映画評395 ~ 交渉人 THE MOVIE (10.2.11)

今回は「交渉人 THE MOVIE」

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人気のテレビドラマ「交渉人」シリーズの映画版だ。

主演は、米倉涼子
共演は、陣内孝則、筧利夫、笹野高史、津川雅彦、反町隆史、柳葉敏郎、塚地武雄、林遣都
その他、高橋克美、伊武雅刀、高知東生、成宮寛貴、橋爪功など

<ストーリー>
現金輸送車の強奪事件が発生。人質をとって立てこもる犯人グループとの交渉に宇佐木玲子がやって来たそのとき、建物が爆発。そして数週間後、羽田空港にいた玲子は先の事件で人質になっていた青年を見かける。彼の様子に嫌な予感を感じた玲子は同じ飛行機に乗るが、なんと離陸直後にハイジャックされてしまう。


登場人物だけみれば、結構豪華だ。
しかし、この映画を見て「面白い!」とか「良かった」とか言う人に聞いてみたい。

いったい、どこが?

テレビドラマの方は見たことがないのだが、もともと期待していたわけではない。
予告編を見ても、まったく面白そうではなかったからだ。

「どうすればいいんですか! チーフ!!」と叫んでいるシーンは、「交渉人のくせに、そんなに興奮してどうする」と思っていたのだけど、結果はそれ以前の問題だった。

まず、まったく緊張感のないカーチェイス・シーンから始まる。

道路を走っているのは、犯人の車と、それを追う警察のパトカーだけ。
広い道路なのに、他の車はまったく走っていない。
途中で、申し訳程度に1台トラックが交差点に入ってくるのだが、何事もなく普通に避けて、それで終わり。

そして次のシーンでは、これまたまったく緊張感のない人質立て籠もりの場面となる。
何が変って、人質が後ろ手に縛られて、目隠しをされているにもかかわらず、兄弟と思しき二人が、ヒソヒソと話をしている。

二人は、顔を寄せ合って話をしていたわけではない。
目隠しをされた人質なんて、何が起こるかわからないのだから、普通下手に声なんか出さないだろうに、そんな中でのヒソヒソ話だから、当然犯人にも聞こえる。
見ていて「バカか、お前ら!」と思うだけ。

すぐに警察が周りを取り囲み、お馴染み交渉人・宇佐木玲子が登場して、交渉を始めるのだが、しばらくすると、人質になっている人全員の身元が判明する。
事件の場所となったのはショッピングモールなのに、いったいどうやって調べたのだろう。

そして、機動隊が突撃しようとしたその瞬間、大爆発が起こり、人質たちが我先に建物から逃げ出してくる。
見ると、全員縛られてもいなければ、目隠しもない。
犯人の一人(反町)は、その騒ぎに乗じて逃げるつもりだったのだから、直前にわざわざ人質を解放するわけがない。
いったいどうやってガムテープをはずしたの?

結局人質事件は、主犯格の男(津川)が投降・自首して終わるのだが、人質は全員病院に行って検査を受けたと言っていたから、その時点で、人質名簿(?)にはない反町は、犯人の一人ってわかっちゃうだろうに。
でもまあ、実際には、反町は混乱している中を堂々と歩いて帰っていってたけどね。

この時点で思ったこと。

「この映画を作ったヤツは、筋書きとか展開とか、何にも考えていないだろう」

序盤がこんなのだから、後に話に入っていけるわけがない。

そんな中でのハイジャック事件発生。
犯人は、実は4人いるのだが、そのうちの二人は、人質事件の被害者で、ヒソヒソ話をしていたバカ兄弟だ。
二人は、機内の荷物に隠していた拳銃のパーツを組み立てて、それでもってハイジャックを行う。
空港では、荷物点検は何もしていないらしい。

どう見てもバカな二人だから、誰もが「これなら簡単に取り押さえられる」と思い、それを実行しようとするのだが、そこへ主犯格である反町が、普通に拳銃を持って立ち上がる。
そう、バカ兄弟が組み立てた拳銃は2丁だけだから、反町は最初から拳銃を持っていたことになる。
やっぱり、荷物の点検はまったくやっていなかったわけだ。

そして、犯人たちが乗客名簿で一人ひとりチェックしていた際(この理由は、最後に判明)勝手に飛行機に乗り込んでいた米倉交渉人は、バレると思ったのだろうが、いつの間にか、バカ兄弟と同じく、トイレから機内の荷物の格納庫に逃げ込んでいた。
トイレから格納庫に行けるっていうのは、みんなが知ってる常識なのか?

ところが、頭のいい反町主犯は、柳葉機長の不用意な一言(?)ですべてを理解し、機内放送で米倉交渉人を呼び出す。
コックピットで機長とやり取りした小芝居なんぞ、「お見通しだぜ」というわけだ。

ところが、米倉交渉人が姿を現し、その後バカ兄弟のよりバカな方である兄貴が、反町主犯に撃ち殺された後、これまたお馴染み筧利夫演じる木崎が、犯人から拳銃を奪って、一件落着か・・・と思うわけはないけど、最後に登場した犯人(4人目)も、なぜか拳銃を持っていた。
やっぱり、この航空会社は、すべてフリーパスらしい。

その後、犯人たちの要求である、人質立て籠もり事件の犯人・御堂の釈放が実行されるあたりから、ちょっと二転三転するのだが、はっきり言って詰め込みすぎ。

まず、米倉交渉人が、実は「心臓血栓」だった、なんて事実はいらないだろう。
事件解決には、何の支障もきたしていないのに。

しかも、米倉交渉人の妹たちが、わざわざ捜査本部(である管制室)に来てこの事実を告げるのだが、あんな関係者でも何でもないヤツを簡単に入れていいの?
だいたい、妹たちは、どうしてハイジャック機に米倉交渉人がいることを知ったの?

彼女は、無断で乗り込んだわけで、乗客名簿にはない。
妹たちは、当初行くはずだった北海道の病院から、「こちらには来ていない」ということを聞いたのだが、代わりに別の飛行機に乗っているなんて知らない。
ハイジャック機に乗っていると知っているのは、警察関係者だけ。
誰だ?ベラベラとしゃべったヤツは。

それと、反町主犯や、そのバックにいる黒幕の狙いが別のところにある、という展開はいいのだが、反町主犯が機内に爆薬を仕掛け、自分だけ逃げようとしているのにもかかわらず、相変わらず「中川(反町主犯の名前)さん、そんな話聞いてないよ」と叫んでいたのは、バカ兄弟のうち、兄ほどバカではないけれど、兄と同じく、もはや治しようがないバカである弟だ。
今まさに、パラシュートを持って飛び降りようとしているのに、まだ何か引っ掛かるものがあるのか?

「裏切られた」ということに気が付かないのは、そいつが(笹谷演じる刑事が言っていたような)純粋無垢なのではなく、単にバカだからだ。

で、一人だけ逃げた反町主犯が、地上に降りた後、黒幕であるより悪いヤツに、直接携帯で電話して、飛行機を爆破しようとするのだが、その相手が、何と現役の大臣。

この大臣は、大バカか?
何で、実行犯なんかと直接電話で会話なんか交わすかね。
しかも、この反町主犯も、結局は騙されて殺されるのだが、直前に携帯で電話しているというのに、そんなヤツを電話直後に殺すなんてアホだろう。
いくら車ごと爆殺したとは言え、携帯電話から足が付くなんてことは、まったく考えなかったのだろうか。
だって、通話履歴を調べたら、すぐにバレるだろう。

で、このバカ大臣も、すぐに自らの最後を知って、退任することになる。

なんでかと言うと、そもそもハイジャックをした理由は、自分の悪事を公表しようとした秘書を、乗っていた飛行機ごと抹殺してしまうためだったのだが、米倉交渉人たちのがんばりで、それが失敗したから・・・・

えっ?

人ひとりを殺すのに、わざわざ飛行機を乗っ取って、それごと爆破する?
あれだけ拳銃を自由に持ち歩けるヤツらなら、空港でもどこでいいから、地上で片を付けた方が楽だろう。
事実、御堂を殺した際にも、スナイパーにそれをやらせていた。
一発で脳天をブチ抜いていたのだから、かなり優秀なスナイパーだ。
ハイジャックをやるよりは、はるかに簡単だろうに。
それとも、荷物チェックをしない航空会社だから、ハイジャックの方が簡単なのか?

さて、ハイジャックの方は解決したのだが、機内では機長も副操縦士も撃たれて重傷。
そこで、われらが米倉交渉人は、自ら飛行機を操縦して着陸しようと図る。
しかし、ここもまったく緊張感なし。
だって、無事に着陸するのは見えているし。
実際、最後の着陸は完ぺきだった。

だけど、着陸後米倉交渉人が心臓発作で気絶しそうになった時、誰もコックピットに入ってこなかったんだけど、警察やら救護隊はいったい何をしていたの?
撃たれた機長を助け出したのも、同僚のCAだったし。
助け出したのは、何と後から駈けつけてきた上司である陣内・桐沢だった・・・って、あり得ないだろう。

しかも、救急車の中で、心肺停止となり・・・

この時点で「死ぬわけないだろう」と誰もが思っているのに、何のフォローもない。
そして、案の定最後の最後に、突如元気な姿を現す。
手術後のベッド上ではなく、な~にもなかったかのごとく普通に現れた。
心臓に血栓ができてるんじゃなかったのか?
だから、そんな事実はいらない、と言ったのに。

そんなこんなで、とにかくムチャクチャな展開だった。
しかも、所々にちょっとした笑いを入れているのだが、これがまったく笑えない。
ちょっとでも緊張感のある中でなら、こんな笑いも緊張緩和につながるのだろうが、何せ緊張感がゼロ。
これでは笑えない。

もう最初から最後まで、ピクリともしない映画だった。

役者も下手なヤツが多い。
セリフ回しは下手だし、大袈裟な演技は多いし・・・
陣内なんて、もともと緊張感がない顔なのに。
ドランクドラゴン・塚地も、ドラマではどうだか知らないけど、違和感バリバリ。
逆に、津川雅彦がエラく浮いていた。

ということで、評価は文句なく「E」にします。

もしかして、ドラマを見ている人には面白いのだろうか。
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