映画評724 ~ ソロモンの偽証 後篇・裁判

今回は「ソロモンの偽証 後篇・裁判」

映画150412


宮部みゆきのミステリー巨編を映画化した『ソロモンの偽証』の後編。男子生徒の転落死により動揺が広がる中学校内で、生徒たちが自主的に行う校内裁判の様子を臨場感たっぷりに映し出す。前編同様成島出監督がメガホンを取り、佐々木蔵之介、夏川結衣、永作博美、黒木華といった実力派キャストが集結。オーディションによって選出された生徒役たちも続投する。裁判によって明らかになる、ショッキングな真相に言葉を失う。

主演は、藤野涼子
共演は、板垣瑞生、石井杏奈、清水尋也、富田望生、前田航基、望月歩、西村成忠
その他、佐々木蔵之介、夏川結衣、永作博美、黒木華、田畑智子、塚地武雄、木下ほうか、嶋田久作、余貴美子、松重豊、小日向文世、尾野真千子など


<ストーリー>
被告人大出俊次(清水尋也)の出廷拒否により校内裁判の開廷が危ぶまれる中、神原和彦(板垣瑞生)は大出の出廷に全力を尽くす。同様に藤野涼子(藤野涼子)も浅井松子(富田望生)の死後、沈黙を続ける三宅樹理(石井杏奈)に証人として校内裁判に出廷するよう呼び掛ける。涼子は柏木卓也(望月歩)が亡くなった晩、卓也の自宅に公衆電話から4回の電話があったと知り・・・


前篇が、次回に期待を持たせる出来ということで、「A」評価をつけたのだけど、あくまでも「次回への期待」ということだったわけだから、当然のことながら今回の結末によっては、残念なことになってしまう。

そして、結果は・・・

とても残念でした!?


原作を読んでいないので、ホントの結末がどうなのかは知らないけど・・・

さすがに、あの結末はないだろう。

「ショッキングな真相」って、いかにも大ドンデン返しがありそうな宣伝をしていたけど、あんなのショッキングでもドンデン返しでも何でもない。

ここからは、ネタバレ全開でいきます。

まず、焦点は「柏木クンは、本当に自殺だったのか。誰かに殺されたのではないか」ということだ。

もちろん「実は・・・」という結末を期待しているわけで、それ以外の結末はありえない。

そういう意味で言うと、結末は「ありえない」ものであったわけだ。


何だよ、結局「自殺でした」って、それはないだろう。

しかも、裁判を画策したのは、他校の生徒で柏木の小学校時代の友達である神原だ。

だから、柏木の死について何か知っているに違いない、ということは、さすがに鈍い私でもわかる。

しかも、それは今作の序盤で明らかにされる。

当然「もしかして、こいつが殺したのか?」という雰囲気にはなる。

だから「ドンデン返し」となると、実は神原が殺したのではなく、裁判で被告となる大出でもなく、他の誰かが殺したことになる。

しかも、その犯人は身近にいる意外な人物でなければならない。

しかし、結末は「やっぱり自殺」

さらに、神原は柏木が自殺した夜、一緒に学校の屋上にいた。

そして・・・・

ただ、それだけ。

神原は、単に「柏木の自殺を止められなかった」というだけだ。

しかし、神原は「自分が殺したんだ」と主張する。

そして「ボクを裁いてくれ」とも言う。

別に神原が柏木にヒドいことをしたわけではない。

逆に柏木の自殺を止めようとさえしている。

そのために柏木の言う通りのことをし、それで自殺が思い留まると思ったのに、柏木はさらにムチャを言って、最後は神原が去ると屋上から飛び降りた。

神原には何の落ち度もない。
それどころか、柏木の方が神原に対してずいぶんとヒドいことを言っている。

二人のやり取りを見る限り、むしろ柏木の方が人間の「クズ」だ。

自殺しても、誰も何とも思わない。
その程度のガキである。

そして、自分には非がないにもかかわらず、「ボクを裁いてくれ」と言う神原もまた、単なるガキである。

そのために、他校の生徒を巻き込んで、壮大なスケールの茶番を演じさせた。

確かに、主人公たちは、自分たちで裁判を実際にやってみる、というのはとてもいい経験になったかも知れない。

しかし、その裁判も、本格的すぎてかえって違和感がある。

あくまでも模擬裁判であるのに、参考人として出てくる大人たちは、まるで本物の裁判みたいに神妙な面持ちで、しかもバカ正直に受け答えしている。

ガキが主催する裁判なんだから、ある程度見栄を張る、というのか、ウソが混じっていてもおかしくはない。

ところが、中身だけは本物の裁判と変わらない。

だから、途中から子供たちの演技の拙さが、余計に目立ってくる。

前作では「みんな、頑張ってんなあ」という印象だったのに、内容の杜撰さが目立ってくると、そういうところに目がいってしまう。

もうそれ以外のことは、何も見えないし、耳に入らない。

見ていて、いろんなことを思ったはずなのに、終わった後は何も思い出せない。

しいて言えば・・・

裁判が終わった後、主人公たちが体育館から出てきた時に、主人公たちがみんな「良かった!」という感じで笑顔だったことに、ものすごく違和感があった。

一緒に当の神原もいるというのに。

少なくとも、神原にとっては納得のいく裁判ではなかったはずなのに、すっきりした顔をしていたのはなぜなの?

こちらとしては「???」でしかない。

それに、同級生が二人も死んでいるんだぞ。

あんな笑顔なんてできるわけないと思うのだが・・・

その後の大人たちのやり取りも、わけがわからない。

もちろん、感動なんかしないし、唖然としたまま終わってしまった。


結局のところ、この映画でいったい何を描きたかったのか、よくわからない。

終わってみれば、ただのガキの映画だった。

回想の場面で、その後の主人公役の尾野真知子と余貴美子とのやり取りは「安っぽさ全開」だった。

何だよ「その後、この学校ではイジメも自殺も起こってません」って。

そんなに中学生が簡単なわけないだろ。


ネットでも、思ったより評価が低いのだと思う。


ということで、前作との余りの落差に、評価をどうしようかと思ったけど・・・

前作を見た人は、たとえ評価が低くても見るはずだろうから、評価は「D」にします。

いやホント、がっかりしました。

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