映画評780 ~ ルドルフとイッパイアッテナ

今回は「ルドルフとイッパイアッテナ」

映画160817-1

斉藤洋の児童文学を基に、井上真央、鈴木亮平らが声優として参加した感動のアニメーション。田舎から東京に来た小さな黒猫と都会の大きなボス猫の出会いと、彼らの友情を描く。『ポケットモンスター』シリーズなどの湯山邦彦が監督を務め、脚本を『妖怪ウォッチ』シリーズなどに携ってきた加藤陽一が担当。対照的な二匹を中心に展開する物語に引き込まれる。


<ストーリー>
ひょんなことから最愛の飼い主とはぐれてしまった黒猫のルドルフは、偶然乗り込んだトラックに揺られて大都会東京にたどり着く。ルドルフは、その辺り一帯を仕切るボス猫のイッパイアッテナと知り合い、自分もノラ猫として生きる決意をする。


ネットでの評判は結構良くて、「感動しました」という声も多かったのだけど・・・

私的にはダメでした。

もともと見たいと思っていた映画ではなかった。

しかし、妻が見たいというので、「夫婦50割引」が適用できるというので、一緒に見ることにしたのだが・・・

まず、主人公ルドルフのキャラに感情移入ができない。

声優を務めていた井上真央のせいかも知れないけど、何か違和感がある。

特に、走る時の息遣いが全編を通じてウザい。

そして、何よりも展開が雑、というのか、何でそんな設定にしたのだろう、という展開が多すぎる。

まず、ルドルフが家を飛び出すシーンで唖然。

いちおう、設定では「家猫」ということになっているようだけど、「自分の庭は隅から隅まで知っている」ということで、家の塀から屋根に飛び乗ったりして・・・

ん?

そんなのは「家猫」とは言わない。

そんな猫なら、いつでも外に飛び出せるだろうに、実際に家を出るのは、たまたま門の扉が風でちょっと空いた隙を狙って、である。

このシーンで、すでに「はあ?」となってしまった。

原作はどうなっているのかは知らないけど、この映画を作った人は、猫のこと知らないんじゃないの、と思えるほどのいいかげんさ。

そして、間違えてトラックに乗ってしまうシーンもいいかげんそのもの。

そもそも何でトラックに乗ったのか、という流れはまだいいとしても、地元である岐阜から東京まで丸一日かかって行くわけだけど、普通なら、途中で飛び降りてしまいそうなのに、どうして一日も乗っていたかと言うと・・・

ご主人を追いかけていく途中で、魚屋さんの脇を通り抜ける時に、自転車に驚いて魚屋のメザシの入った入れ物に飛び込んでしまう。
そして、出てくる時に、メザシを口に加えたままだったので、魚屋さんに泥棒と間違えられて追いかけられ、あわてて軽トラに飛び乗ったのだけど、その時に魚屋さんが投げたモップが頭に命中して気絶した・・・・のである。

何だ?この設定は。

なぜメザシを口にくわえたままだったのかと言うと、その後イッパイアッテナに出会った時に、それを彼にあげた(取られた)から・・・って、意味がわからん。

とにかく、わけのわからない展開で、物語は進んでいく。

その後も、笑わせようとしているのだろうけど、ほとんど笑えないやり取りが随所に出てくる。

そして、極め付け。

実はイッパイアッテナは、字が読めるのだとか。

どうしてかと言うと・・・以前飼い猫だった時に、その時のご主人に教えてもらったから。

ここを否定すると、物語全体を否定することになるとは言え、ここがどうしても受け入れられないので、結局「何だかなあ」となってしまったわけだ。

まあ、イッパイアッテナが字を覚えるのは百歩譲って認めるにしても、ルドルフまでもが、たった1年足らずで字(ひらがなだけでなく漢字も!)を覚えるのは、いくら何でもちょっと、という感じだ。

さらに、「字が書ける」とまでいくと、もうついていけない。

しかも、それがルドルフが元の家に戻ることができる理由にもつながってくるとなると、唖然とする以外にない。

何と、高速道路を走るトラックのナンバープレートを見て乗るトラックを決め、目的地に少しずつ近づく、というトンデモない荒業を使うわけだ。

簡単に言うと、「岐阜」ナンバーをつけたトラックに乗るわけだ。

しかし、さすがにそれでは簡単に自宅に行きついてしまう、と考えたのか、その岐阜ナンバーのトラックは、途中で原因不明の故障をしてしまう。

そのまま待っていれば、レッカー車で岐阜まで運んでもらえるだろうに、なぜか飛び降りたルドルフは、最後歩いていく決心をする。

しかし、疲労でクタクタになってしまい、思わずフラフラと道路に飛び出てしまう。

って・・・そんな猫は、生きていけねえよ!

と思っていたら、何と自宅はすぐそばだった。

それで、喜び勇んで家に駆け込むのだけど、ここから意外な展開となる・・・

・・・というわけだけど、自宅にいたルドルフそっくりの猫との会話も、何だか中途半端で、お互いそっくりな姿なのに、「アンタ誰?」みたいな感じで、見ていてもどかしいだけ。

だいたい、あんな立派な家に住んでいて、「一匹しか飼えない」という設定も違和感があるし、とにかくルドルフがもう一度イッパイアッテナの元に戻る理由を作るためだけの設定みたいで、感情移入ができない。

さて、その前に、イッパイアッテナにはライバルとも言うべき獰猛な犬(デビル)がいるのだけど、このデビルとのエピソードも、アホらしすぎて、もはや書く気にさえならない。

最終的に「いい話」にしたいのだろうけど、あざといと言うよりは、「だったら、もう少し展開を考えろよ」としか思えなかった。

「じゃあ、あのケンカ(イッパイアッテナを死の直前まで追い込んだこと)は何だったの?」とか「何で、わざわざあんなイヤなヤツに肉をもらいに行ったの?」とか意味不明のやり取りばかり。

最後も、全員が「良かった、良かった」というハッピーエンドはいいのだけど、最初から感情移入ができていないので、とてもじゃないけど感動できない。

ネットでも「感動した」という声が多くて、その内容も何となくはわかるのだけど、私にはムリ。

キャラクターの設定もそうだけど、こうもご都合主義の展開だと、見ていて面白くない。

このあたりが、ディズニーの作るアニメとの大きな差のような気がする。

ということで、評価はちょっと厳しく「D」にします。

この映画を見て泣ける人は、たぶん「泣けるよ」と聞いただけで、どんな映画でも泣けると思います!?


声優陣では・・・

井上真央は、最初に書いた通り、あまりうまいとは思えない。

鈴木亮平は、ちょっと気張りすぎか?

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