映画評639 ~ さよなら渓谷

今回は「さよなら渓谷」

映画130713

『悪人』『横道世之介』などの原作者として知られる芥川賞作家・吉田修一の小説を、『まほろ駅前多田便利軒』などの大森立嗣監督が映画化。幼児が殺害された事件をきっかけに暴かれる一組の夫婦の衝撃的な秘密を描きながら、男女の愛と絆を問う。愛と憎しみのはざまで揺れるヒロインの心情を、『ベロニカは死ぬことにした』などの真木よう子がリアルに体現。その夫役には『キャタピラー』などの大西信満が扮するほか、大森監督の実弟である大森南朋をはじめ、井浦新、新井浩文ら実力派が名を連ねる。

主演は、真木よう子
共演は、大西信満、鈴木杏、大森南朋、井浦新、新井浩文
その他、木下ほうか、三浦誠己、池内万作、木野花、鶴田真由など

<ストーリー>
緑が生い茂る渓谷で幼児の殺害事件が発生し、容疑者として母親が逮捕される。隣の家に住んでいる尾崎俊介(大西信満)がその母親と不倫していたのではないかという疑惑が、俊介の妻かなこ(真木よう子)の証言によって浮かぶ。事件を取材する週刊誌の記者、渡辺(大森南朋)がさらに調査を進めていくうちに、尾崎夫妻をめぐる15年前の衝撃的な秘密にたどり着く。


これは重かった。

高校生の時に、頭ん中筋肉の連中にレ○○された女性が、その犯人の一人と夫婦になる、という衝撃的な内容である。

ネットなどでは「○○プされた女性が、その犯人と一緒になるなんてあり得ない!」という内容で批判するものがあったけど、そのあたりは、ちゃんと描かれている。

劇中でも語られていたが「一緒に幸せになろう」というのではなく、「一緒に不幸になろう」というわけだ。

つまり、アホな頭ん中筋肉連中のせいで、人生を台無しにされた女性かなこは、その犯人の一人である尾崎に対して「ゼッタイに許さない」と思う。

そして、「自分が死ぬことによってアンタが楽になることなんて許せないから、私はゼッタイに死なない」と言い「アンタが、自分が死んで楽になると思っているのなら、私はゼッタイにアンタを死なせない」と言う。

その結果、一緒に住んで相手を監視する、みたいな関係になったのだろう。

だから、冒頭で二人が仲良さそうに過ごしているのだけど、そこからは窺い知ることができない過去が二人にはあったわけだ。

そして、この「仲良さそう」というのが、実はラストにもつながっている。

今回はあえてネタバレするけれど、最後かなこは、尾崎の元から去る。

それは、「二人が幸せになりそうだったから」というのが理由だと尾崎自身が語っている。

本来「一生に不幸になろう」と言っていたかなこだが、実際にはかなこはこの先どう転んだところで幸せになれそうにない。
であれば、少なくとも尾崎も「不幸仲間」として引きずり込もうとしていたに違いない。

だから、自身が幸せになることを喜ぶのではなく、尾崎が幸せになることが許せなかった。

こんな感じではなかろうか。

そういう意味では、内容に違和感はなかったし、なかなか良かったと思う。


ただ、時系列がよくわからない面がたまにあったのが残念。

出演者で言えば・・・

真木よう子はとても存在感がある。

「SP」などでは、低音の魅力で「カッコいい!」というイメージがあったけど、こういう役をやらせても、「不幸」感バツグンで、ものすごくコワい感じがした。

一方、重要な役どころを演じている大森南朋は、もっと存在感のあるシブい役者さんかと思っていたけど、案外そうでもなかった。

と言うか、「この人、ホントはうまいのか?」とさえ思った。

むしろ、真木よう子の相手役だった大西信満の方がいい演技をしていたと思う。


ということで、「面白い!」という内容ではないので、それほど感動はしなかったけれど、なかなか良かったので、評価は「B」にします。


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