映画評277 ~ 赤い糸 (09.1.11)

今回は「赤い糸」

eiga090111.jpg


後で知ったのだが、伝説のケータイ小説が映画化されたものなんだそうな。

主演は、南沢奈央、溝端淳平
共演は、木村了、石橋杏奈、岡本玲、桜庭みなみ、柳下大、鈴木かすみ
その他、山本未來、小木茂光、渡辺典子、甲本雅裕など

<ストーリー>
中学2年生の春、芽衣は同じクラスのアツシから、修学旅行の自由行動の時に二人で一緒に行動しようと言われる。実は、2人の誕生日は同じ「1992年2月29日」。しかも幼い時にすでに出会っていたことを知り、運命的なつながりを感じた2人は、次第に惹かれあっていく。しかし、2人の間に隠された悲しい過去を知ったアツシは、芽衣の前から突然去ってしまう。どん底に突き落とされた芽衣に、次々と降りかかる衝撃的な出来事。はたして二人の運命は・・・


いやあ、途中で笑ってしまった。

なぜって、あの「恋空」とそっくりだったから。
内容もそうだけど、展開のし方なんてそっくり。

とにかく、出来事のてんこ盛りというのか、次から次へといろんなことが起こる。
しかも、その直前の出来事なんて、まったく関係ないとばかりに新たな出来事が待ち受けている。

(ここから先は、ネタバレ全開で行きます!)

芽衣は、アツシとの運命的な出会いをし、すぐに好きになる。
一方、芽衣の友達のサラは、同級生のタカシが好きなのだが、実はこのタカシは芽衣のことが好きなので、修学旅行の途中で急遽帰らなくてはいけなくなったアツシがいないことをいいことに、芽衣と自由時間を一緒に過ごす。

ところが、そこをサラに見られてしまい、悲観したサラはホテルから飛降り自殺を図る。
何とも悲惨な展開だが、何のことはない、サラは死ななくて、ただ記憶喪失に陥ってしまうだけ。
そして、退院するとともに、転校してしまうことになる。

だけど、このシーン。
サラには、まったくケガをしたという跡がなくて、記憶をなくしたという以外は、普通の健康体。
ホテルから飛び降りたくらいだから、後遺症くらい残ってもよさそうなのに、後遺症が残ったのは頭の中だけって、あり得ない!

さて、このことを悔やむ芽衣だが、さらに追い打ちがかかる。
何と、好きだったアツシから、急に別れを告げられる。
2重のショックのはずだが、しかし・・・・

次の瞬間には、今度はタカシから告白され、すぐにOKして付き合うことになる。
えっ?っていう感じだが、時間もほとんど経過していない。

サラの自殺未遂の直接の当事者である二人が、あんなに明るくやり取りしていて、いいのか?

ところが、このタカシというヤツは、実はとんでもないDV野郎で、ちょっとしたことで芽衣をぶん殴る。
腹を殴ったり、突き飛ばしたり・・・って、どう見ても尋常じゃない。
と思ったら、ホントはタカシはいいヤツで、アツシが実は芽衣のことが好きなんだと知って、身を引こうとする。
しかも、ただ身を引くだけじゃない。

何と車に轢かれて死んでしまう。
その死に方もムチャクチャで、携帯電話をしながら道路をボケっと歩いているのだが、そこへ猛スピードで突っ込んできた車にはね飛ばされる。

祭りの中をあれだけのスピードで飛ばしているのだとしたら、運転手はただのバカだし、普通の道路だとしたら、いくら携帯電話をしながらと言っても、ボケっと歩いている方がバカだろう。
いずれにしても、悲壮感はまったくない。

さらに芽衣は、彼氏が死んだにもかかわらず、その半年後には、友達と元気に誕生パーティーをする。
これまた、明るく元気に、ホントに楽しそう。
芽衣の友達も、彼氏とくっついたら、すぐに別れたり、とにかく「そのまま時が過ぎる」ということが、まずない。

このあたりで、芽衣に対しても、まったく感情移入ができなくなってくるのだが、とにかくあまりにツッコミどころが多いので、このへんでやめておく。

ただ、結局芽衣の母親(代わりの人)が、アツシに「芽衣に近づくな」と言った理由が今いちよくわからなかった。
私は、最初「もしかして、二人は兄妹なのか?同じ誕生日ということは双子なんだろう」と思っていたのだが、どうやらそうでもないみたいだし。
親がいくらヤク中だとは言え、その子供同士が会っちゃいけない、という理屈がよくわからない。

いずれにしても、よくもこんなわけのわからない展開を思いついたな、と思う。
「恋空」とここまで展開が似てくるというのは、ケータイ小説の作家って、よっぽど発想が乏しいのだろうか。

というか、逆に「いろんな出来事を混ぜないといけない」とでも思っているとしか思えない。
友達の親父の自殺、運命的な出会い、告白即OK、突然の別れ、そしてまた告白即OK。
さらに、DV男の出現、でもやっぱりアツシが好きかも? 両親の離婚、でもホントは実の親じゃなかった、だけど誕生日の約束は予定通り、でも「バイバイ」・・・
って、さっぱりわけがわからない。

でも、この映画を見て「感動した!」という声があるのも事実。

確かに、最後16歳の誕生後に、思い出の場所で再会するシーンは、普通なら泣けるところかも知れない。
でも、その直前には衝撃的な事実(これも、よくわからないけど)が判明しているというのに、そんな感傷にひたっている場合ではないだろうに。

ただ、「恋空」の時もそうだったけれど、その理由が何となくわかったような気がする。

それは・・・・

みんな、直前のシーンとか前後の事情なんか、すっかり忘れてしまっているから。
これ以外に、感動できるという理由が思いつかない。

普通の映画の場合、感動して涙を流すのは、けっして「そのシーンだけで泣ける」のではなく、そこに至るまでの過程があるからこそ、泣けるだと思う。

ところが、この手の映画を見て感動する人(ケータイ小説に感動する人全般に言えることかも知れないが)は、全体の流れとか前後の辻褄なんてものを、まったく無視してしまっているのだと思う。
映画をトータルで見ているのではなく、その場面・場面ごとでしか見ていない。
もしかして、覚えていないのだろうか。
この映画を見て、何となくそんな気がしてきた。

ということで、評価は文句なく「D」とする。

今年に入っていきなりこんなトンデモ作品を見ることになろうとは思わなかった。
しかも、続編があるんだって。
逆に、ちょっとドキドキしてしまう!?
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

アクセス数
プロフィール

はぶて虫

Author:はぶて虫
はぶて日記(映画版)へようこそ!

検索フォーム
最新記事
最新コメント
リンク
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
映画
628位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
レビュー
293位
アクセスランキングを見る>>
月別アーカイブ
最新トラックバック
カテゴリ
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR