映画評518 ~ 岳

今回は「岳」

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人気コミック「岳 みんなの山」を原作に、山岳遭難救助をリアルに描いた山岳ドラマ。

主演は、小栗旬
共演は、長澤まさみ、佐々木蔵之介、石田卓也、矢柴俊博、やべきょうすけ
その他、浜田学、波岡一喜、ベンガル、宇梶剛士、光石研、市毛良枝、渡部篤郎など

<ストーリー>
世界の巨峰を登り歩き山をこよなく愛する島崎三歩(小栗旬)は、山岳救助ボランティアとして登山者の命を守ってきた。春、長野県警山岳救助隊に配属された椎名久美(長澤まさみ)は三歩の指導のもと成長していくが、実際の現場では遭難者を救うことができず自信を失っていた。そんなある日、猛吹雪の冬山で多重遭難が発生し、久美は仲間と共に救助に向かう


う~ん、参った!

山の景色は、とても綺麗だった。

しかし・・・

一言で言うと・・・

安っぽい!

わかりやすく言うと・・・

「海猿」の山岳バージョン、つまり「山猿」という感じ。
いや、もちろん悪いイメージで。

小栗旬演じる三歩は、まずまずだったと思う。
序盤で、いやにニコニコしているなあ、とは思っていたが、その理由は後で明かされるので、ある程度納得はできた。
それにしても、ノー天気すぎるというか、緊張感なさすぎだけど・・・

しかし、長澤まさみ演じる椎名久美はないだろう。

あまりにも華奢すぎる。
あんなので、山岳救助なんかとてもできるとは思えない。
と言うか、できるわけがない。

「海猿」で言えば、伊藤淳史の役に近い。
見ていて「いくら何でも、お前はムリだろう」というタイプだ。

しかも、新人のくせに独断で動くし、発想もガキみたいで、見ていて感情移入できない。

この久美は、映画の中で2度も死にそうになる。

1度目は、スニーカーで登山中に捻挫した登山者に怒りをぶつけた後、山道を降りる途中、ただ普通に歩いていただけなのに、いきなりガケ下に滑り落ちてしまった。
いったい、どこを見て歩いていたのか、というシーンだった。

そして2度目は、初心者である娘を雪山に連れていったバカ親が遭難した際、何とか娘を助け出したのだけど、父親が取り残されてしまった時、これまた独断で父親を救出するために、ぶら下がっていたロープを断ち切る。
ムチャな行動でもある上に、その後の父親に対する処置もメチャクチャだ。
何と、クレバスの氷に挟まれた父親の脚をぶった切ってしまう。

それ以前に、脚が氷に挟まれたという状況がよくわからなかった。
ピッケルで砕こうとしても、まったく割れない氷なのに、いったいどうやって脚が挟まってしまったのだろう。
まさか、まだ雪の状態だったのに、脚が挟まれた後、急に氷になった?
何だかよくわからなかった。

その上での、脚の切断。
あんなところで脚を切ったら、出血多量で死んでしまうだろうに。
いったい、どうやって止血したんだろう。

2つとも、重要なはずのシーンなのに、どうにも理解できなかった。

さらに、序盤で、久美は隊長の命令を聞かずに、ガケから落ちて負傷した登山者を、背負って降りようとする。
とても背負えそうにない、ちょっとがっしりした体形の男性だった。
結局、その直前に死んでしまうのだけど、背負える相手がどうか、見てわからなかったのだろうか。

とにかく、場当たり的で、しかも的確な判断もできないくせに、やたらと反抗する。
これが男なら、最後には「お前も、成長したなあ」という展開にできるのだろうけど、こんな華奢な女なら、たぶん無理だと思う。


そもそも、冒頭から「ん?」だった。

一人で山に入った登山者が、靴についた雪が重い、ということで、わざわざ靴底の部分を取り外して、「いやあ、楽ちん、楽ちん」とか言いながら登山を続行していた。
こいつはアホか?
そんなヤツがいるとは、とても思えないが・・・

しかも、この登山者、ラストにも登場するくらいだから、それ相応の「愛好家」に違いない。
にもかかわらず、雪山に登るのに、こんなバカなことするヤツっているの?

先に挙げた、結婚式直前の娘を登山に誘った父親にしてもそう。
普通、初心者を雪山なんかに連れていくかね。

「雪山をナメている」という以前に、そんなの山を目の前にすれば気が付くだろう。
「こりゃあ、ムリだ!」ってことを。


その他のキャストについては、まずまずだったと思う。

隊長役の佐々木蔵之介は、最近いい役者さんになったと思うし、今回もなかなか良かった。

渡部篤郎も、存在感があった。
この人は、主役をやらせると、下手なのが目につく役者さんだけど、こういうチョイ役だと、なかなかシブい。

子役は、相変わらずヘタだったけど・・・

ということで、最終的には「C」かなあ、という状況だったのだけど、終盤で一変。

久美が窮地に陥った際、佐々木蔵之介演じる野田隊長の元上司が、実は椎名久美の父親だったことが明かされる。

えっ?

久美って、自分の配属された先が、以前父親がいたところって、知らなかったの?
少なくとも、そんな描写はなかったし。

それと、野田は、最初久美に会った時に「お前、誰だ?」と言っていた。
ということは、元上司の娘だと知らなかった、ということになる。
上司(久美の父親)が死んだのは、まだ小学校に入る前だった、という設定なので、わからなかったとしても不自然ではない。
だとしたら、いつそれを知ったの?

久美「私の父親は、以前山岳救助の仕事をしていました」
野田「えっ? 椎名って・・・お前は、もしかして椎名隊長の娘なのか?」
久美「えっ? 父はここで働いていたんですか?」

・・・などというやり取りは一切なかった。

これが、最後の最後に「実は・・・」という展開であれば、まだわかる。
しかし、野田隊長が唐突に「あいつの父親はなあ・・・」と言い出した時には、ビックリした。

こんな脚本って、あり?


とにかく、全編こんな感じ

細かいところを突っ込めば、まだある。

残念ながら救出できずに亡くなってしまった息子を前に、山岳救助隊の一員でもないのに、むしろ一般人にもかかわらず助けようとしてくれた、と感謝してもおかしくないのに、三歩をぶん殴った父親とか・・・

12名の大量遭難という状況を迎えて、「10名助かったし、あと2名も大丈夫なはず」というだけで、あれだけ救助隊が大喜びするはずないだろう、とか・・・
しかも、この時には、先にあげた結婚式前の娘とその父親が残っていたのだが、猛吹雪の中、「救助に成功!」という連絡は、まだ入っていないというのに。

そして、何よりも、猛吹雪の中を走り回っている三歩には、いつも雪がほとんどついていない、どころか、髪はまったく乱れていなかったし・・・

あまりにも多くて、いくつかは忘れてしまったくらいだ。


そういうことなので、最終的には評価は「D」にします。


もしかして、私の見落としばかり?
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