれた、クリス・カイルの自叙伝を実写化したドラマ。アメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズ所属のスナイパーであった彼が、イラク戦争で数々の戦果を挙げながらも心に傷を負っていくさまを見つめる。メガホンを取るのは、『ミリオンダラー・ベイビー』などのクリント・イーストウッド。『世界にひとつのプレイブック』などのブラッドリー・クーパーが主演を務め、プロデューサーとしても名を連ねている。戦争とは何かを問うテーマに加え、壮絶な戦闘描写も見もの。

主演は、ブラッドリー・クーパー
共演は、シエナ・ミラー、ルーク・グライムス、ジェイク・マクドーマン、ケヴィン・レイス
その他、コリー・ハードリクト、ナヴィド・ネガーバン、カイル・ガルナー、ベン・リード、エリース・ロバートソン、キーア・オドネル、マーネット・パターソンなど


<ストーリー>
イラク戦争に出征した、アメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズの隊員クリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)。スナイパーである彼は、「誰一人残さない」というネイビーシールズのモットーに従うようにして仲間たちを徹底的に援護する。人並み外れた狙撃の精度からレジェンドと称されるが、その一方で反乱軍に賞金を懸けられてしまう。故郷に残した家族を思いながら、スコープをのぞき、引き金を引き、敵の命を奪っていくクリス。4回にわたってイラクに送られた彼は、心に深い傷を負ってしまう。


これは重い映画だった。

実話に基づいた映画、ということだし、クリント・イーストウッドが監督をしているということで、ある程度は覚悟していたが、まあ予想通りと言えるかも知れない。

そして、舞台はイラク戦争だから、相手は自爆も辞さないという状況での戦争。

当然、悲惨さが全面に出ていて、普通のアクションものみたいに、クソ野郎たちを始末してやった、という爽快感はどこにもない。

また、戦地から帰ってきた主人公が、精神的におかしくなってしまう、という現実も見せられるので、余計に重たい。

実際、主人公はリアビリ中(回復中)に、同じような境遇にあった元兵士の手助けをしようとして、その元兵士に撃たれて死んでしまう。

これ以上重たい設定はないくらいだけど、これが事実というだけに、見終わった後もしばらく引きずりそうな感じだった。

展開がどうの、クライマックスがどうの、ということは関係ないので、このへんでやめておくけど、内容としては良かったと思う。

主演のブラッドリー・クーパーも、主人公を淡々と演じている感じで良かったと思う。

ということで、評価は「A」にします。


それにしても、主人公は30歳になってからシールズに入隊したのだそうな。

そこから「米国史上最強のスナイパー」と言われるようになったとは驚きだ。
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