映画評560 ~ 日本列島 いきものたちの物語

今回は「日本列島 いきものたちの物語」

映画120204

四季折々の自然を織り成す日本列島に生息する動物の家族としての記録を、岩合光昭や中村征夫といった著名な写真家たちが撮影した自然ドキュメンタリー。およそ全国30個所で30種類の動物を2年半にわたって撮影し、動物たちの愛らしい姿やしぐさ、たくましい生命力、家族愛を感動的に映し出す。

ナレーションは、相葉雅紀、長澤まさみ、ゴリ、黒木瞳

<内容>
ヒグマやニホンザル、イノシシ、キタキツネ、アザラシ、ニホンジカといった日本列島に生息する生き物たち。親子や家族で支え合って生きる動物たちの姿を、動物や自然をテーマに撮影するカメラマン、岩合光昭や中村征夫、嶋田忠らがとらえていく


もともと、この手の「動物もの」は大好きだ。

「動物」が演技をするために登場する映画は嫌いだけど、ドキュメンタリーものは、ウソがないので、見ていて楽しい。

しかし・・・


この映画は、どうにも違和感だらけだった。

まず、ナレーターが、素人ばかり。
つまり、タレントばかりが出てくる。
さすがに噛んだりはしていないけれど、とにかく聞いていて変な感じだ。

次に、どういう理由かはわからないが、動物たちに名前をつけている。
実際に飼っているわけでもないのに、「ポロ」だの「ポン」だのとつけるのはなぜだ。
特にイノシシの子供たちには「イチロー」「ジロー」「サブロー」・・・って、ふざけているとしか思えない。

たくさんの子供たちを区別するためならともかく、実際に登場(活躍)するのは、イノシシの場合「イチロー」だけだし、ニホンザルの場合は「メダカ」だけだ。
何だよ、サルに「メダカ」って。
しかも、お母さんは「アザミ」だって。
わざわざ、何でこんな名前をつけたんだろう。

そして、これが一番嫌いなことなんだけど、動物たちを擬人化していること。
つまり、動物たちが「しゃべる」わけだ。

「ぼくはイチロー。そして・・・」などとしゃべり出した時点で興ざめ。
せっかくのすばらしい映像も、動物がしゃべり出した時点で台無しだ。


さらに言うと、「日本列島」と銘打ちながら、実際に紹介されるのは北の端(北海道と下北半島)と南の島々(屋久島と南西諸島)だけ。
さすがに、全国津々浦々から引っ張ってくるのも無理だろうけど、どうしてまた両端だけなのか。

しかも、終盤はニホンザルの「メダカ」の姿を最後まで映し出すのかと思っていたら、何のことはない、中途半端にぶった切った上に、「この中で、きっと生きていることでしょう」みたいな感じで終わってしまった。
だけど、状況的には、どう考えたって生き延びられたとは思えない。

そこまで「悲しい結末」を映したくはない、というのならともかく、映画の冒頭では、いきなりヒグマがシカを襲って食べるシーンから始まる。
死んでしまったニホンザルの子供を離さない母ザルのシーンもしっかりと映しているのだから、ここだけぶった切る意味がわからない。
サルがボスの座を争う戦いでは、頬の肉がそげ落ちたようなシーンまで出てきた。


そして、最後。

相葉雅紀のナレーションで、「日本に生息する動物のうち、○○種が絶滅の危機に陥っています」などと言い始める。
これまでの流れとは、何の関係もない。
絶滅種について訴えるのなら、それらの動物たちの生態を映せばいいのに、サルとかシカとかイノシシとかクマとか、お馴染みの動物ばかり。
最後の最後で、いきなりこんなことを訴えられても、違和感しか残らない。

しかも、「同じ日本に住んでいるのだから、みんな仲間です」みたいなことまで言う。
何だかさっぱりわからない。

こんな感じで、もう全編にわたって「どうして、こうしちゃったの?」という展開。
見ていて、途中で寝てしまいそうになったくらい。呆れてしまった。

すべては、演出・構成の問題だと思う。


とは言え、もちろん面白いシーンもいくつか。

屋久島では、ニホンザルとシカが仲良く(?)しているシーンや、ヒグマの兄弟の別れ(?)のシーンなどは、初めて見ることもあり、とても印象的だった。


期待していただけに、非常にがっかりした。

ということで、本当なら「D」でもつけたいところだけど、動物たちに罪はないので、評価は「C」にします。

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メールありがとうございました

お返事有り難うございます。
ニューイヤーズイブは、年末年始に胆石発作(激しい胃痛と嘔吐に冷や汗)とそれに伴う肝臓値低下でチョイ入院やら自宅療養となり公開ギリギリで見られたのでラッキーでした。
さて、昨日はベン・スティラーとエディー・マフィー共演の『ペントハウス』を見ましたが面白かったです。凄いアクションもあり私は文字通り手に汗を握ってしまいました。それが例えミッションインポッシブルのパロディーだったとしても、設定が素人がやらかす事の方が数段危なっかしので、プロであるイーサンやボンドみたいに安心して見ていられませんからね~(笑)
トムハンクスと違いコメディーに帰ってきたエディー・マフィーはやっぱり良いです。
さてそして“A”のお墨付き『麒麟の翼』私も見たいと思ってます。テレビの時は本題である殺人よりか、そこにまつわる一話完結風な人間ドラマが冴えていたので何気に眺めていましたので。(元々推理物は苦手ですし~)
去年はコレ見たい!と言った映画が少なかった様に思いますが、実は現在仕事上の試験を控えておりまして、、、なのに何故か今見たい映画が沢山あって困っていますチッ!
はぶて虫さんもお身体大切になさって下さいね。それではまたいずれお邪魔させて頂きたいと思います。では。
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