映画評810 ~ トリプルX:再起動

今回は「トリプルX:再起動」

映画170225

型破りなシークレットエージェントの活躍を豪快に描き、ヒットを飛ばした『トリプルX』の続編。再びヴィン・ディーゼルを主演に迎え、息もつかせぬバトルが展開する。『イップ・マン』シリーズや『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』などのアクション俳優ドニー・イェン、名優サミュエル・L・ジャクソン、FCバルセロナ所属のサッカーブラジル代表のネイマールらが出演。華麗なアクションにホレボレする。

主演は、ヴィン・ディーゼル
共演は、ドニー・イェン、ディーピカー・パードゥコーン、クリス・ウー、ルビー・ローズ
その他、トニー・ジャー、ニーナ・ドブレス、トニー・コレット、サミュエル・L・ジャクソン、ハーマイオニー・コーフィールド、ロリー・マッキャン、アイス・キューブ、ネイマールなど


<ストーリー>
エクストリームスポーツのカリスマにして、腕利きシークレットエージェントとしても名をはせたザンダー・ケイジ(ヴィン・ディーゼル)に再びNSA(国家安全保障局)から声が掛かる。今回の彼の任務は、危険な敵の手に渡ってしまった世界中の軍事衛星装置を奪還すること。ザンダーはNSAがそろえた精鋭部隊を一蹴し、新たにチーム“トリプルX”を編成する。


大好きなアクションものだけど、その中では今回主演のヴィン・ディーゼルはあまり好きな方ではない。

何せ、口の中でもごもご言っているので、セリフが聞き取りづらいからだ。

もちろん、英語で言っている内容がわかるわけではないけど、とにかく聞き取りにくい。

そんな彼が主演の「トリプルX」だけど、前作が何と12年前の作品だから、記録にも残っていないし、まったくと言っていいほど覚えていない。

そのせいかどうかはわからないけど、出てくる人物がみんな「オレもトリプルXだ」みたいな感じで、元仲間みたいな描き方をされているが、何が何だかよくわからない。

ストーリーもよくわからない。

冒頭に、ドニー・ウェン率いる軍団がNSA本部(?)を襲うので、ヴィン・ディーゼルのチーム対ドニー・ウェンのチームの戦いになるのかと思っていたが、途中から雰囲気がおかしくなって、最終的にはこの両チームは仲間となり、ヴィン・ディーゼルに指示を出していたNSAの女指揮官が、実は悪いヤツで、最後はごちゃごちゃの戦いになる。

とにかく「オレもトリプルXだ」と名乗る人だらけで、敵なのか味方なのかわからず、南の島でバトルは、面白いとか言う以前に、誰が誰と何をしているのか理解できないので、ぼ~っと見ているだけだった。

さらに、最後の壮絶(?)なバトルも、敵はものすごい部隊で結構な装備で攻めてきているのに対して、合体軍団は機関銃やビストルなど軽装備だ。

にもかかわらず、敵の武器の弾丸は、異常なほど当たらない。

あれだけ盛大に撃ちまくっているのに、だ。

で、それでも弾切れとなった合体軍団が絶体絶命のピンチになった時に、突如現れた元トリプルXが、数発ロケット砲をぶっ話すと、敵はあっという間に壊滅。

ここは、たぶん感動的な再会、ということなんだろうけど、それまでにすでに誰が出てきても、何があっても驚かなくなっていた私としては、ピクリともせず。

結局、何があったのかわからないままに物語は終わる。

いやあ、久々に唖然とした映画でした。

冒頭に出ていたサミュエル・L・ジャクソンなんて、すっかり忘れていたし、「そう言えば、ネイマールも出ていたなあ」と思い出したのは、最後に二人とも出てきたから。

結局、物語にはまったく関係がないみたいだし、何しに出てきたのかさっぱりわからない。

ホントなら「D」でもつけたいところだけど、女優陣で怪しい女ボスを演じていたハーマイオニー・コーフィールドが綺麗だったのと、味方でちょっとドジな女の子を演じていたニーナ・ドブレスがかわいかったので、評価は「C」にしておきます。

こりシリーズって、まだ続くんだろうか。
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映画評809 ~ 相棒-劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断

今回は「相棒-劇場版IV- 首都クライシス 人質は50万人!特命係 最後の決断」

映画170226

2000年に誕生以来、水谷豊が相棒と共に事件解決に挑む警視庁特命係の刑事にふんして、好評を博しているドラマシリーズの劇場版。主人公の杉下右京と反町隆史演じる冠城亘が、謎に包まれた国際犯罪組織を追い詰める姿を活写する。2代目相棒の及川光博や甲斐峯秋役の石坂浩二、さらには社美彌子役の仲間由紀恵らが出演するほか、北村一輝や山口まゆ、鹿賀丈史らが共演。監督は、長年『相棒』シリーズに携わってきた橋本一。エキストラおよそ3,000人を集めたパレードの中での見せ場など、劇場版ならではのスケールに期待が高まる

主演は、水谷豊
共演は、反町隆史、鈴木杏樹、川原和久、山中崇史、山西惇、六角精児、神保悟志
その他、片桐竜次、仲間由紀恵、及川光博、石坂浩二、山口まゆ、益岡徹、江守徹、北村一輝、鹿賀丈史など


<ストーリー>
7年前、駐英日本領事館関係者の集団毒殺事件で生き残った少女が国際犯罪組織に誘拐されていた。そして現在。特命係の杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)は、国際犯罪組織バーズを追って来日した国連犯罪情報事務局の元理事マーク・リュウ(鹿賀丈史)に同行することになる。そんな中、7年前に誘拐された少女の現在の姿の動画が公開され、犯行グループは身代金を要求し・・・


過去3作を見て、そのストーリーやトリックのムチャクチャさに、「何だ?このシリーズは」と思ったものだが、逆に「怖いもの見たさ」でつい見てしまった。

今回の右京の相棒は反町隆史。

すでに頂点から滑り落ちてしまって、もはや下っ端の犯人役でしか生きていけないのか、と思っていたのだけど、考えてみれば、犯人役の役者さんって、刑事役もよくやったりする。

とは言え、それ以上の存在感があるわけでもなく、右京との間で時々つまらないやり取りがあるけど、特に笑えなかった。


でも、残念ながらストーリー自体はそんなにおかしくなかった。

もちろん、ツッコミどころは随所にあった。

全体的に、警察幹部とか間抜けすぎるし、官僚もかなりヒドい描かれようだ。

細かいところでは・・・

ヒロインの女の子がマーク・リュウの泊まっている部屋に忍び込むのだけど、ネタばれすると、このヒロインとマークはグルである。

にもかかわらず、このヒロインは拳銃を持って侵入した。

なんで?

最初はそういう事情がわからないから変に思わないけど、後で考えてみたら、「えっ?」と思うようなシーンだ。

どう考えても、ゼッタイにあり得ないシチュエーションだろう。

さらにこのヒロイン、部屋の机に置いてあった特命係の2人の名刺を見つけると、なぜだか知らないが、声に出してそれを読む。

何で、わざわざ読んだの?

しかも「冠城」を正確に「かぶらぎ」だと読み上げる。

私だって、最初はこの名前を何と読むのか知らなかったのに、子供の頃から海外暮らしで、その後誘拐犯と共同生活をしていたのだから、たいして勉強もしていないだろうし、どうしてこの名前を「かぶらぎ」と読めたのだろう。

と言うか、やっぱりなんでわざわざ声に出したの?

違和感バリバリでした。

さらに、そこに置いてあったティーセットを見て、急に気を失ってしまう。

わざわざセットにかぶせてあったものを取る理由もよくわからないけど、そんなことより、あの後どうなったの?

拳銃を持ってる女の子だよ。

誰かに助けられたのだとしたら、その人はビックリするはずだし。

一人で起き上がって出ていったのなら、わざわざ気絶させる理由なんかないと思うのだけど。

これも、後で思い出して「で、何だったの?」と思ったシーンだ。

また最後の方で、右京が狙撃手に撃たれて入院するのだけど、次のシーンでは、ほとんどケガをした跡が感じられなくて、しかも車椅子に乗っていた。

なんで車椅子に乗る必要があるの?

撃たれたのは肩だよ。

そういう意味不明なシーンが結構あった。


しかし、一番気に入らないのは、この「相棒」の劇場版では定番となっているかのような、「テーマ」というか「訴えたいこと」だ。

今回は、「国民を見捨てた国・日本」である。

犯人(割とすぐにわかってしまうのでバラしてしまうけど、マーク・リュウである)は、太平洋戦争中に、トラック諸島で家族を殺された過去を持っている。

そして、今回の事件の7年前に、英国の日本大使館での毒殺事件でも、一人取り残され、しかも誘拐(実際は違うけど)された少女が、駐英大使のせいで見捨てられた。

そこで主張したいことは「日本は国民を大事にしない」というメッセージである。

だいたい、トラック諸島で軍人が民間人を見捨てて逃げたという話は、事実なのか?

しかも、軍が去った後の民間人しかいない島を米軍がなんで無差別爆撃なんかするの?

このシーンは、見ていて意味がわからなかった。

しかも、マークの少年時代を演じていた子役が、壊滅的に下手クソだったので、余計に違和感があった。


ついでに言うと、ヒロシンの女の子が、終盤で毒薬をまき散らそうとしていたマークの元へ走り寄ったり、取調室に一緒にいたりするけど、これもいらないシーンだと思う。

せっかくのシリアスな場面に水を差すように見えるし、そんなところに出てくる意味がわからない。

つまり、まわりの人間が無能ばかりだから、ということになるからだ。

だって、野放しにしているのと同じだし。


などなど展開の中でのツッコミどころもたくさんあったし、そもそも制作したテレビ朝日の思惑が相変わらず気持ち悪いのもあるけれど、今回のストーリーや右京が犯人を暴いた推理などは、特に違和感がなかったので、評価は「C」にしておきます。

もっとボロクソに書くつもりだったのに、ちょっとがっかり!?


おまけで・・・

終盤の目玉でもあったスポーツ選手団のパレード中での駆け引き。

パレードにまったく臨場感がありませんでした。

みんな棒立ちみたいな感じで、見ていて気持ち悪かったです。

映画評808 ~ ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち

今回は「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」

映画170205


ランサム・リグズの小説「ハヤブサが守る家」を実写化したファンタジー。奇妙な子供たちが暮らす屋敷を訪れた少年が、彼らに迫りつつある危険と自身の秘めた宿命を知る。監督は、『アリス・イン・ワンダーランド』などのティム・バートン。『悪党に粛清を』などのエヴァ・グリーン、『エンダーのゲーム』などのエイサ・バターフィールド、『アベンジャーズ』シリーズなどのサミュエル・L・ジャクソンらが顔をそろえる

主演は、エヴァ・グリーン
共演は、エイサ・バターフィールド、クリス・オダウド、アリソン・ジャネイ、ルパート・エヴェレット
その他、テレンス・スタンプ、エラ・パーネル、フィンレー・マクミラン、キム・ディケンズ、ジュディ・デンチ、サミュエル・L・ジャクソンなど


<ストーリー>
少年ジェイクは、現実と幻想が交錯する中で、奇妙な子供たちが暮らす“ミス・ペレグリンの家”を見つけ出す。子供たちが不思議な能力を持ち、ひたすら同じ一日を繰り返す理由を知る一方で、彼らに忍び寄ろうとしている危険に気付くジェイク。さらに、ミス・ペレグリンの家へと導かれた理由と自身の役割を知る。やがて、真実が明らかになるとともに、子供たちに思わぬ変化が起こるが・・・


これまた結構面白かった。

独特の世界を描くティム・バートンの作品で、一部で「結構ダークだよ」という声もあったので、ちょっと不安もあったけど、それほどダークでもなかった。

クレジットでは、主演はエヴァ・グリーンとなっているが、実際の主人公は少年ジェイクであることは間違いない。

この子を始めとして、登場する子供たちはそれぞれ「異能」を持っている、という設定だけど、その「異能」が様々な場面で生かされる、という展開がうまく描けていたと思う。

中盤以降に出てくる化け物たちとのバトルも、それほど過激ではなく、ダーク・ファンタジーらしい軽い仕掛けの応酬となっている。

ただ、それだけに、子供たちの「異能」を含めてちょっと違和感が・・・

まず、最後のラスボス・バロンとの戦いで、なぜバロンはジェイクのそっくりさんに化けたの?

力量としては、圧倒的にバロンの方が上で、わざわざ子供だましをしなくても勝てる状況だったのに。

そもそも、エマとイーノックは、どうして「ジェイク!」などと叫びながら部屋に近づいたのか。

バロンがジェイクとともに部屋にいるのは明白なのだから、わざわざ敵に「今から部屋に入りますよ」などと宣言する必要などなく、奇襲した方が良かったのに。

いくら子供たちがクロスボウ(弓矢)を持っていたとしても、当たる可能性は低かったのにもかかわらず、わざわざ化けたのは、「ジェイクの異能が最後に生かされる」という流れにしたかったのだろうけど、ちょっと無理やりっぽかった。


あと、頭から袋を被った双子の異能が、最後に明かされるのだけど、あんな「武器」があるのなら、もっと早く使っていれば良かったのに。

最後の最後まで取っておく理由など、どこにもないはず。

これも、最後まで取っておいた方が面白い、という理由だけ、のような気がするし。


さらに、沈没船を復活させて航海に出るのだけど、あれはどうなの?

船って、そう簡単に再稼働するものなのか?

沈没したのだから、座礁したとか、とにかく船体には傷とか穴があいているはずだけど、嵐で船が横波を受けて傾いた、というだけなのか?

空気を入れただけでは、簡単に浮き上がったりしないと思うのだけど・・・

また、蒸気で動いていたみたいだけど、単に炉(?)に火をつけただけで船が動いたりするものなのか?


そのあたりの描写がほとんど省かれているので、気が付かなければそれでいい、みたいな展開だった。

まあ、その分テンポが良かった、というのはあるけれど。

ということで、ツッコミどころは結構あったけど、全体的には大きな違和感もなく、楽しめました。

ということで、評価は「B」にします。


余談だけど・・・

ジョニー・デップに替わって、今度はサミュエル・L・ジャクソンが、変なキャラクター作りに励んでいるのだろうか。

映画評807 ~ 虐殺器官

今回は「虐殺器官」

映画170204


2009年に34歳の若さでこの世を去った小説家・伊藤計劃の作品をアニメ化していく、「Project-Itoh」の第1作として放たれるSFアクション。内戦や虐殺を裏で操っているとされる謎の人物、ジョン・ポールを追い掛けるアメリカ軍の特殊部隊大尉クラヴィス・シェパードの姿を描く。監督には数多くのガンダム作品に携ってきた村瀬修功、キャラクター原案には「ビビッドレッド・オペレーション」などのredjuiceが集結。謎が謎を呼ぶストーリーもさることながら、緻密なビジュアルや迫力満点の見せ場にも圧倒される。


<ストーリー>
開発途上にある国々で頻発する紛争や虐殺の背後に存在する、ジョン・ポールという謎に包まれた男。アメリカ軍の特殊部隊大尉クラヴィス・シェパードは特殊暗殺部隊を率いて、彼の行方を追跡していく。


これは面白かった。

原作はもちろん知らないけど、原作を知っている人には、エラく評判は悪いみたいだ。

また、人が殺されるシーンが多くて、子供をはじめとして実に多くの人が殺される。

さすがは「R15」指定である。

ただ、「言語が脳に及ぼす影響」というような内容が、いろいろな言葉で表現されるので、その都度「これは覚えておきたいな」みたいなものも結構あった。

あと、とにかく画がきれいだ。

予告編を見たわけでもなく、どんな内容かも知らずに見ようと思ったのは、実はこの画がきれい、いうのがあったからだ。

展開もよく、まったく飽きさせないペースだった。

内容については、うまくコメントできないので、これ以上はやめておきますが、評価は「B」にします。

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