映画評826 ~ メッセージ

昨日は「メッセージ」を見ました。

映画170520

テッド・チャンの短編小説「あなたの人生の物語」を基にしたSFドラマ。球体型宇宙船で地球に飛来した知的生命体との対話に挑む、女性言語学者の姿を見つめる。メガホンを取るのは、『ボーダーライン』などのドゥニ・ヴィルヌーヴ。『ザ・マスター』などのエイミー・アダムス、『アベンジャーズ』シリーズなどのジェレミー・レナー、『ラストキング・オブ・スコットランド』などのフォレスト・ウィテカーらが結集する

主演は、エイミー・アダムス
共演は、ジェレミー・レナー、フォレスト・ウィテカー
その他、マイケル・スタールバーグ、マーク・オブライエン、ツィ・マーなど


<ストーリー>
巨大な球体型宇宙船が、突如地球に降り立つ。世界中が不安と混乱に包まれる中、言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)は宇宙船に乗ってきた者たちの言語を解読するよう軍から依頼される。彼らが使う文字を懸命に読み解いていくと、彼女は時間をさかのぼるような不思議な感覚に陥る。やがて言語をめぐるさまざまな謎が解け、彼らが地球を訪れた思いも寄らない理由と、人類に向けられたメッセージが判明し・・・


これは、よくわからなかった。

「難解」というよりは、はっきり言って、全く面白くなかった。

押井守とか何人かの有名人が「絶賛した」らしいけど、いったいどこのどういうところを絶賛したのだろうか。

同様に「面白かった」とか言っている人は、たぶん「見たけど、よくわからなかった」という部分を「難解だ」と称して、「そんな難解な映画を褒めるオレはスゴい!」と言いたいだけなんじゃなかろうか。

そんな気がする。

この映画を作った人たちも「2001年宇宙の旅」とか「コンタクト」みたいなものを作りたかったのかも知れないけど、奇をてらいすぎだと思う。


ということで、ここからは、ネタバレ全開でいきます。

まず、ストーリーだけど、ネット上でまとめてくれている人もいるので、総合すると次のようになる。


『8本足のタコ星人は、3000年後に地球人の助けが必要になるため、それに備えて彼らの言語や彼らの時間に対する考え方を地球人に提供するために地球にやってきた。(これが途中で「武器を提供する」の翻訳に悩んでいた真意)。
彼らの言語を学ぶことによって彼らの思考方法をも理解し、それにより未来を見る能力を会得した言語学者のルイーズは、中国の暴走を止め、世界の連携に成功した。
更に夫となるイアンと娘のハンナをいずれ失うことを先見した上で、その運命を受け入れるのだった』

さて、これを読んだだけで、どんな内容なのか理解できただろうか。

むしろ「は?どういうこと?」という疑問の方が大きいと思う。

でも、実際この通りなんである。

「3000年後って、そんなの直前の100年くらい前でええやん」とかいうこともあるけど、タコ足星人は、「地球人に言語を学ばせにきた」ということになっている。

ところが、彼らが地球に来てから、特に自分たちからは何もしない。

地球人の方が、彼らと会話をしようと必死になっているだけで、彼らはただそれに呼応しているだけ。

というか、地球にやってきて、しかも重力に関係なく空中停止できる宇宙船を作ることができるほどの技術力を持った連中なんだし、相当高い文明を持っているはずだろうし、だったら地球人の言語くらい理解してから来いよ、という感じだ。

だから「言語」を「武器」と誤解されるようなやり取りしかできないわけで、ただの「アホ」としか思えない。

それと、そんな無責任な宇宙人の言語をたった20日程度で理解した主人公(だけじゃないとは思うけど)は、相当頭がいい。

その上で、さらに「未来を予見する能力」を得た、ということだけど、これは物語の根幹をなすものだから文句をつけるつもりはない。

でも、その結果「シナの暴走を止めて、世界の連携に成功した」って、まったく意味がわからん。

シナが暴走しようとしたのは、アンタらが来たからでしょ。

それとも何か?

シナって、もともと暴走する民族だから、ここで一旦本性を出させておいて、それを改めさせた、ということなのか?

それも、たった1本の携帯電話で。

シナの暴走将軍は、主人公ルイーズからの電話によって、宇宙船への攻撃を中止した、ということだけど、だいたい見ず知らずの女からの電話で、考えを改めるって、いったいどんだけ単細胞なんだろう。

それほどの重要な決定をさせた「亡くなった妻のセリフ」って、いったい何なの?

この説明がまったくないから、暴走将軍が改心した理由が理解できないし、この経緯に納得ができない。

だいたい、どうやって暴走将軍の携帯番号を知ったのかと言うと、この出来事(シナの暴走を止めたこと)の後、各国のエラい人たちが集まって開催されたパーティーの席で、その暴走将軍から「ほら、こうして今教えたんですよ」と言って、ルイーズに携帯番号を教えるシーンがある。

つまり、未来を予見することによって、そこで知った携帯番号を過去である現在で思い出して使った、ということらしい。

???

これって、時系列で考えたら矛盾が発生するでしょ?

実際にそのシーンを見ても、何を言っているのかさっぱりわからない。

よく、こんな屁理屈を考え出したな、としか思えなかった。

そんな意味不明のやり取りがあって、そして最後。

これまでの宇宙人のくだりがまったく関係なくなって、「夫となるイアンと娘のハンナをいずれ失うことを先見した上で、その運命を受け入れるのだった」という形で映画は終わる。

これまた、まったく意味不明だと思うけど、実際映画ではそういう展開になっている。

宇宙人たちは?というと、「攻撃を受けない」という事態に戻った(というのは、ずっとこの状態だったから)ら、急に帰っていく。

意味がわからないでしょ?

「えっ?もしかして、未来を予見する能力をルイーズに与えるという使命が終わったから帰るということなの?」と思ってしまうので唖然とする。

なぜなら、宇宙船は全世界に12基やってくるからだ。

他の11基は、いったいどうなったの?

いったい何をしてたの?

ただ、そこにいただけ?

それとも、ルイーズみたいな人間を探し出して、彼(彼女)たちに同じような能力を与えたのか?

日本の北海道にもやってきているのだから、日本人の誰かにそのような能力が与えられたのだろうか。

でも、そんな描写は一切ない。

ただ、ルイーズだけがそのような能力を与えられただけ。

しかも、それによって彼女が何をするのかと思いきや、「いずれ結婚して子供を産むけど、その子(娘)は病気によって亡くなってしまう」という運命を受け入れるだけ。

世界平和に貢献するどころか、自分の運命を受け入れただけだ。

その相方というか、夫になる男というのが、今回宇宙人の言語取得のためにチームを組むことになったジェレミー・レナー演じるイアンだけど、いずれ彼とも離婚してしまう。

彼女自身の心無い一言によって、ということだけど、そんな個人的な事情なんて、どうでもいい。

地球の運命はどうなったのか、さっぱりわからない。

というか、根本的な問題として、いったい宇宙人は何をしに地球に来たの?

「ユーは何しに地球へ?」って、100万回問い詰めたいくらいだ。


この「自分の運命を受け入れる」という場面で、ネットでは「感動した」とか「ウルウルした」とか言っている人がいるけど、この人たちは、それ以前の宇宙船とのやり取りについては、いったいどう思ってるわけ?

「いや、そんなのどうでもいいじゃん」って言うのなら、まだその方がいい。

鳩山由紀夫みたいに、最後に聞いた人の言葉を信じてしまい、それまでの言葉はすべて忘れてしまう、という感じで見ていたのなら、こっちとしても、そんな人を相手にどうこう言ってもしょうがないからだ。

別に「バトルがまったくなかった」とか「宇宙人が何だかダサい」とかいう理由で面白くなかったのではなく、前後の辻褄合わせも含めて、この映画が何を描きたかったのか、まったくわからなかったから「面白くなかった」と言っているわけですよ。

終わった後で、これほど唖然とする映画も久しぶりでした。

ということで、評価は今年初めてですが「D」にします。


登場人物で言うと・・・

主演のエイミー・アダムスは、ちょっと年を取った感じだけど、そんなことより、「言語学の第一人者」というイメージがまったくなかった。

「アルマゲドン」で、ブルース・ウィリスが「あんたが世界一の石油採掘のスペシャリストだ」と言われて、いきなり地球の運命を託されるのと同じくらいの「えい、やあ」感がハンパない。

共演のジェレミー・レナーも、科学者というよりは筋肉野郎のイメージがあるので、むしろCIAのエージェントの方が似合っていたと思う。

フォレスト・ウィテカーは貫録十分でした。

あと、宇宙人たちは、地球人から勝手に「アボット」とか適当に名前をつけられて、しかもそれをいつの間にか受け入れていたけど・・・

お前ら、アホなの?
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