映画評763 ~ 僕だけがいない街

今回は「僕だけがいない街」

映画160320

三部けいによるミステリー漫画を、『ツナグ』などの平川雄一朗監督が映画化。自分の意志に関係なく時間が巻き戻る現象により18年前に戻った主人公が、記憶を封印していた過去の未解決事件と向き合い、時空移動を繰り返しながら事件の解明に挑む。主演は『カイジ』シリーズなどの藤原竜也、彼が心を開くきっかけを作るヒロインに『映画 ビリギャル』などの有村架純。そのほか及川光博、石田ゆり子らがキャスト陣に名を連ねている。

主演は、藤原竜也
共演は、有村架純、及川光博、鈴木梨央、中川翼、林遣都
その他、安藤玉恵、淵上泰史、高橋努、福士誠治、森カンナ、杉本哲太、石田ゆり子など


<ストーリー>
パッとしない漫画家でフリーターの藤沼悟(藤原竜也)は、事件や事故を看破するまで時間がループする現象・再上映(リバイバル)が起きるようになる。何度もリバイバルを経験する中、母が何者かに殺害され彼は突如18年前に戻る。小学生のころに起きた児童連続誘拐殺人事件と母の死の関連に気付いた悟は、過去と現在を行き来しながら事件の真相に迫っていく


もともと見るつもりはなかったのだけど、嫁さんが「どうしても見てくれ」というので、ちょっと予定外の鑑賞だった。

原作はマンガということで、結構人気があるのだそうな。

ということで、いつも通り原作を知ることなく見たわけだけど・・・

どこまで原作に忠実なのかは知らないが、最終的には「ちょっとほのぼの系かな?」と思っていたのに、意外にも悲劇だった。
(ここは、原作とは違うらしい!?)

途中までは良かった。

何となく「次はどうなるんだ?」という期待感があったし、ラストが楽しみだった。

もちろん、主人公にリバイバルという現象が起きる、という非現実時な設定なので、細かい理屈についてはどうこう言うつもりはない。

だけど、まず違和感があったのが、主人公の母親が殺害されたシーンの描写。

母親が殺されたのは、主人公がバイト先から帰ってくる直前だ。

主人公は帰ってくるなり、異変に気が付いて、すぐに「自分の携帯」で警察に通報する。

その時、犯人が別の部屋の窓から逃げるのを見つけて、後を追いかける。

結局犯人は見失ってしまうのだけど、母親を抱き起そうとした時に手にべったりと血がついたのを、通行人に見られて「マズい!」と思う。

ここが「?」だ。

夜(もしくは夕方遅く)歩いている人の両手にべったりと血がついていることなんか、普通わからない。
しかも、主人公は必死に走っていたのだから、そんな人の手なんか見えないだろう。

そんなことより、両手に血がついたまま自宅(母親が殺されたのは、自分が独り暮らしをしているアパート)に戻ることが、なぜ「犯人と間違えられてしまう」と思ってしまうのか、さっぱりわからない。

包丁に主人公の指紋がついていることなんか、当たり前すぎてどうでもいい。

警察に電話したのは、主人公であり、しかも自分の携帯からだ。

当然、警察には携帯電話の番号が残っているはず。

犯人自ら電話なんかするはずがないだろうし、そもそも主人公に母親を殺す動機なんかない。

自宅に戻った時に、仮に警察がすでに到着していたとしても、「私がここの住人で、殺されたのは私の母親です。裏から犯人らしき男が逃げるのが見えたので、つい後を追いかけてしまいました」と言えばいいだけ。

いろいろと不審に思われるかも知れないが、電話したのが主人公であることがわかれば、疑惑はすぐに解けるはず。

そこのところを無視して、そのまま突っ走るから、後の展開もムチャクチャになってきてしまう。

だいたい、犯人がなぜ母親を殺そうとしたのか、途中にも説明がされているが、それは単に「犯行現場(実際には未遂)を見られてしまったから」というものだ。

しかし、母親は犯人がどこの誰だかはわかっていない(はず)。

そんな相手を執拗に狙って・・・というか、何で自分を目撃した人間の名前・住所が簡単にわかっちゃうの?

○○だから?(○○には、ある職業が入ります)

後をつけたのかも知れないけど、それってかなり危険なことだろうに。

それに、いちいち「見られた(かも知れない)から殺さないと・・・」と思うなんて、犯人も頭おかしすぎるだろう。

だから、劇中でも母親の知り合いを「もしかして犯人かも?」みたいな描き方をしていたが、後で振り返ってみても、実におかしな展開になっている。

ヒロインである愛梨も殺されそうになるのだが、こちらはもっとくだらない。

もちろん、愛梨も目撃者ということなんだけど、目撃と言っても、愛梨がバイトをしている店に犯人がたまたま来ていて、愛梨が帰り際にちょっと目が合っただけだ。

ホントに、ただそれだけ。

別に犯行現場を見られたわけでも何でもない。

何で狙われたのか、さっぱりわからない。

そのあたりの説明なんか一切なかったし。

だとしたら、犯人は目が合った人間全員を殺さなければならなくなる。

例え見られた相手が知り合い(顔見知り)だったとしても、別に疑われているわけでもないのに、いちいち殺してなんかいたら、逆に疑われてしまうだろうに。

こんなバカな話はない。

しかも、この犯人は、その後も職業を変えて、同じような犯行を繰り返している。

犯人像として「実に狡猾で、いつも別の人を犯人に仕立て上げてしまう」などと言っていたけど、その都度いちいち人に罪をなすり付けるのも大変だと思うけど、あれだけの犯行を重ねること自体不自然だろう。

警察はいったい何をしているの?

犯人は、ちょっとした有名人であり、ちょっとでも犯行現場を見られてしまうとヤバい人だ。

だから、見られたら「すぐ殺す!」なの?

バカなの?

とにかく、どうするにしても、そう簡単に犯行を重ねることができるような人間じゃないだろうに。

原作がどうなっているかは知らないけど、とにかくムチャクチャ!


あと、主人公も負けず劣らず頭が悪い。

せっかく犯人に気が付いたというのに、どうしてその犯人の車になんか乗ったりするのかね。

犯人に向かって「ウソだよね?」って言うのだけど、身近にいて信頼していた犯人に騙されて、今まさに殺されそうになっているヒロインが「ウソでしょ?ウソだと言って」などと言うのとはわけが違う。

ある程度確信を持っていたはずなのに、どうしてあんな危険なことをしたのか。

こんなアホな主人公には、まったく同情できない。

しかも、犯人はそんな主人公をわざと誘った(ワナにはめた)のだとか。

このあたりになると、もうわけがわからない。

あんな騙しをするには、女子児童がグルでない限り無理だろうに。


そして、最後。

(現在の)主人公は、どうして犯人と二人だけで対峙しようなどと思ったのだろう。

もう大人だから大丈夫、ってことか?

それはいいけど、犯人がナイフを持ち出し、主人公ともみ合っているうちに、犯人がナイフで主人公の首を切ってしまった時に、どうして主人公の幼馴染と警官たちは、ぼ~っと立っていたの?

早く、主人公を助けて、犯人を取り押さえろよ。

あそこに警察がいた、ということは、事前に呼んでいたわけだろ?

だいたい、わざわざ屋上まで連れていかなくても、誘拐未遂をした時点で、警官に突き出せばいいだろうに。

と言うか、犯人は自殺しようとしていたはず(意味ありげにナイフを取り出して、主人公を殺そうとするのかと思ったら、おもむろに自分の首にナイフを当てていた)なんだけど、どうして?

この場面での主人公の心境がまったくわからない。

見ていて「???」だった。


それ以外にも、いろいろあったような気がするのだけど・・・

もう忘れてしまった。

映画が終わった瞬間は、その意外な展開と結末に「ほう、そうくるか」と単純に思っていたので、そのまま「まあまあ面白かったかな」と思ったのだけど、後になっていろいろと思い出してくるにつれて、「これ、結構ヒドいだろう」と思うようになった。

ということで、残念ながら(?)評価は「C」にします。

道理で、ネットの評価も低いわけだ。


出演者で言うと・・・

藤原竜也は、いつもと同じ。
(最初は、「こいつが被害者と思わせておいて、実は犯人?」と思ってしまった)

有村架純は、実は映画では初めてだが・・・

確かにかわいい!

ただ・・・

終始笑顔でいるので、何だか違和感がある。

主人公が犯人と間違えられて困っているというのに、普通あんな笑顔なんか出てこないだろう。

天真爛漫、というよりは、ちょっと頭の弱い子にしか見えなかった。

子役の子供たちは、それぞれ頑張っていたと思う。

気になったのは、18年後のその人を表すのに、いろいろとメイクをしていたのだけど、「ちょっとやりすぎじゃない?」と思えるほど、みんなジジ臭くなっていた。

林遣都の役って、18年前は、まだ20代前半みたいな感じだったから、今はせいぜい40前後だろ?

もうジイさんみたいだったぞ。


*その後、いろいろと思い出してきて、最初書いたこととちょっと違うような部分があったので、かなり書き直しました。
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