映画評512 ~ 名探偵コナン 沈黙の15分(クオーター)

今回は「名探偵コナン 沈黙の15分(クオーター)」

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無類の人気を誇る青山剛昌原作の「名探偵コナン」シリーズ劇場版15周年記念作品。
地下鉄トンネル爆破事件と雪原での死体発見事件とのつながりを究明するため、コナンが巧みな推理を展開する


<ストーリー>
都知事あてに脅迫状が届き、都営新地下鉄のトンネル爆破事故が起こる。コナンの推理で奇跡的に被害者を出すことは免れた。都知事が国土交通大臣時代に建設したダムの関係者が怪しいとにらんだコナンは、一路新潟県へと向かう。すると、ダム移設5周年の記念式典でにぎわう村の雪原で、死因不明の遺体が発見され・・・


まず・・・
犯罪の規模の大きさの割には、その動機というのがややしょぼい(?)感じがした。

だいたい、都知事が北ノ沢村での記念式典に出席するのを阻止するために、わざわざ地下鉄を爆発して、都知事のみならずまわりの人間まで、すべて抹殺しようとするかね。
都知事を殺害するのは、ダム建設に対する恨みから、という動機を捏造するためだとしても、わざわざそんなことまでしなくても、という感じだ。

この犯人は、爆弾の設置とか含めて、やることが大袈裟すぎるというのか、町を一つぶっ潰して、いったいどうするつもりだったんだろう。
昔強奪した宝石を探し出すためだとしても、あんな大爆発を起こした後では、警察やらマスコミやらが殺到するだろうに、悠長に宝石探しなんかできるはずがない。

やることが派手、というよりは、限度を知らないただのバカにしか見えない。

しかも、氷川を簡単に殺したくせに、残った人物やダムの管理員たちを殺さないで、わざわざスタンガンで気絶させただけ、って何だか行動に一貫性がない。

それと、殺された氷川は、今回の犯人が、なぜ宝石強盗の犯人だとわかったのか。
職業が「保険調査員」ということだったのだが、保険調査員だと何でもわかる、という設定はいかがなものか。

そもそも、今回は冒頭から何だか違和感があった。

コナンが、地下鉄と並行して走っている道路を走行中、待機ゾーンに車もないのに人がいるのを見かけて、即座に「爆発するつもりだ!」と断定するなんて、ちょっと強引だと思う。
事前に、都知事暗殺予告があったのを知っていたとしても、それですぐさま目暮警部に電話して「電車を止めてくれ!」と指示するのは、いくら何でもムチャだろう。

それに、あれだけの大爆発・大事故なのに「人も車もまったくの無キズ」なんて、あり得ない!
少なくとも、あの爆風で、車の多くは影響を受けているはず。
このあたりの描写はいいかげんすぎる。

さらに、都知事が以前国交省をやっていた、というだけで、すぐに「何かある」と踏んで、新潟に飛ぶなんて、途中の推理はまったくなかったのか?

また、町のホテルで小学生時代の同級生5人(犯人含む)が8年ぶりに集まった時、最初は和気あいあいの雰囲気だったのに、コナンたちがやってきた途端、それぞれが勝手に人の過去を暴露したり、相手を罵倒したりと、もう違和感バリバリ。
つまり、本来であれば、コナンがいろいろ調べた結果、あるいは推理の結果、それぞれの過去を暴くという筋書きにする方がスムーズだろうに、みんなわざわざ自白してどうするんだ、という感じ。

それと、今回コナンは一つ推理ミスをするのだが、自分たちをライフルで狙った相手というのが、実は犯人ではなくて、別の人物だったというものだ。
推理ミスはいいのだけど、実は「殺す気はなかった」というのは、どうなんだろう。
前後の描写では、どう見たって「殺そうとしている」としか見えないし、たとえ脅すだけのつもりだったとしても、いったい何のメリットがあるというのだろう。
記憶喪失の少年(冬馬)の記憶が戻ればすべてが終わり、という状況では、脅しなんて何の意味もないはず。

ついでに言うと、この記憶喪失の少年は、途中ダイヤモンド・ダストを見て、何かを思い出そうとする。
それは、雪道を走行中に、盗まれた宝石が道路にバラまかれた時の状況、ということなのだが、どんな状況なのか、さっぱりイメージできない。
だいたい、宝石がバラまかれたといって、どうして7歳の小学生が「あっ、宝石泥棒だ!」と思うのだろうか。

このあたりの展開というのか、前後の関係がどうもムチャクチャクなような気がした。


最後の場面などは、かなりハラハラ・ドキドキの展開のはずなのだが、推理劇というよりは、アクションものになってしまっているので、あまり感情移入ができなかった。

最後に、タイトルにもなっている「15分」というのは、雪崩に埋まってしまった時、助かる可能性のタイムリミットということなのだが、別に「きっちり15分」というわけではなかろう。
人によっては、10分で死んでしまう人もいるだろうし、20分もつ人だっているだろう。
それなのに、「あと1分!」などとカウントダウンしている様子は、何だか奇妙だった。

そしてトドメ・・・

声優にタレントを使うことは、基本的に反対なのだけど、今回はあろうことか、ド素人を起用。

その名は、渡部陽一。
単に、「しゃべりが遅い」というだけでテレビに出ているおっさんだ。

こんなのが、容疑者を取り調べる刑事の役で出演。
やり取りの後で、少年探偵団のガキ(元太)に「あの人、しゃべり遅えなあ」と言わせていたが、こんなやり方で笑わせようなんて、ちょっと姑息すぎないか。


そんなこんなで、全体の流れとしては、特に悪くなかったような気はしたけど、こんなにもツッコミどころ満載とは思わなかったので、期待していただけに、評価としては、かなり厳しく「D」にします。

次回に期待です。
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