映画評574 ~ 名探偵コナン/11人目のストライカー

今回は「名探偵コナン/11人目のストライカー」

映画120415-1

コミックやテレビアニメで絶大な人気を誇り、劇場版でも成功を収め続けている劇場版シリーズの第16弾。サッカー観戦中の少年探偵コナンが、何者かによって仕掛けられた爆破装置を阻止するため暗号解読に挑む。また、劇場版では初めてサッカーを題材とし、Jリーグとのコラボレーションが実現。Jリーグのチームに所属する遠藤保仁、今野泰幸、中村憲剛、楢崎正剛が声優にチャレンジする。サッカー選手とコナンの共演はもちろん、難事件に直面するコナンの活躍にも注目


<ストーリー>
毛利小五郎の探偵事務所に脅迫電話が舞い込み、小五郎の前で路上の自動車が爆発。そのころスタジアムでサッカー観戦中だったコナンは、犯人が突きつけた暗号を解読しなければ次の爆破が実行されると聞かされる。暗号解読に挑むコナンだったが、恐るべき真実に突き当たり


お馴染みアニメの第16弾。

最近の作品は、スケールばかりデカくて、推理部分が弱いような気がしていたのだが、今回も同様。

そして、今回は現役Jリーガーを声優に参加させるという暴挙を行っていて、内容としては、ひたすらJリーグに対するヨイショに徹している。

なぜなら、事件解決のためには、Jリーガー特にストライカーの超人的な技術がなければならない設定になっているからだ。

その超人的な技術とは・・・

試合中に、シュートをゴール・バーに当てること。
しかも、制限時間はわずか45分。

ワールドクラスの選手なら、ゴール・バーを狙ってボールを蹴ることは可能だろう。

事実、かつてあのロナウジーニョが、一人で何度もゴール・バーに当てながら遊んで(?)いた。

しかし、それを試合中にやらなければならず、しかも自分のチームも相手チームも、そうしないと起爆装置を解除できないという条件を知っているのは、監督とエース・ストライカーだけ。

当然のことながら、ディフェンス陣は、両チームともマジでシュートを防ぎにくるわけだ。
そんな中で、それをやり遂げるなんて・・・

つまり「Jリーガーすげえ!」というのが、今回のテーマになっている。

まあ、これを「んなアホな!」と言ってしまうと、物語に入ってはいけないので、しょうがないとしても・・・


そもそも、今回の犯人の動機がよくわからない。
いや、動機はわかるが、復讐のために行った犯行が、と言った方がいいかも知れない。

サッカー観戦中に発作を起こした子供が、救急車で病院に運ばれる途中、毛利小五郎とサポーターに邪魔されたせいで、亡くなってしまった。
だから・・・

・・・スタジアムを破壊し、Jリーガーとサポーター全員を殺す!

何だ?このムチャクチャな犯行は。

しかも、犯人はサッカーに少なからず関係のある人物。
そして、亡くなった子もサッカーが大好きだった。
そんな人間が、サッカーそのものをぶち壊しにしてしまうような行為をするか?

実際、クライマックスで、犯人はそのことをコナンに糾弾されていたが、コナンに言われるまでもなく、普通サッカー好きがそんなことを考えるわけがない。

だから、本来なら「毛利小五郎を許さん!」だけでいいはず。


さらに・・・

警察やコナンが容疑者を絞る過程もいいかげん。

犯人が毛利に電話をかけた際に、思わず「ハンドリングのハンドだよ」と言ってしまったばかりに、「そういう言い方をしたのは、あの時のあの人だ」「だから、あの人の言葉を聞いていた誰かが、思わず言ってしまったに違いない」という論理で、その時そばにいた人を5人に絞る。

そんな強引な理屈で容疑者を絞るとは、論理の飛躍もいいところだ。

しかも、そのうち2人は「この事件によって利益を得る人間」としながらも「自作自演はあり得ん」というわけのわからない理由で、すぐに容疑者からはずす。

えっ?という感じだ。

そして、一度「一番怪しい人間」として最後に残した容疑者も、一回「アリバイが成立した」というだけの理由で、まったくのノーマークにしてしまう。

共犯という考えは思い浮かばなかったのだろうか?

だいたい、この犯人は全国10カ所のスタジアムに爆弾を仕掛けているわけだ。
つまり、全国を飛び回っている。

一度容疑者に認定した人間が、短期間で全国を飛び回っているというのに、それをまったく見過ごしていた、というのだろうか。
それまでは、本人がイラつくほどにぴったりとマークしていたというのに。

他の容疑者についても、同じことが言える。
容疑者である限り、ある程度マークをしているはずだから、全国を飛び回っていれば、すぐにバレてしまう。
ということは、共犯でもない限り、その時点で容疑は晴れるはず。

つまり、この物語の肝である「アリバイくずし」の部分は、犯人が細工した手紙のトリックなどに影響されることなく、「全国を飛び回った」という事実が判明しさえすれば、その時点でアリバイは崩れる。

こんなのは、容疑者が「たった5人」しかいないわけだから、徹底マークしていれば、簡単にわかるだろうに。


それに・・・

犯人が全国10カ所のスタジアムで、電光掲示板が落ちるように「正確に」爆弾を仕掛けることができたのは、「友達に爆弾に詳しいヤツがいたから」なんだと。

何年も経験したのならともかく、爆弾なんて。短期間でそう簡単に扱えるようになるものではなかろうに、あまりにも安易な設定だ。


これほどのグタグタな展開のせいで、最後のシーン、ガキ3人による少年探偵団が「スタジアムから爆発音が聞こえた」から、応援を呼びに行くのではなく、自分たちで「『助けに行こうぜ』と中に入っていく、などというアホなことをする」という場面も、「もう、どうでもいいや」という感じで見ていた。
しかも、サッカーボールを持って入っていった、ということらしいし。


とにかく、最初から最後まで呆れながら見ていた。


さらに・・・

声優を務めたJリーガーたちは、予想通り全員下手くそ。
普段だって、あんな話し方をしないだろうに、棒読み感丸出しだった。

その中で、普段から「大スター然としている」カズだけが、しいて言えば少しまともだった。


というわけで、内容のつまらなさに、Jリーガーの下手さをプラスされたので、評価は「D」にします。
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