映画評387 ~ オーシャンズ (10.1.23)

今回は「オーシャンズ」

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『ニュー・シネマ・パラダイス』や『コーラス』の名優にして、『WATARIDORI』では監督として観る者を魅了したジャック・ペランが、世界中の海を取材したネイチャー・ドキュメンタリーだ。

ナビゲーションは、宮沢りえ

<内容>
北極海から南極海、サンゴ礁に彩られる美しい海に、冷たい氷で覆われた海など、世界各地の海にいる生物たち。猛スピードで泳ぎ、ジャンプするイルカ、ゆっくりと海の底へと沈んでいくマンタ。光のない大気圧1,100倍の海底であっても、そこで生きる命は存在している・・・ということなどを描いている。

と思っていたのだが、何と、これは「プロパガンダ」映画だった。


前半の映像はすばらしかった。

「どうやって、この映像を撮ったのだろう」と思わせるような、海の動物や魚たちの間近から撮った映像は、「すごい!」の一言。

ただ、そこに付けられたナレーションが、何とも中途半端。

「動物たちは、この広大な海で共存しています」などと、まるでイルカもサメもサンマもカモメも、すべて「仲良く」暮らしているようなナレーション。

また、シャコが縄張りに入ってきたカニと争う場面も「お互いに一歩も譲りません」などと、悠長な解説をしているが、実際には、シャコが終始優勢で、結果的に強烈な一発でカニを殺していた。

さらに、「○○は、岩陰から獲物を待ち伏せします」という説明が入るので、当然その後には壮絶な捕食シーンが出てくるのかと思いきや、何にも起こらない。

つまり、本来の姿である「食うか食われるか」「死ぬか生きるか」という世界を描こうとないで、ただただ「海ってすばらしい!」というだけの内容になっている。

しかも、それが後半になって、一気に正体を現す。

何と「このすばらしい環境を壊しているのは、人間です」という主張を始めるのだ。

サメのヒレの部分だけを切り取って、生きたまま海に捨てるシーンや、クジラに何度も銛を突き刺して殺すシーンを映し出す。

一転して「胸を痛める」シーンばかり流すのだが、後で調べたところ、エンドロールの最後の最後に、『生き物が傷つく場面、一部に人為的な処理を施してあります』というのが流れたんだそうな。

つまり、この映画はドキュメンタリーなんかではなく、ただの「やらせ」だったわけだ。

製作はフランス。
フランスと言えば、あの有名な海洋学者・クストー船長を思い出すのだが、この映画は、彼の偉業に報いるべき内容ではなく、フランス人本来の「いやらしさ」が前面に出た作品だ。

しかも、最後はガキを使って「このままで、いいのでしょうか」みたいな締めくくりまでする。
後半は、完全に「胸糞が悪く」なった。

こんな映画に、高い評価をつけるわけにはいかない。
本来なら「E」でもつけたところだが、映像だけはさすがにすばらしかったので、トータルで「D」とします。


それにしても・・・

いつもはエンドロールが流れ始めると、真っ先に席を立つのは私だが、今日は、十数人が一度に立ちあがっていた。
みんな、同じことを思っていたのだろうか。
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