映画評604 ~ のぼうの城

今回は「のぼうの城」

映画121111

戦国末期、豊臣秀吉、石田三成勢の2万人の大軍に屈せず、たった500名の兵で抗戦、勝利した実在の武将・成田長親の姿を描く時代劇。『ゼロの焦点』の犬童一心と『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』の樋口真嗣が異色のダブル監督に挑み、第29回城戸賞を受賞した和田竜のオリジナル脚本を映像化。「のぼう様」と呼ばれたヒロイックな主人公を野村萬斎が熱演するほか、佐藤浩市、山口智充、成宮寛貴らが城を守る侍大将を演じる。底知れぬ人気で人心を掌握した主人公の魅力や、豊臣・石田軍による水攻めシーンなど、見どころ満載の歴史大作だ

主演は、野村萬斎
共演は、佐藤浩市、榮倉奈々、成宮寛貴、山口智充、上地雄輔、山口孝之、平岳大
その他、西村雅彦、平泉成、夏八木勲、前田吟、鈴木保奈美、中尾明慶、芦田愛菜、市村正親


<ストーリー>
天下統一を目指す豊臣秀吉は関東の雄・北条家に大軍を投じるも、その中には最後まで落ちなかった武州・忍城(おしじょう)と呼ばれる支城があった。その城には領民からでくのぼうをやゆした「のぼう様」と呼ばれ、誰も及ばぬ人気で人心を掌握する成田長親(野村萬斎)という城代がいた。秀吉は2万の軍勢で攻撃を開始するが、将に求められる智も仁も勇もない、文字通りのでくのぼうのような男の長親は、その40分の1の軍勢で迎え討とうとする。


大好きな時代劇なんだけど・・・

思ったよりもつまらなかった!?

史実を元にした原作にもとづいた映画ということだけど、主人公である成田長親が、本当にあんな人物だったのか、という気がする。

忍城が石田三成軍の猛攻に耐え抜いた、という事実はあるようだけど、これは無理に水攻めをしようとした三成の「戦に対する無能さ」を実証することになった、という話もある。

いくら何でも、城代である成田長親があそこまでやるとは思えないし・・・

結局、主演を野村萬斎にした時点で(あるいは、原作がそうだから?)あんな突飛な行動を取ることになったのだと思う。

つまり、「陰陽師2」みたいな感じだ。

実際に城を守り切った人たちの苦労が、あまり描かれていない感じだし、逆にあんなことで守り切れたのだろう、という疑問も感じた。

だから、ストーリー展開にあまり感情移入ができなかったし、特に主人公が戦を決心する際の描写は、「えっ?」という感じだった。

それまでの「でくのぼう」のイメージなんかどこにもない。
かと言って、戦国~江戸時代の大名みたいに、わざと「痴呆」のフリをしていた、という風でもなかったし・・・


あと、CGがしょぼかった。

特に冒頭で、秀吉が備中高松城を攻めた時に用いた水攻めのシーンは、しょぼさ全開だった。
鉄砲水のものすごさを描こうとしたのだろうけど、明らかな合成シーンは、迫力がまったくなかった。

これは、後半の三成軍が行った際の水攻めのシーンも同様。

逃げまどう人たちの映像とうまくマッチしてしてなかったと思う。


出演者で言えば・・・

重要な役どころである石田三成を演じた上地雄輔は、最近あちこちに出ているようだけど、どこが認められたのかちょっとわからない。
私としては、貫禄不足の感が否めない。

同じく、男勝りの役どころである甲斐姫を演じた榮倉奈々は、どうして彼女なのか、もっとわからない。

終盤に、負傷した長親の上にのしかかって彼をなじる甲斐姫に対して、丹波(佐藤浩市)と和泉(山口智允)がそれを引き離そうとするのを、軽々と突き放すシーンがあるのだけど、違和感バリバリ。
途中からは、丹波と和泉が放り投げられる場面だけが映されていたけど、明らかに榮倉奈々では、力強さに欠けるからだろう。

その彼女と色恋沙汰を演じる酒巻を演じた成宮寛貴は、チャラさが表に出ているので、時代劇向きではないと思う。

そして、その色恋沙汰の場面そのものも不要だと思う。

その後何かに発展するわけでもないのに、単なる蛇足にしか見えなかった。

逆に意外だったのが、グッさん(山口智允)だった。

元々泥臭い役どころが似合っている感じだったけど、セリフ回しと言い、殺陣と言い、違和感があまりなかった。

芦田愛菜が結構セリフの多い役どころだったけど、あんな百姓の娘がいるとは思えず、彼女に出番を用意するだけの役だったような気がする。


細かいところで言えば・・・

言葉づかいに、現代調というのか、「あの時代にあんな言い方するか?」というのがちょこちょこあったのが気になった。

それと、笑いを散りばめようとしているのか、所々に小ネタが挟み込まれていたのが、しょうもなかった。

あと、これはハリウッド映画でも最近感じることだけど、死傷者が結構出ているというのに、緒戦を勝ったというだけで、あそこまで大喜びをするものだろうか、というのが気になった。


ということで、史実に基づいた話だし、結構豪華なキャストを用意していたにもかかわらず、何だか腑に落ちない感じだったので、評価としては「C」にします。

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